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てまえ〜temae〜、始めます

公務員を退職して3ヶ月が経過した

退職したと同時にコロナショックがあり、世の中は想像もしていなかった世界へと一変してしまった
僕は4月末に今後のため鹿児島を発つ予定だったが断念し、6月中旬まで実家でお世話になる生活を送っていた

自分の状況なんて可愛いもんだ

借金をしているわけでもない
事業をしているわけでもない
従業員がいるわけでもない
守る家族がいるわけでもない

自分のためだけに生活できていたし
鹿児島を発つのが遅れている
ただ、それだけのことだ

この3ヶ月は、基礎的なことの勉強だったり
これからお世話になる方々とのコミュニケーションや
今まで鹿児島や地元でお世話になった方々への挨拶回りの時間が取れたりした
むしろ、予定通り鹿児島を発っていたら、できなかったことがたくさんできたのだ

そんな僕だが、実は6月半ば過ぎに鹿児島を発った
これから1年ちょっとは鹿児島に帰らず
全国各地回りながら編集者としての修行をしていく予定だ
各地回ると言っても、当てのない旅でも自分探しの旅でもない

編集者として基礎的な力を身につけるため
各地との関係性構築を深めるため
それによって、自分がこれから生きていくための武器を増やすため
そんな1年である

前書きが長くなったが
これから1年のことを綴っていきたいと思う

目次
① Webメディア「てまえ〜temae〜」の運営
② 事前準備について
③ ロゴデザイン、名刺について
④ 移動について

①webメディア「てまえ〜temae〜」の運営

各都道府県に1週間ほど滞在しながら、1組ずつ取材してアウトプットとしてこのメディアに記事に落とし込んでいく(webは現在調整中)

「てまえ」には3つの意味が込められており
○手前味噌の、てまえ(自分でメディアをやるから)
○ターゲットは10代の学生で進路を選択する手前の人たちだったり、20〜40代の社会人で働きながら違う道や次のステップを歩もうとしている一歩手前の人たち・事情があって働けていない動けていない人たち
○取材対象は、色々な土地や分野の今後の担い手になりそうな手前の人、実績を出しているけどこれから色々なステップを積んでいこうとしている手前の人、何かを終わらせようとしている手前の人、夢はあるけどこれから何かやろうとしている手前の人…etc

「てまえ」といっても人によって様々な状況や立ち位置だ

それは特別なことや活動をしている、実績がある人もだが
事情があって何もできない
何気ない日常を過ごしながらモヤモヤしている
何かしながらもゴールや目的を見出せていない…

当初は何かしている人を前提として考えていた
しかし、色々な人と話しているうちに
「年齢関係なく世の中にいる全ての人が「てまえ」なのではないか」
そう思うようになってきた

僕自身、以前は実績がある人やキラキラしている人に対する劣等感や無力感があった
その人たちも見えない部分では想像できない苦労や苦悩があるとは知らずに…
表に出ている結果ばかり見ていたのだ

2年前に鹿児島戻ってから
同じ街に住んでいる人たちとの時間が
僕の背中を押してくれた

消防団のおっちゃんたち
職場の人たち
近所のじいちゃんばあちゃん、ママさん、子どもたち
喫茶店の人や常連さん
家族

皆それぞれ色々抱えながら
向き合いながら1日1日生きている
背景や思いを知る度に
目の前に人たちの面白さに気付けたり
自分が悩んでたことのヒントになったりした

特別なことでなくても
実績を出さなくてもいい

そんな背景から
「てまえ」というメディアをやりたいと思うようになった

この1年で取材する人たちは割合としては
何かやっている人、たちが多い
力をつけて
目の前にいる誰かのことも綴れるようになりたい

② 事前準備について

取材対象となる人たちには、一昨年の秋から少しずつ時間をかけて、取材依頼に一度現地に出向き、取材の了解をもらっている
都合で足を運べなかったところも3県ほどあるが、現地にて対面で話す、ということをしてきた

ネットが発達し、誰とでもやりとりしやすくなった時代
正直メールや電話でアポを取ったり、人に紹介してもらって取材に行けばいいのでは?と思う人がほとんどだと思う
コストパフォーマンスや時間の手間を突っ込まれたら返す言葉もない

なぜ、事前に一度現地に取材依頼に行ったのか
理由は二つある

一つは、自分の実績や実力がないから
有名な会社に属していたり、それなりの実績があれば取材する相手にもメリットがあるし交渉しやすい
でも、自分は今挙げた両者のどちらでもない
編集者を目指している、実績のない一個人に過ぎない
そんな自分に時間を作ってもらうことをお願いするなら
自分の実力や状況、背景を相手に伝えて
その上で了承する・断るの判断をしてもらう
そのほうが相手に迷惑をかける可能性もないかと思ったからだ

