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自分のため、家族のために。実際に終活ノートを書いてみた。

親御さんやご親戚さんの介護が心配な世代のみなさま、こんにちは。

介護をする人の応援団をしている神戸です。

介護に関する講演で、

「人生会議をしましょう。親御さんがピンピンしている間に、受けたい介護や医療について話し合いましょう」

とお伝えしますが、コロナ禍において、その話し合いがもてるお盆もなくなってしまいました。

私自身、40代半ばを越えまして、若い時みたいに子どもと海水浴に行くようなこともしなくなりました。だって、日光を浴びるだけで疲れてしまうんですもの・・・。

体力の後退も感じてくるわけです。

また、検診で何かと引っかかり始めたり・・・。

「人生会議をしましょう」と口ばかりではなく、真剣に自分の後半の人生について考えたいと思い、終活ノートを購入してみました。

今はダイソーにも「じぶんノート」という、手軽で書きやすい終活ノートが販売されているんですよ。100円ショップで取り扱われているわけですから、そこそこの需要があるんですね。

いつかの“もしも”に備えて自分自身が望む医療や介護についてまとめたり、人生を振り返って後半の人生を考える、終活ノート(エンディングノート)。実際に書いてみて気づいたのは、書き出すことの難しさと、自分のため、残された家族や社員のために必要だということでした。

書くのに本当に悩んだり、「そんなこと考えたこともなかったー!」ということもたくさんあってですね。今回はその中でも特に記入に悩んだ項目を中心に、紹介しますね。


連絡先リスト

氏名、電話番号、メルアド、どんな間柄、緊急時の連絡の有無

書き出してみると、意外にも仕事関係者ばかりなんです。(意外じゃない?)

起業して7年。プライベートのお付き合いはほどほどに、仕事漬けの日々を送っていたのだなぁと、自分の行動範囲の偏りに気づきました。

久しぶりに仲良しだった幼馴染や同級生、ママ友に連絡したくなりました。


もしも...のときの治療や仕事

治療方針が決められない時は誰に委託するか?
回復が望めない時は誰に仕事の事後処理をお願いするか?

何事もスタートするときは終える時のことも考えなくてはならないと言われますが、起業・創業して7年目。さぁ、これから!という時に私がいなくなったら、果たして会社を代わりに継続して引っ張ってくれる人はいるのか?託したい人がいたとしても、代わりに引き受けてくれるのか?まだまだ目が離せないだけに、心配になりました。

急に亡くなったときの葬儀やお墓

葬儀の希望、宗教、葬儀を任せたい人、お墓、供養・法要 

わー、これはまったく想像もしていなかったですね。鳥取県は出身地でもないし、家族も転勤や進学でそれぞれ別々の生活をしています。

コロナ禍で移動もままならないのに、急変や急死となれば、病院が県外に住む家族をどのようにして受け入れるのだろう?と心配になってきました。

20代の子どもたちは、今まで数えるほどしか葬儀に出席したことがないため、葬儀会社の言われるがままの葬儀しかできないと思います。

身の丈に合った葬儀を選べるのだろうか、自分の実家の宗教は何なのか、理解していないと思います。親族が揉めないように、きちんと伝えておかなくてはならないのかなーと想像してみたり、家族に負担がかからないように葬儀以降の儀式は簡素化するのがいいかな、と考えてみたりしました。

保険金の受け取り

補償内容、保険金の支給条件、受取人

自分自身が意思疎通が取れない高度障害を抱えたとき、死亡した時、どのくらいの補償がでるか知っていますか?私は自分で生命保険に加入していながら、契約内容を忘れていました...。

死亡保障金額を各保険会社ごとに書き出し、どのように子どもに伝えたらいいか。分配の割合はどのくらいで、使い道はどう伝えたらいいか。伝える側も、聞く側も勇気がいることですね。

書き出してみることで保険内容にムラがあることにも気づき、高度障害を抱えた場合、仕事をしないまま保険金の受け取りで生活できるのかーー保険内容を見直すヒントになりました。

預貯金の引き出し

いくつの通帳が存在しいて、その印鑑はどれで、カードの暗証番号は何か

これは絶対に伝えておく必要があります。

通帳の存在を知らないばかりに、「休眠預金」として、国のお金になることもあります。(数年前から「休眠預金」を財源に社会的事業への助成が始まったので、いくらかは社会に還元されるわけなのですが)

それに万が一、子どもが通帳の情報を知っていて、代わりに銀行窓口に印鑑と通帳を持って預金を引き出そうとしても簡単に対応してもらえません。相続人として認められないといけないからです。

認められるまでに時間がかかる間に、色んな支払いが必要になってきます。直ぐに使えるようなお金を手元に用意しておかないと、子どもたちが慌てるだろうなあ…という様子が想像できました。

デジタル遺品

パソコンやスマホの中にある重要な情報、パスワード

家族にパソコンのパスワードなどをオープンにしない人も多いです。けれど今の時代、パソコンの中に重要な情報があることも多く、誰かに伝えておかないと、残された社員さんが困る事態になりかねません。

死ぬまで墓場にパソコン内の情報を持っていきたい人はともかく、オンライン決済やSNSを停止したい人は家族にパスワードを伝えておく必要がありますね。

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40代半ばにして終活ノートを書いてみて。先々の事を考えると思いは色々と巡りはするものの、実際にノートに記すことは難しいことが理解できました。

私たちはついつい、70歳を過ぎた高齢者に「終活ノートを書きましょう」、「断捨離をしましょう」と言ってしまいますが、年齢と共に判断能力や体力が低下しはじめると、本当に書くことは億劫になってしまいます。

だからこそ、より若い時から書き始め、誕生日ごとに書き直し、それを家族と共有することはとても大切なんですね。

40代から書き始める人は多いそうですよ。(今は、20代でも生き方を見つめ直す一環で書く人がいるくらいですから)

思い立ったときが、はじめどきです。(今すぐ、ダイソーへ!)

残されるかもしれない家族が迷わないように。

自分自身が後悔のない、人生を過ごしていくために。

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