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【後編】Life Quest~釜石で○○する人たちの多様な生き方〜第3歩目「自然保育」×深澤鮎美

本記事は、岩手県釜石市で人生を探求し生き方を自分でつくることに挑戦し、様々な活動に取り組むゲストの生き方に迫っていくイベント型オンライン番組『Life Quest』の内容のアーカイブ記事になります。
今回は、2020年6月15日に実施された、第3歩目「自然保育」に取り組む深澤 鮎美さんをご紹介します。実際の放送についてはこちらよりご覧ください。

わたしのLIFEQUEST

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専門時代にキャンプに出会う

深澤)専門学校に入りましたが、実は大学に行きたかったんです。しかし尽く落ちてしまい、仕方なく専門学校にいくことになりました。でも、仕方なく行った専門学校が人生の転機になった時期でした。その専門学校で行われていたキャンプに出会ったことで、出会うことの素晴らしさや、一歩踏み出す勇気、人と自然のありがたさを学びました。これがなかったら、わたしは今ここにこうやっていないと思うくらい人生が180度、見方が変わった経験です。キャンプって、自分の直接体験なんです。直接体験することですご影響があるというのを身をもってここで体感しました。

戸塚)なるほど。ありがとうございます。これがある意味で人生の軸を決めるような経験になったんですね!

深澤)うん、そうですね。

戸塚)全然、通うつもりのなかった専門学校に通ったけど、楽しくなったっていうのが深澤さんらしい気がします笑

深澤)うんうん、いや、本当に運がいいと思ってます。

戸塚)運も味方にするのが深澤さんですね、次に、深澤さんと釜石との出会いのお話をお聞きしたいです。

クライミングウォールプロジェクトで釜石へ

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深澤)元々モンキーマジックという団体が視覚障がい者と健常者が一緒にクライミングをするというイベントをやっていて、わたしはそれに毎月参加していました。その団体が復興支援というかたちで東北にクライミングウォールを作るというプロジェクトを企画しました。それで、この企画に誘っていただき、釜石にいくことになりました。クライミングウォールを作りに行った先が釜石のコスモス公園で、震災後にできた手作りの施設の公園でした。公園を作った夫婦やスタッフさんたちが本当に暖かくて、感銘を受け、その後も何度も釜石に通うようになりました。これがわたしと釜石の出会いになります。

戸塚)実際にこの壁画を見たことがありますが、とても迫力がありますよね。

深澤)そうなんです。ワンダーランドなんですよね。

平元)この壁画は子供たちが書いたものなんですか?

深澤)壁の下の方に描かれている絵は子供たちが描いてくれました。上の絵はタイに住んでいる画家さんが描いてくれました。

戸塚)ここでもnicocoのイベントをしているんですか?

深澤)はい、ここも一つの拠点として活動しています。

戸塚)釜石との出会いは何年でしたか?

深澤)2014年です。

戸塚)その後、移住するのはいつでしたか?

深澤)2016年です。移住するまで釜石に何度も行っていたのは遊びだったり、他の子供のイベントのお手伝いや企画のためでした。

戸塚)ということは2年間クライミングウォールのことや保育園に通っていたのですね。

深澤)はい、そうです!

戸塚)2016年以降、ローカルベンチャーという制度の中で自然保育を推進してきていったということですね。まだまだ聞きたいことがありますが、一旦進みたいと思います。

パーマカルチャー、生きやすさを得る

深澤)パーマカルチャーというのは人と自然がともに豊かに過ごせるデザインというもので、わかりやすくいうと循環するデザイン、エコなデザインです。例えば太陽光エネルギーを活用するとか、コンポストトイレを活用する、人と自然が無駄にならず共生していくというデザインです。

コスモス公園も実はそういうデザインでできています。遊具も全部木製遊具で、コンポストトイレもあります。そういうところからパーマカルチャーに出会って、出会うまででも学びはしていたのですが、出会ったことがきっかけでパーマカルチャーデザイナーという資格も取りました。一週間の合宿を二回行いましたが、そこで自分と繋がる、自分を認めるということを学びました。そして、それがすごく自分の中で浸透していきました。そこから自分を受け入れられてすごく生きやすくなりました。また、そこから変わっていっているなという実感もあります。

戸塚)これって1.2年前ですよね?私自身も深澤さんの変化を感じていて、以前よりも芯を持って生きているという感じがしていました。この経験は、深澤さん自身にとってすごく衝撃的なことだったんですか?

