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ボヤキ漫才はドツキ漫才より好き~詩と雑録

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つぶやき、ヘボな詩の、はきだめです。はあ~
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2022年11月の記事一覧

小詩集・こもれび

小詩集・こもれび

こもれ日のあたたかい午後

巣立ちの雀が親に甘え

口うつしにエサをねだる

なさけうるわし

わが老いの年代記

こまやかな葉陰にしるす

よみびとしらず

ふかきかなしみを

おだやかな風となして

徹夜あけ

光をもとめ

徘徊す

光あり

満ち足り

静謐なる

わが老いの季節を刻む

私鉄の支線の終点の駅前で

おじいさんが胸にプラカードをさげて

なにか言いながらうろうろしていた

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閉塞した時間幻覚のなかで
営まれる歴史
過去という小部屋を訪ねて
何を知りたいのか
枯れた言の葉を拾い
観察し
集め
結局捨てる
現在というカプセルのなかで
息苦しい思いを堆積する
それは
たぶん歴史ではない

聖夜・詩二編

聖夜・詩二編

聖夜

ゆうぐれに灯りもつけずに

いいえ……私はしっかりしています

ただもうしばらくめそめそさせて

あなたに甘えさせてください

私たちが何よりも至福であると

気づくに充分にあなたが

ゆうげの食卓をつくろって下さった

私たちの時折のぜいたくの

あたたかいブロイラーチキンが

この丘陵の家々に秘められた

一つ一つの祈りの香気としてただようのです

足をすくめて羽のはえた!黄色い天使!

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