呼吸法

なぜ全人類の呼吸のやり方が不適切になるのか?~異常呼吸と不良姿勢の究極因~

10年後も20年後、そして一生スパンで美と健康を保ちたければ自立した心は欠かせない。

だが一方で自立した心を持ち続けるには、肉体の美と健康への自信は欠かせない。

「美と健康」と「自立心」は、切っても切れない相互依存関係なのだろう。

そして、正しい呼吸と美しい姿勢についても全く同じことが言えるのだ。

さて前編では、不適切な呼吸は将来の体の諸問題のトリガーになるとお伝えした。(=重大インシデント)

↓前編を読んでいない方はこちらから↓

【正しい呼吸がなければ美しい姿勢は存在しない~不適切な呼吸を重大インシデントに~】

そしてその中で私は、今の時代を生きるほとんどの人が理想的な呼吸をしていないと苦言を呈した。

もしこの主張を信じるのなら、なぜ私たちはそんな事態に陥っているのだろうか?

何が原因で呼吸や姿勢は乱れるのか?

何をどう改善すれば、このような状況を打開できるのだろうか?

ではこの疑問にお答えするべく話しを進めていこう。

因果関係について|なぜ呼吸は乱れるのか


この世の全ての出来事や現象には、必ず原因が存在する。(量子の世界では必ずしもそうではない)

これが“因果律”と呼ばれるものだ。

例えば交通事故で因果律についてを考えてみよう。

事故を起こした運転手が酔っぱらっていた場合、その事故の原因は運転手の判断ミスと予見性の欠如で大方異論はないだろう。

司法でもそう裁かれる可能性が高い。

だが因果の関係は、幾重にも重なった階層式になっており掘り返せばどこまででも行ける。

交通事故の場合は原因を酔っぱらった運転手とする階層から一段階下げると、会社の仕組みに問題はなかったか?になる。

パワハラの問題や社員が酒を飲まずにはいられないような勤務体系や労働環境がそれにあたる。

それと全く同じように不適切な呼吸の原因を考えるとき、筋肉や骨格の問題から一段階下げてみることには大きな価値がある。

すなわち周りの環境やライフスタイルに目を向けるのだ。

でなければ、交通事故でも不適切な呼吸でも、再発の予防に対してアプローチしていることにはならないだろう。

そして再発の予防ができなければ、問題は解決したとは言えないのだ。

不適切な呼吸とは?|3つのチェックポイント

その為にまずはじめに、不適切な呼吸とはどんな呼吸なのかを簡単に解説していこう。

自分の呼吸をチェックしながら読み進めてもらいたい。

【1.口で呼吸している】

初めにチェックしてもらいたいのは口で呼吸をしていないかどうかだ。

気付くとのどが乾燥していたり、ふとした時に口が開いている人はかなり怪しい。

また、蓄膿や花粉症などが鼻が通りにくい人はまず鼻の通りを良くすることを最優先で行った方がいいだろう。

海外では、呼吸や姿勢などにアプローチする前に鼻の構造的な問題を解決するためにオペをする程だ。

【2.腹式呼吸≧胸式呼吸】

次にチェックしたいのは、お腹がしっかりと膨らんでいるかどうかである。

正しい呼吸のやり方とは、息を吸い始めた時に胸ではなくまず(あるいは同時に)お腹が膨らむ必要がある。

しかも膨らみ方は、前方だけに膨らむのではなく、360度、つまりドーナツ状に膨らむのが理想的な呼吸のやり方だ。

【3.肩、首の過剰使用】

最後に確認したいのは、呼吸をする度に肩と首の筋肉を使い過ぎていないかどうかである。

鏡の前で深呼吸をしてみて、肩が激しく上下していたり、首の筋肉に緊張がみられる場合はNGとなる。

以上の3つをまずは自分で確認してみよう。

1つでも思い当たる節があれば、その原因を探っていくべきだ。

なぜあなたの呼吸はおかしくなったのだろうか?

不適切な呼吸の究極の原因|知は力なり


第一章で説明したようにこの質問を、横隔膜がどうで腹筋がこうで、骨盤と肋骨のポジションがこうなれば...などと答えることにあまり意味はない。(不特定多数に対して発信しているブログという媒体を通してはなおさらだろう)

重要なのは、もう一段階層を下げて原因を探ることだ。

そうすればおのずと答えは見えてくる。

つまり、あなたを取り巻く環境に原因がないか自問自答してみようではないか。

するとこうなる。

車、エスカレーター、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、パソコン、スマートフォン、インターネット、SNS、加工食品、保存料、冷凍食品、徒歩圏内どこにでもあるコンビニやさらには出前や宅配サービス...などなど。

これらは私たちの祖先が進化してきた環境と比較すると極めて“不自然”であり、ゆえに、私たちの許容できるストレスの範囲を逸脱しているのだ。

人間にとっては不自然だと思われるこのような現代の生活環境ストレス全てが、私たちの体内の正常なメカニズムの乱れを引き起こし、結果的に呼吸を不適切に追い込むと今では考えられている。

したがって、不適切な呼吸を生み出す真の原因を簡単にかつ大雑把にまとめるとこんな感じだろう。

・運動の量と多様性の不足

・食の工業化

・自然との触れ合い不足

・精神的なストレス

・化学的なストレス

・裕福で便利な発明の代償ストレス

ここで私が言いたいのは、皆で原始的な生活に戻ろうということではない。(戻りたいとも思わない)

私たち人類は他のどの生物よりも賢い脳を持っている。

だが現在、その賢さの産物である先進技術によって私たちは新しい問題に直面していると自覚すべきであり、一人ひとりがその賢さを再び駆使して、この問題を乗り越えようとする努力が必要なのだ。

だから呼吸や姿勢など含めて、自分が今後一生大切にしていくべき身体についてもっといっぱい知識を蓄えよう!

“知は力なり”である。

まとめ|呼吸と姿勢が変われば未来が変わる

私たちは日々生活する中で、呼吸や姿勢について意識することはほとんどないが、それは無意識うちに脳が制御してくれているからに他ならない。

したがって無意識レベルにまで染みついた良くない呼吸や姿勢を改善するのは簡単ではないだろう。

数か月かけても難しいかもしれない。

だがわたしたちの脳には学習する機能がある。

呼吸や姿勢が良くなることのメリットを心の底から実感すれば、必ず脳は変化するはずだ。

呼吸が変われば姿勢が変わる。

姿勢が変われば呼吸が変わる。

呼吸と姿勢が変われば未来のあなたの体は美しく健康でいられる。

私はそう確信している。


|この記事を書いた神尾健太という人物➤https://wp.me/P9oEaZ-41

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