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ウズベキスタン旅記録 #6:2つめの都市・ブハラへ

2019年に訪問したウズベキスタンの旅行記です。写真多め。
#5はこちら:アラベスクと城壁


ブハラへ向かう

快晴の朝。2日間滞在したイチャン・カラに別れを告げ、ホテルの送迎車でヒヴァ駅へ向かった

青空とヒヴァ駅

ヒヴァ駅は完成してまだ一年も経っていない新しい駅らしく外も中もピカピカで、欧米人を中心とした観光客であふれかえっていた。

ヒヴァ駅正面の街並み。人は1人もいない

駅にあわせて周辺も開発を進めているらしいが、この頃はまだ閑散としていた。これから観光地として賑わっていくのだろうか。
先程までいたイチャン・カラとのギャップに少しだけ寂しい気持ちにもなる。

ブハラへ向かう高速列車は複数のクラスがあり、VIPでも3000円程度だったので今回はVIP席にした。なんてリーズナブルなVIP席だろうか。

待合室の写真。白いソファーや綺麗な絨毯など、新品らしい調度品で占められている
待合室の写真。立派な食器棚や、壁にはヒヴァの街を描いた絵画が飾られている

VIP席の利用者は、駅の隅にひっそりとある待合室を利用できるようだった。
試しに覗いてみると、新しいせいか全てがツヤツヤしておりなんだかできたてのテーマパークのようである。しかも存在感が薄いせいか、利用している人はほぼいなかった。

駅のホームで待機している列車

時間になり、プリントアウトしたチケットを見せて駅のホームへ向かった。
仏頂面の乗務員が車両の入り口で待ち構えていたが、近づくと「コンニチワ!」と笑顔と日本語の挨拶で出迎えてくれた。

予約した席に向かうと、自然な形でめちゃくちゃ占拠されていた。あるある。あるよね。
どうやら家族で一緒に座りたいらしいとのこと。
まぁこっちは1人だし、今回は窓際に座れればいいや程度のこだわりだったので譲ることにした。
ここは徳を積みましょう。

VIP席。革張りの椅子がふたつと、テーブルクロスがかけられたテーブルがある

代わりの席は、イタリアから来ている3人組との相席だった。
相席ではあるものの椅子はふかふかだし、軽いリクライニングも充電もできて十分に快適だった。

窓から眺める景色。砂や土だらけの土地が遠くまで続いている

次の目的地・ブハラへの移動時間は約6時間。
窓から見える景色は最初こそ荒れた雰囲気だったが、少しずつ生活感のある雰囲気へと移り変わって行った。

ぼんやりと眺めていると、時々ロバかヤギかに乗って移動する人や、高速列車に向かって手を振る子どもが見える。はじめて見る光景なのに、不思議と懐かしさを感じた。
一面の荒野の中、高速で駆け抜ける列車の存在は大層浮いて見えるのだろうな。

アグレッシブな人々

無事にブハラ駅へ着き駅の外へ向かおうとすると、向かいから歩いてきた警備員か警察かのような仏頂面の男性に声をかけられた。
思い当たることは何もないのに、何かやらかした? 外国人だからパスポートを見せるのか? とドキリとする。

「タクシーはあるか?」「いやまだ…」
「電話番号は?」「日本のはあるけど…」
「WhatsAppはやってるか? 連絡先を交換しよう」

斡旋か?! ナンパか!? 君の仕事は何なんだ。。
一瞬でもヒヤヒヤしてしまったこちらの気持ちをどうにかしてくれ。

適当にあしらいつつ駅の外に出ると、タクシー運転手たちによる客引き合戦が始まっていた。
加えてここに来てSIMが死んでいることに気がついた。ヒヴァでは大丈夫だったのに!

ホテルの部屋。大きいベッドの上に、荷物を投げ捨てた状態

ドタバタの到着になってしまったが、幸いにもヒヴァ駅で知り合った日本人観光客とタクシーをシェアすることで宿にはたどり着くことができた。SIMが無いだけでこんなに焦ることになるとは。

休憩もそこそこにSIMを買いに外に出ると、今度は現地の陽気なお兄さんから声をかけられた。
旅行の手配をしているらしく、お茶をしよう、案内するよ! とやたらアグレッシブである。
しかし私に必要なのはお茶じゃなくてSIMなのよ!