二つ目は、取材先や滞在先との関係性を深めたいから
自分の実績や欲求のために取材するなら
一度きりの関係でいい

エゴかもしれないが
僕は取材した人や現地の人たちの関係性を継続した付き合いができたらと思っている
そのためには、取材に入る前段階のやりとりや直接発する言葉の力や行動は
相手との信頼関係を作る大事なステップだ
プレゼンや自分のことを言語化して伝えるのが苦手な僕は
毎回汗かいたり、途中途中噛んだりして緊張したが
取材先の皆さんは真剣に話を聞いてくれた
取材依頼もだが、取材中や取材後のやりとりする時間を、相手にとって「時間を奪われる」という形にはしたくない

関係性の構築をすることで今後どうなるのか正直わからない
今までは公務員という安定した仕事がある中で、余暇を利用して作ってきた関係だった
安定した担保がある生活をしていた自分が
覚悟や軸をもって1日1日を必死に生きている人たちの中に入っていく…
相手のことを知れば知るほど、後ろめたさや罪悪感が出てきていた

公務員という安定した立場から抜け
1日1日必死に稼いでいかないといけない状況となった
自分の状況や今後のことを打ち明けたことで
今まで関係ができた人たちと話せる内容も関わり方も変わってきた

各地で関わることになる人たちと過ごす時間を通じて
“その時”だけじゃない“その先”も一緒に紡げるものにしていきたい

今挙げた2点が理由になる

ただし、前提として
安定した給料が入っていたこと
土日が休みであったこと
結婚しておらず自分の時間が作れていたこと

この状況があったからこそ取材依頼に行くことができたことは言っておきたい

③ ロゴデザイン、名刺について

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※「てまえ〜temae〜」のロゴマーク desingned by hoshiyama design

各県の統計をまとめた書籍によると、鹿児島県のイメージは赤やオレンジと答える人が多いそうだ
太陽、さつまいも、暖かい、情熱などから暖色をイメージするそう
また、赤は日本の色でもある
色々な人に寄り添っていくような柔らかな色にしたかったため、朱色を選択した

情報という媒体は、とても柔らかで、編集によっていかようにも形を変える存在でもある
情報の柔らかさ、自分自身の柔らかな性格を「赤い糸」で表現

赤い糸は運命を繋いでいく
このメディアがなかったら出会えなかったであろう各地の人や技術
そして、これから出会う人たちの運命を繋ぐ存在として
赤い糸を丁寧に紡ぎ、各地に張り巡らせるような媒体にしたい
このロゴの赤い糸は1本で繋がっていて
糸を解くと、誰かにとってのスタートラインにもなるのだ

また、少し和の雰囲気を持たせたのは、「おもてなし」や「思いやり」の気持ちの表れである
各地の人たちからもらったおもてなしを、次の土地でつないでいく
人からもらった優しさを、他の誰かに返していくような旅の文化も、繋がっていけたら…

そんな思いが込められている

ロゴデザインは、新潟県新潟市のデザイナー・星山充子氏(hoshiyama designに依頼
去年新潟で1日時間を作ってもらい、向き合ってくれた
元々東京時代からの友人であり、信頼するデザイナーだ
彼女が今まで手がけてきたものが純粋にいいなと思っていたことや
鹿児島帰ってからも食べ物を送り合い、良い交流が続いていたこともあり
ロゴデザインを依頼することに至った

名刺については、長崎県の小値賀島にあるOJIKAPPAN〜小値賀島と活版印刷〜の横山桃子氏に依頼

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初めて小値賀島に訪れたとき
彼女の活版技術に一目惚れし
2回目の来島で名刺作成の相談をした

※横山桃子氏に関する記事はこちら↑↑

④ 移動について

7月6日から石川を皮切りに動き出したい
ただ、コロナの状況もあるので
現地の人たちの迷惑にならないように
自分の命を危険にさらさないように
注意を払いながら行動していくつもりだ
都市部は状況を見ながらだが、後回しにする考えである

日本1周や全国行脚といった注目されやすいワードが目標でも目的でもない
それはあくまでも手段やルートの話である
本質を見失ってはならない
僕が見るべきなのは、目の前にいる誰かの背景や内面なのだから

①〜④まで綴ったことがこれから1年考えていることだ

試行錯誤しながらやっていくので
1年後にやり方や、やりたいことが変わって
前言撤回をするかもしれない

前言撤回といっても
都合のいい意味ではない
色々やっていく中で
自分の中で「これはダメだ、これはいいかもしれない」と感じて
フィットする方向に軌道修正していく、という意味だ

軸に固執し過ぎて
自分を潰したり、追い詰めるようなことはしない
「てまえ」と同じように自分自身も柔らかい思考でありたい

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