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小学生の国語力をおうちで高める15の取り組み “はじめに”

はじめに

「我が子の国語の力を上げるために何か出来ることはないか」

そんな想いを抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。三児の親である私自身もその一人です。

国語の力──国語力──はすべての学びの土台だとよく言われます。でもその割には、何をすれば国語力が上がるのか、はっきりとしていません。

まず「国語力」という言葉そのものがぼんやりとしています。生きていれば国語の力はついていく、これは間違いありません。

我が子がはじめて言葉を発したその日から、もっと言えば生を受けたその瞬間から、国語の力は伸び続けています。言葉を通じて子どもたちの世界は間違いなく毎日広がっているのです。

でも、多くの方は「国語力がない」と嘆きます。では、子どもに身につけてもらいたい国語力とはどんな力なのでしょう。

それは、いろんな文章を読んできちんと理解すること。言葉をうまく使いこなして自分の考えを正しく伝えること。そして、あわよくば「国語」という教科で点数を取れるようにしたい、そんな力ではないでしょうか。

でも、みなさん気づいていますよね。その欲張った国語力は短期間で上がるものではない、そして、簡単に身につくものではないことに。

人は、言葉によって頭や心のモヤモヤに初めて形を与えます。そうして脳の中が少しはっきりと整理されてくると、組み合わせて発展させたり、まとめたりすることも可能になります。

相手が考えていることを汲み取り、また自分と相手の違いについても言葉によって初めて説明が可能です。物事に対して「なぜ」と常に問いかける批判的思考力も、「考え」に形が与えられて、ようやく身についてきます。

たとえば、友達をうらやましくて憎く感じてしまうその気持ちに『嫉妬』という言葉が当てはまったり、弟にやってはいけないことをして自分を悪く思う気持ちを『罪悪感』という言葉で説明できたりするようになる。すると、自分の感情を他人に説明することができ、また自分の心の正体も分かります。

一流の才能を持った方々も自分の状態、相手の状況、周囲の変化を言葉によってより正確に「見える」ようにしています。藤井聡太や大谷翔平、イチローや為末大の言語化スキルは極めて高く、「才能」の一言で片付けられてしまいがちな偉業が、私たちにも理解できるような言葉によって語られています。彼ら自身も言葉にすることによって現在地を整理し、より高みを目指す未来を描いているように感じられます。

私が考える国語力とは、言葉を知り、それを自分のため、人のため、社会のために運用していく力です。だから、その国語力の入り口には、まず、絶対的な言葉の力(広い意味での語彙力)がなくてはいけません。

だから、言葉の力をなるべくいろいろな角度から、できる限りたくさんの方法で伸ばしていくことが最優先だと考えています。

そこでこのnoteでは、言葉を運用する力を高めるための家庭の取り組みや環境を『ことば環境』と呼ぶことにしました。

そして、そのことば環境づくりを、「だれでも出来る」「すぐに取りかかれる」を大切にしながら、15の場面に分けてそれぞれ連載の形でご紹介してまいります。

目で見て、耳で聞いて、親子で話し合って、手に入れた言葉をドンドン使っていってください。

そして、最初に一つだけお伝えしておきたいこと。それは、保護者のみなさんもこの取り組みにおいて、心の余裕を持っていただきたいということです。

親次第、
親のチカラ、
親が9割。

そう言われると、肩に力が入りますし、気持ちが重たくなってしまいます。

だから、「あれもこれも」ではなく、「どれか」で構いません。子どもと相談しながらどれに取り組むかを決めてみてもいいですね。この取り組みが子どもとの言葉の時間を楽しむ一つのきっかけとなれば幸いです。

万人にとって効果的で成功する方法なんてありません。同じ環境で、同じように育てても、きょうだいですら全く異なる成長を遂げます。

だから、目の前の我が子に何が合っているか、どれだったら喜んで取り組んでいるかを、楽しみながら探してください。

「ウチに出来ること」、それで十分です。

「ことば環境づくり」に失敗はありません。一つのやり方がうまくいかなかったとしても、この取り組みを続けることで「家の中」や「行動」などの日常が、いつの間にか「ことばにあふれた環境」となっているはずです。

日常をちょっとだけ変えて、
世の中を少しずつ明るくはっきりと見ていくための力を、
おうちで高めていく「ことば環境づくり」。

ちょっとずつ、始めてみませんか?

興味をお持ちいただいた方は、ぜひ以下のnoteをご覧ください。

《有料マガジン》今後公開のものも含めて、すべての記事(15の取組)を1500円でまとめて読めます。400円ほど割安になるはずです。有料マガジン限定のコラムも掲載する予定です。

《単独記事》取り組みを一つずつ見てみたい方はこちらから


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