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「好き」が拡散しやすい時代。真摯なコミュニケーションの末にDINETTEが作り上げたもの。「#好きだから宣伝したい」Day1開催レポート

私の所属するトライバルメディアハウスでは、本日から合計5日間にわたって、「#好きだから宣伝したい ~インフルエンサーマーケティングを変えよう~」というイベントを行っています。

正式な書き起こし記事は、トライバルメディアハウスの公式noteで公開予定ですが、速報みたいな感じで、本日からレポートを公開していこうと思っています。

気になる方はTwitterのハッシュタグ「#好きだから宣伝したい」もぜひ追ってみてください。

本日は以下のプログラムです。

好き宣_Day1 (1)

DINETTEが歩んだ軌跡

代表の尾崎さんが就職活動の末、決めたのは起業の道へ進むことでした。

当時、ひとりの消費者として "わかりやすくて、ためになる” 美容メディアが存在しないことに注目して、DINETTEを開始されたそう。

Instagramにて、1年弱で10万近いフォロワーを獲得(ほとんど1人でやっていたとのこと!)。メディアとして成長する過程で、インフルエンサーマーケティング事業をおこなうため美容ファンに声をかけ、インフルエンサーたちの集まりである「DINETTE GIRLS」ができました。(DINETTE GIRLSは社内での呼び方だそうです)

そして、2019年にはコスメブランドPHOEBE BEAUTY UPが立ち上がり、第1弾であるまつげ美容液を販売するも、即完売。

DINETTEの軌跡については、ご本人が書かれたこちらのnoteをぜひご覧ください。

本日のイベントでは、この裏側をいろいろ聞くことができただけでなく、尾崎さんの熱意もひしひしと感じることができました。

Instagramを中核とした強固なビジネスモデル

対談中に出てきた内容で、印象的だったのがこちら。

必ずしも、どの会社も調査と取り組みが分断しているわけではないと思いますが、一般的に「調査」と結果を踏まえた「施策」は、それぞれ別個のプロジェクトとして進行するもの。

しかし、創業当時から現在に至るまでのファンとのコミュニケーションを経て、Instagram上に「いつでも話を聞くことができる(会社の垣根を超えた)つながり」を構築できています。「仲間」と言ってしまっても過言ではないのかもしれません。インフルエンサーどころの話ではありません。

このつながりが、調査・開発・プロモーションといったマーケティング活動にレバレッジをかけられる「資産」となっていることが特徴的です。

ここで言うレバレッジとは、費用・時間の2つの側面。

▼費用
・本来発生するはずだった費用(調査やプロモーション)が圧縮できているだけでなく、大きな効果が引き出せている。
DINETTEの場合は、ブランド立ち上げ時の広告費をかけずに、商品は即完売。また、ストーリーズを用いたアンケートで一度に数万件の回答が集まる。

▼時間
生活者のもつ課題や悩みをすぐに聞くことができたり、商品のフィードバックをすぐに改善へつなげることができる。仮説立証から調査までが非常に迅速に行うことができる。

すごい簡潔に言ってしまうと、「超高速でファンに話を聞いて商品の開発と改善を繰り返して、商品が出たらたくさんのファンがおすすめしてくれる」という状態です。これは、一朝一夕で出来上がるものではなく、かなり強固で模倣困難な競合優位性になっていると言えるでしょう。

Instagramのコミュニケーションは「客室乗務員」のように

だからといってDINETTEは「特別なことをしてきたのか?」というと、(失礼かもしれませんが)そうではないと思います。

秘訣は、非常に泥臭い活動の積み重ねや、単純に「思いやり」だと思いました。それをやりきっているからこそ、すごい。

まずは、フォロワーが10万人になるまでのInstagram運用。
尾崎さんの口から頻繁に出てきた言葉は「はりつく」でした。

スマホの側に"はりつき”、届いたDMにはすべて目を通し、美容に興味がありそうなアカウントは投稿を深堀りして観察。ときにはいいねやコメントでコミュニケーション。トレンドを発信しないと飽きられてしまうので、新鮮な情報を届けていく。そして日々変わるアルゴリズムに適応するため、A/Bテストの繰り返し。非常に泥臭いPDCAです。

また、尾崎さんはファンの「体験」をかなり大切にしているという印象を受けました。

たとえば、DMの返信。いただいたDMに対し、「ただ『ありがとう』と返すだけでは寂しくないですか? 」と尾崎さん。メッセージに対するお礼だけでなく、商品を買ってくれたことへの感謝や、内容にもしっかり答えるようにしているそう。

上記にも通じることですが、ソーシャルメディアの運用において尾崎さんが大切だと思っていることは、客室乗務員のように振る舞うこと。

乗車から降りるまでの体験において、近すぎず遠すぎない距離を保ったり、相手が不快にならないようにしたり、喜んでもらえることをしたりといった「相手がどう思うか」に真剣に向き合っている印象でした。

地道・真摯・継続

参加された方のTwitter投稿を見ていて、印象的だったのがこれらのツイート。

本当にそのとおりだなぁという陳腐な感想で申し訳ないのですが、当たり前のことを当たり前にやり続けることがとても重要なんだと思いました。(そして、それがとても難しい

もちろん、事業を立ち上げた当時は個人事業主でしたし、「しがらみも何もなかったからやれたんだ!」という意見もあるかもしれません。

ですが、簡単に試すことができて、効果が出るような施策は、存在すればすでに誰かがやっていて、それは競争優位にはつながりません

また、ファンとのコミュニケーションを継続することの費用対効果はどうなんだという話もよくあります。
おそらく、DINETTEさんも「ファンとコミュニケーションを取るためのInstagram運用」だけを切り取れば、リソースを大量に投下しており、採算にあっていないのではないかと思います。一方で、コミュニケーションを続けていくことで、とても強い(模倣困難な)競争優位が出来上がっています。

話がそれますが、こちらの書籍で語られている“あえて”他社がやらないことをやる「クリティカル・パス」に通じる話だと思いました。面白い本ですよ、おすすめです。

なので、施策単体で評価するのではなく、ビジネス全体で評価できるようにならないといけないのでしょうね。

繰り返しますが、競争優位は一朝一夕ではできません。
楽はできないということです。

と思ったら、ドンズバなツイートがありましたので、こちらで締めます。

明日は栃木サッカークラブのえとみほさんと、うちの代表の池田が「インフルエンサーマーケティングの“あるべき姿”と“成功・失敗則”を徹底討論」という内容です。

まとめるのが大変そうですが、がんばります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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BtoBマーケティングのプロを目指すため、日々精進しています! ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます! スキくれる方はみんな大スキです(*´ω`*)