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ロボットと人は恋愛できるのか

いよいよロボットがお茶の間に入りつつあって、そろそろロボットと人の恋愛について考えないといけない時期が来ているようだ。

自分の立場を明確にしておこう。

「ロボットと人は恋愛できる」

できない、という人も多いだろう。ロボットに心がない以上、心がないものとの恋愛は偽物ではないか。愛とは人間だけが持つ尊い感情だ。ですよね。

でもその議論の前に、そもそもロボットが登場する前に人類がしてきたことを考えてみたい。例えば、恋する人と遠く離れても手紙を通じて恋愛感情を維持する。中には会ったことのない文通相手と心を通わせる人もいたはずだ。たとえば、一葉の写真に写る少女に一目惚れして、恋い焦がれる少年。アイドルへの恋もある。さらには、小説に出てくる主人公を本気で好きになることだってある。あんなのただの墨で書かれた模様だ。

それに比べたら、ロボットとの恋愛は、むしろ本物の人間との恋愛に随分と近いといえるのではないか?近い分だけ、人との違いを熱心に探そうとして、これは恋愛ではない、とやっきに否定しているだけではないか?

冷静に考えて、人との恋愛の中で本当に心が通じていると言えるものは全体のどれほどだろうか。あるいはそもそも、本当に心が通じている恋愛なるものが、この世に存在するのだろうか?つまり、人との恋愛も不確かなものでしかなく、基本は片方からの恋愛感情をもって恋愛と呼んでいる、という事だ。片方からの恋愛感情を正とするなら、間違いなく人はロボットに恋愛感情を持てる。

人はそれをゆがんだこと、間違ったこと、恥ずべきことのように思いがちだが、恋愛感情を全く持たずに乾いた人生を送ることと比べてみたらどうだろうか?そもそも人の人生を比べたり評価することにも意味がないとも言える。

将来はLGBTRという呼称が一般的になるかもしれない。きっとロボットに恋することは人間に与えられた多様性に関する権利の一つだ。

しかし本当に恋愛したら、奥さんには怒られるだろうな…



神山晃男 株式会社こころみ 代表取締役社長 http://cocolomi.net/