用事があるからと伝えると名刺だけ渡されて去っていったものの、ブハラに着いてから急に人々がアグレッシブになった気がする。
田舎から都会へ上京してきたかのような気持ちになりつつ、足早にSIMの店に向かった。

チョル・ミナル

SIMはBeelineというお店で無事に購入することができた。SIMが使えなくなった理由は謎のままだが、ネットワークを手に入れて一安心したので、ブハラの中でも端の方にあるチョル・ミナルに立ち寄ることにした。

街角の建物の壁に「チョル・ミナル」と書かれた案内のサインが貼られている
チョル・ミナルの全景。4つの棟が立った煉瓦造りの小さな建物

チョル・ミナルはかなり裏道の、住宅街と思わしきエリアにぽつんとたたずんでいた。

池の前に寝そべる猫

周囲では猫や地元の子どもたちがのんびりと過ごしており、観光名所というより町の公園のような場所だった。

塔の上にコウノトリとコウノトリの巣が飾られている

塔の上には、つくりものではあるがコウノトリの巣が飾られていた。ブハラでは幸せを運ぶ鳥として親しまれているらしい。

建物の中に入ると、ここも「ど真ん中」でウズベクおばちゃんが商いをしていた。
とはいえ入り口で入場料を支払うと、それ以外は何も関与してくることは無かった。このあたりはヒヴァより控えめらしい。

建物の中の飾り窓。細かな模様の隙間から、外の光が差し込んでいる
建物の中に置かれた壺

少し日が傾きはじめており、窓や隙間から見える陽の光が美しかった。

建物の中の階段。下の階からは温かなオレンジ色の光が差し込んでいる

小さな建物ということもあり、そこまで時間をかけずに中を見終えた。

日本で見るニワトリよりも羽や脚元がフサフサしているニワトリ

外に出ると、見たことのないタイプの鶏がいた。
足元がとってもフサフサでかわいい! この辺によくいる種類なのだろうか。

謎のお店。手前のテーブルにはたくさんの品物が並び、子供たちが眺めたり触ったりしている。壁にはたくさんの古い衣類品やカバンがかけられている。

ホテルへ戻る前に、チョル・ミナル正面にあった謎のお店も覗いてみた。

大皿にぎっしり詰まった古いピンバッジ
テーブルの上には食器や古そうな絨毯が置かれ、壁にはたくさんのお皿が飾られている
低めのテーブルの上に、大量のポストカードやアルバム、写真、雑貨類が雑多に置かれている

商品はお土産というより骨董品のようで、ソ連時代を思わせるバッジや、古そうな絨毯、よく分からない品々までたくさんある。どれもこれも埃をかぶっており、商品なのか倉庫なのかも分からない。おまけに店主らしき人も見当たらない。ここはなんだ?
結局最後まで店主らしき人は現れず、地元の子どもたちだけが買うわけでもなく楽しそうに商品を見て遊んでいた。

リャビハウズでディナーを

ブハラでは「リャビハウズホテル」に宿泊した。
ブハラの中心地にあり、ホテル近くには「リャビハウズ」という人工の池がある。
リャビハウズの周りには有名な建物がいくつかあるため、夜まで人々でにぎわうような場所だった。

夜の池と、池の周りを囲む飲食店のテーブル
池と池周囲の電飾がつけられた木々。池には電飾の灯りが反射している

写真でも夜のリャビハウズの明るさが伝わるだろうか。
写真で伝わらないのが残念だが、この明るさに加えて結構な音量でアゲアゲな音楽まで流れている。クラブか?
レストランとはいえ、ちょっとしたテーマパーク感がある場所だった。

リャビハウズホテルのレストランの内装。クラシカルで豪華な内装の中、複数のテーブルが並んでいる

一方でリャビハウズホテルの中にもレストランがあり、ブハラ1日目の夕飯はここで食べることにした。
内装は豪華そのものだが、スタッフは明るくフレンドリーで1人でも居心地の良い場所だった。

机に置かれたひとつのビールジョッキ

とりあえずビール。
この大きさで130円くらいなので感覚が狂う。

机に置かれたボルシチとビールジョッキ

この辺りらしいもの…ということで料理はボルシチを食べた。苦手なパクチーが入っていたのは誤算だったが、まぁまぁ美味しかった。

机に置かれた丸い形のチーズフライ(料理)

ボルシチの分量が1人向けでちょうどよかったので、「Cheese ball」というメニューも追加注文した。
海外のレストランだとメニューに写真がないことが多く博打に近いものがあるが、1人でもちょうど良い量だしとても美味しかった。

お会計はビール+2品で600円だった。安すぎる。
感覚が…。

ほぼ座って移動するだけの1日ではあったが、駅の警官をはじめ、謎のイケイケお兄さんやその後も怪しいナンパ師に声をかけられたこともあり、移動疲れとも違う疲労がたまっていた。残念ながら私はそこまで社交的ではないのだ。

明日からのブハラ観光に備えて、この日も早めに寝ることにした。
明日は早起きしてブハラの西側を観光する。

つづく


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