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ウズベキスタン旅記録 #5:アラベスクと城壁

2019年に訪問したウズベキスタンの旅行記です。写真多め。
#4はこちら:猫とチャイハナ


アラベスクと祈りの言葉

ウズベキスタンのことを思い出したのは「世界ふしぎ発見!」がきっかけだったが、そもそもウズベキスタンに来たいと思った理由のひとつが「たくさんのアラベスク模様がみたい!」だった。

ヒヴァに滞在した二日間だけでもたくさんのアラベスク模様を堪能していたが、その中でも最も美しいと感じたのはパフラヴァン・マフムード廟だった。

ヒヴァの街並み

パフラヴァン・マフムードは12・3世紀頃の英雄で、ここは彼やその後の統治者たちの霊廟として人々がお参りにやってくる。
遠目から見ても分かるブルーの丸い屋根が特徴的な建物だ。

霊廟の入り口。建物の壁面にはアラベスク模様が描かれている

入り口で靴を脱いで中に入る。

霊廟の中の様子。壁と天井の全面に、青色を基調としたアラベスク模様が描かれている

中のアラベスク模様は、ここまで見た他のアラベスク模様よりも綿密で繊細だった。
アラベスク模様は植物や動物が題材になっているが、ここはまさに一面をツタや植物が覆っているかのようだった。

ちょうどその時間だったのか、廟内では聖職者による祈りの言葉が唱えられはじめた。
全面がタイルに覆われているためか、廟内は音がよく反響する。静寂でひんやりとした廟内に、祈りの言葉が響き渡っていく。
アラベスク模様と祈りの言葉に包まれた空間は、それはそれは美しいものだった。

観光名所の写真や動画が巷に溢れている昨今、現地に行かず写真を見ただけならきっとここまでの感覚にはならなかっただろう。
その場に実際に立ち、視覚以外も含めてその場を体感できたからこそ、思い出深い場所となった。

城壁を登る

イチャン・カラをぐるりと囲む城壁は、実は一部のみ登ることができる。
部分的に坂道になっている箇所があり、そこから城壁に登ることで上から街を眺めることができるのだ。

城壁の上の様子
城壁の上から街を見下ろしている様子

高さは建物の3階くらいだろうか。道幅は広いものの、片側に柵はないので落ちないように注意する必要がある。

城壁の上の様子

かつては見張りが登っていたのだろう。
壁には城壁から外を監視するためと思われる穴がいくつもあいていた。

城壁にあいた穴から外を眺めている様子。遠くに観覧車がみえる

穴からは、今は平和に観覧車が見えた。

城壁の上から見えるミナレットなどのランドマーク

城壁の上を歩いて行ける範囲は限定的で、最後の地点からはヒヴァのランドマークたちがよく見えた。
ここから見る光景はきっと昔から変わらないのだろうな。

ヒヴァの夜景

この日はヒヴァ最終日なので、夜のイチャン・カラを散歩した。普段の一人旅だとあまり夜は出歩かないが、日中の平和な様子からまぁ大丈夫だろうと判断した。

ライトアップされた円柱型の建築物(カルタ・ミノル)

メインのランドマークたちはライトアップされていた。
早朝や日中は厳かに見えた建物も、現代的にライトアップされるとまた印象が変わる。

ライトアップされたミナレット

綺麗なことに変わりはないが、なんだろう…ライトアップされると途端にテーマパーク感が強くなるな??
少しだけ、ディズニーランドに来た感覚になる。

ライトアップされた建築物の入り口

ムハンマド・アミン・ハン・メドレセ。
日中はど真ん中に謎の撮影スポットらしき椅子があったが、夜は誰もおらず静かだった。

ホテルの屋上からライトアップされた街並みを眺める様子。手前のテーブルには、缶ビールとスナック菓子が置かれている

散歩の後は、ホテルの屋上で晩酌をした。
お供は昨日とは別のウズベキスタン産ビール・「バルティカ(БАЛТИКА)」と、謎の「DUBAI」という名のスナック。

正直なところ夜は冷え込むし、ビールよりも熱燗の方が合うくらいだったが、恐らく二度と訪れることがないこの景色を最後まで堪能したかった。

素朴で不思議な場所、ヒヴァ。行きづらい場所だが、来て良かった。

明日は朝早くにヒヴァを発ち、次の街へ向かう。

つづく


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