見出し画像

【前編】Life Quest〜釜石で○○する人たちの多様な生き方〜第9歩目「新しい漁業のカタチ」×久保 晨也

本記事は、岩手県釜石市で人生を探求し生き方を自分でつくることに挑戦し、様々な活動に取り組むゲストの生き方に迫っていくイベント型オンライン番組『Life Quest』の内容をnoteに転載しています。         
今回は、2020年9月21日に実施された第9歩目「新しい漁業のカタチ」に取り組む久保晨也さんをご紹介します。実際の放送については、こちらよりご覧ください。

画像1

ゲストプロフィール:久保晨也/岩手県釜石市出身。29歳。高校卒業後、2009年にJ R東日本に入社。都内で駅員、車掌業務を経験。(武蔵小金井駅、中央線)震災を機に2015年に釜石へUターン。釜石ではツアーコーディネートや観光プログラムを企画・運営。現在は、株式会社日本かきセンターで、牡蠣の卸売業に従事。釜石湾・尾崎白浜地区で、父とともに牡蠣養殖を行なっており、県内や東北中心に牡蠣の食文化を広める活動をしている。

「わたしの新しい漁業のカタチ」

久保)私は、岩手県の釜石市で生まれ育ち、現在釜石市で漁業に携わっています。新しい漁業のカタチというテーマに沿って自分なりの漁業の発信の仕方や、今自分自身がどういう形で漁業に関わっているのかを説明していきます。

画像2

上の写真は岩手県釜石市の釜石湾・尾崎白浜地区の景色で、作業を船の上で行っている時に、綺麗な朝日だったので撮りました。この尾崎白浜地区は30年くらい前から9月から10月にかけて牡蠣の養殖が盛んです。ここは自分の中では日常的な景色で、生まれた時から見ていたので馴染み深い景色です。

【事例①:牡蠣の養殖業】

画像3

久保)9月から10月にかけての時期になると、秋シーズンから牡蠣の出荷が始まります。この写真は塊になった牡蠣をバラバラにする作業の写真です。父親と母親と私の3人で一緒に船に乗り、海の上でバラバラにします。これから牡蠣のシーズンになるので、その時期に合わせて朝はここで作業をしています。

画像4

久保)漁港に戻り牡蠣を洗浄して、大きさ別に選別する時の写真です。今日の朝も作業をしてきました。朝3時半くらいに起床して、身支度をして4時半には漁港を出発して、牡蠣の養殖場に向かってから3時間ほどこの作業をしています。

【事例②:牡蠣のPR活動】

①出張オイスター

朝の時間は海に出て牡蠣の仕事をしていますが、日中は「日本かきセンター」という牡蠣の卸売をしている会社で、県内で釜石の牡蠣を食べることのできる機会作りや、牡蠣のPR活動をしています。釜石市・尾崎白浜地域の牡蠣「尾崎かき」というブランドで豊洲市場や首都圏の出荷はできていますが、岩手県内には流通されていない現状がありました。地元や岩手県内では「食べたくても食べられるお店がない」という声が多く、私自身なんとか出来ないかなと考え、県内で釜石の牡蠣を食べることのできる機会を作るべく今活動しています。

画像5

この写真は、牡蠣を商店街の方に振る舞ったものです。釜石市の釜石大観音という場所に仲見世通りと呼ばれる商店街にある、ゲストハウスのあずま家のオーナーさんが釜石の牡蠣に興味を持ってくださいました。それで、そのあずま家で5〜6人ほどに釜石の牡蠣をPRしながら振る舞いました。自分で実際に牡蠣を剥いて、釜石の牡蠣の特徴などを説明しながら生牡蠣だけでなく、蒸すなどいろんな調理方法で堪能しました。まだまだ地元の釜石で食べられる機会が少ないので、食べたい方にはこのような形で牡蠣を広める活動をしていきたいと思っています。

戸塚)釜石の牡蠣を釜石で食べる機会は、ありそうでないですよね?

久保)そうですね。自分と同世代の人も、釜石の牡蠣を知らない人も多いです。食べたことないという人はもちろん、知名度があまり無いので広めたいと思っています。

②ヒカリ食堂でのオイスターナイト

画像6

久保)こちらはオイスターナイトの写真です。釜石の魚市場の隣に魚河岸テラスという施設があるのですが、その中に入っているヒカリ食堂と呼ばれるレストランで「牡蠣を食べる会」を企画した時の写真です。オーナーの宮崎さんが、私が釜石市で牡蠣の仕事をしているということに興味を持ってくださり、現在、日本かきセンターとして牡蠣の提供をしています。宮崎さんの企画で、三陸の牡蠣の食べ比べや、ヒカリ食堂でシェフの方が作った牡蠣料理を皆さんに食べてもらい、私が三陸の牡蠣の特徴やどういったものに合うかなどを食べて感じたことをお話しします。

画像7

久保)こちらが、ヒカリ食堂のシェフの方達に作って頂いた牡蠣料理です。釜石の牡蠣の他に大船渡市で獲れた牡蠣と、陸前高田市の米崎町で獲れた牡蠣も一緒に提供して、いろんな食べ方で味わっていただきました。

戸塚)それぞれの浜で獲れた牡蠣に合う料理方法や味付けには、それぞれ特徴があるのですか?