深澤)それまでは、どこかでいい子でいなきゃいけないとかいう気持ちもあったような気がするんです。しかし、別に人の輪に入れなくても、入らなくても、人と違ってもいいというのがここですごく感じました。パーマカルチャーの合宿は、すごく一人一人を大事にする空間で、誰が何をしていても文句を言わないし、誰かが不快に思ったらそれをきちんと伝えるということができる空間だったんです。そういう場所に身を置いたことが結構わたしの中では変化だったと思っています。

平元)さっきの自然保育の子供たちが得られる効果にもありましたが、自己肯定感というのにも繋がっていきますよね。どんな感じで自分の中でそこは結びついていきましたか?

深澤)本当にパーマカルチャーと自然保育は一致するところが多くて、パーマカルチャーは結局土台をしっかり築いてあげる事で植物たちが生き生きと成長する、ということもあります。自然に即して成長させるので、化学肥料などを使わない農業をしています。植物は、あまりにも手をかけすぎるとすごく大きく成長する反面、葉っぱだけが大きく成長してしまって根っこがしっかりと作られないとういことがあります。

それは子供の成長にも言えることで、どんなに大人が手をかけてあげても、子供の土台の部分はしっかりと作られていません。いい教育をすると、どんどん頭が良くなりいい子には育ちますが、何かあったときに根っこがしっかりしていないからすぐポキッと折れてしまいます。土台をしっかり作ってあげるというところがパーマカルチャーと自然保育が共通しています。自然は最大の先生なんです。

戸塚)パーマカルチャーとか自然保育ってすごくいい考え方だと思うんですが、ほとんどの教育現場では導入されていないのはなんでなんだろうな、とかどうやったら広がっていくのかなと思います。それについて考えていることを教えてください。

深澤)それは本当にわたしも思っていることです。20年、30年前から実は森の幼稚園というものはあったんですが、なかなかそれまでの教育や保育から見るとただただ放任して遊ばせているだけでしょ、とか、子供を自由にさせることによってリスクが伴うというのもあって、広がっていませんでした。

でも、その良さっていうのがだんだん見直されてきて、今は森の幼稚園は全国的に広がっています。今では県単位で自然保育を進めていきましょうというのもあって、地道に自然保育を続けてきた活動が現在になって開花してきていると思います。

それは、今の時代って指示されないと動けないとか、自分で考えて行動できない人が結構多いことが理由だと思います。あとは引きこもりとか不登校という問題も。そういうところから自然保育が見直されて広がっていると思っています。既存の考え方の人も子供のためを思ってやっているのは一緒なので、いろんな保育スタイルの一つに自然保育がもっと広がっていったら、知らない人にも知ってもらって自然保育を選択できる環境になっていったらいいなと思っています。

戸塚)昔からあった考え方ではあるけれども、今の時代になって改めて光が当たってきているというのを感じます。自分で決定できていないことは大人にもあるなと思います。お話を聞いて身につまされました。

深澤)自分らしさをこれからどんどん大事にしていって、それが生きる時代ですからね。

戸塚)不確実な時代だからこそですよね。学び多き時間でした。

あなたにとって「釜石」とは?

水彩絵の具

深澤)まず、釜石はわたしにいろどりを与えてくれた場所という意味で絵の具という言葉を選びました。あと、水彩って色と色が混ざることで新しい色が生まれますよね。そういうところでわたしも、ここでいろいろなことを学びそれが繋がってまた新しいものが生まれるということが起きていました。そして、いろどりを加えてくれたかつ、個々の色が混ざり合って新しいものを生み出したということもあったなと思って「水彩絵の具」にしました。

あなたにとって人生の道標とは?

ワクワク


深澤)わたしって流れるように生きていて、自分のいいと思ったままに進んでいって今ここまできているんです。すべてはワクワクする方に進んできているなと思うのでまさにこの「ワクワク」です。

戸塚)ワクワクしていない場所に行っても、ワクワクを見つける力もあると思います。

深澤)そうですね、なんでもワクワクさせられちゃう自分もいると思います。

平元)何か意思決定するときのポイントはありますか?「ワクワク」するかどうかですか?

深澤)わたしは「覚悟」が好きではなくて、楽しいことなら覚悟できるかもしれませんが、無理して覚悟しなくていいと思っているので自分が楽しいと思った方向にやっていくようにしています。それで後悔したことはないので、このままワクワクしたまま生きていけたらいいなと思っています。

戸塚)深澤さん、ありがとうございました!

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