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【詩】千年経っても青春

この高台からは
遠いようで近い
海を
何度も何度も
見つめられます

見つめる瞳の 奥は
サンシャインのよう
オルゴールのように
永遠とも 思われる
万華鏡

浅瀬に打ち寄せる
健気な波
高く高く
空を飛ぶ
かもめよ
わたしたちの居場所
知っていますか
主人公は問いかける

そこには
希望しかないと
錯覚をする
第3者もいる
しかし
海の近くに
森の気配は
存在している

日頃の雨や獣たちの
幾千年
蓄積された
ダム湖の水のような
エネルギー

当然そこにあるのに
見過ごされた
世界の不思議

それでも人は
希望を求め
光を求め
明日を目指す
歩かなければ

たとえ永遠
いや 永遠ならば
今ここがすでに目的地
だったとしても
太陽は追いかけるものだ
しかし
手に入れるものではない
なぜなら
わたしたちはまだ
潮干狩りに明け暮れてる
少年少女 だから

今ははしゃぎ
数分後もとことん
童心に戻りたくて
わたしたちはまだ
家に帰りたくない

太陽は待っている
帰りをさとす
いつの日かの
両親の
ように
黙って光って

夕暮れの波が
また 一段と
高い波となり
ゆらめいて
きらめいて
黙って
ほほえんで
見つめながら
押し寄せている

あの
遠いようで近い
高台のお膝元で

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