久保)さっぱりした牡蠣やクリーミーな牡蠣など、同じ三陸の牡蠣でも違いがあります。味わいに合わせてシェフの方々が作ってくださいました。
また秋シーズンになったら、宮崎さんとこのような機会を企画しようと計画をしていて、今後ヒカリ食堂で釜石の牡蠣を食べれる機会を提供したいと思います!

③ 飲食店での三陸牡蠣フェアの企画

画像8


久保)こちらは「B A E R E Nビール」という岩手の方には馴染みのある地ビールメーカーが運営している飲食店で、三陸牡蠣フェアが7月13日〜26日にかけてありました。その時も釜石で獲れた牡蠣や、隣の大槌町で獲れた牡蠣など三陸の牡蠣を「B A R E R E Nビール」の直営のレストラン3店舗の店長がアレンジして、それぞれの店舗で牡蠣を楽しめる三陸牡蠣フェアを開催していました。2週間という限られた期間でしたが、とても好評でした。今後も開催したいです。三陸の牡蠣や釜石の牡蠣を楽しんでもらえればいいなと思います。

④ 安比ロッキーインでの牡蠣小屋の企画

画像9

久保)岩手県の八幡平市・安比高原の中にある、山小屋の安比ロッキーインで、牡蠣小屋イベントを企画した時の写真です。こちらは、宿泊可能なビアレストランなのですが、ここのオーナーの大滝さんから企画提案をしていただいて、牡蠣小屋のイベントが8月に実現しました。この時は10人くらいお客様が集まり、①のヒカリ食堂で行なったように釜石の牡蠣の説明や、安比ロッキーインのシェフが作ってくださった牡蠣料理を紹介している写真です。牡蠣に合わせて大滝さんがセレクトしたお酒と一緒に楽しみました。この夏のイベントも初めてでしたが、反応もよく好評だったので、また秋の牡蠣シーズンに合わせてイベントを企画しようと計画しています。今のところ、10月31日にこの山小屋で牡蠣小屋を企画しているので、そちらの情報も楽しみにしていただければと思います。

このような形で牡蠣の卸売の営業活動をしながら、お店の方達とイベントでお客様を呼んで釜石の牡蠣を広めています。今後はイベントだけでなく飲食店での牡蠣の提供を増やす取り組みを行なう予定です。今少しずつ県内で釜石の牡蠣に興味を持ってくださる方が増えているので、実際に直接足を運んで牡蠣の良さを知ってもらい、良さを伝えるイベント企画を行なっている最中です。

戸塚)生産の現場に携わっていること、また営業活動のように県内の方々に広め、実際に消費者に直接届けるという両面からのアプローチを行っていることに気づきました。営業というよりは、企画をするという要素が大きいような気がしますが、こういうのはどういった出会いやどういう始まりからイベント企画に至ったのか教えてください。

久保)基本的には自分発信というよりは、飲食店の方達がイベントやフェアをやりたいと、お店の方からアプローチを受けることが多いです。後はその企画やテーマに合わせて、自分なりに足を運んで飲食店の方々とお話ししながら、自分がどのように関わっていくかを考え、一緒になって企画を行なっています。一方的にお店の人に投げるよりは、せっかく繋がった人たちですし、自分の関わるお店の発展は嬉しいですし、親身になって一緒に考えます。しかも、地元の岩手のお店だとなおさら嬉しいので、自分のモチベーションの向上にもつながります。

戸塚)地産地消は難しいというコメントが届いていますが、難しいけれどもそうしたいと思っている飲食店の方や宿泊施設の方は多い印象ですか?

久保)そうですね。東日本大震災があってから、より岩手県内や東北の方に共通していると思うのですが、郷土愛が強くなったというのは私がいろんな人関わってきて強く感じます。私自身も震災を機に地元の釜石に戻ってきたという経緯もあるので、やっぱりそういった思いはすごく強い方たちも多いなという印象はあります。

戸塚)久保さんが新しく切り開く部分がこれから増えていくのかなと私自身勝手に期待というか応援をしています。


ー後編では久保さんご自身の人生について探求してきます!

ーーーーー

▽隔週月曜配信! ”釜石で〇〇する人たちの多様な生き方”はコチラから!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?