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タイトルに惹かれて読み始めた『クジャクのダンス、誰が見た?』の深い意味

なにこの漫画、面白いんだけど!と、あっという間に5巻まで一気読みした漫画を紹介します。

『クジャクのダンス、誰が見た?』という作品です。

きっかけはKindleのレコメンドで、普段はあまり表紙だけで選ばないようなタイプの絵でしたが、タイトルが気になって購入しました。

内容はとても興味深く、「このマンガがすごい!2024」オンナ編 第4位にもランクインしているみたいです。

『クジャクのダンス、誰が見た?』のあらすじ

12月24日、雪のちらつくクリスマスイブに元警察官の山下春生が殺害された。逮捕されたのは山下が警察官時代に関わった一家六人殺害事件の犯人・遠藤力郎死刑囚の息子。父の冤罪を盲信する息子の怨恨による犯行かと思われたが……。ドラマ化もされ映画化も決定している『イチケイのカラス』浅見理都が挑戦する、身震いするほどの衝撃! 本格クライム・サスペンス!!

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正しさを証明することの難しさ

なにより、『クジャクのダンス、誰が見た?』というタイトルがとても印象的でした。

僕は、クジャクが普通にダンスするのかと思っていたのですが、実際にはそれをしないし、意外な意味に驚かされます。

出典:浅見理都/講談社『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻より

タイトルからは「やったことを誰も見ていないときに、それをどうやって証明するのか」を考えさせられました。

この漫画のテーマに限らず、世の中の多くのことはちゃんと明るみに出ることが少なく、正しい形で伝わることも少ないです。

今の世の中と同じように、正しさを証明するのは本当に難しいと感じながら、この漫画を読みました。

出典:浅見理都/講談社『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻より

たとえば、世の中に向けて発信しているし、自分では何かをしているかもしれないけれど、それを第三者に気づいてもらえるか、自分がそれを証明できるかは、非常に難しい問題です。

証明につながるのはお金なのか、お金ではなくて心情なのか、何をセットにしたらクジャクのダンスを証明しやすくなるのか

それは、人それぞれのポテンシャルや備わっているものによって、違いがあるかもしれません。

そんなことを考えさせられる、タイトルがとてもいいと思いました。


ミステリー要素と人の優しさ

『マイホームヒーロー』が好きな人は、きっとこの漫画も楽しめると思います。

『クジャクのダンス、誰が見た?』はミステリー要素が強く、新しい情報が次々と入ってくるのですが、その入れ方が絶妙です。

早い段階で犯人に予想がついたとしても、事件解決まではあと5巻くらいかかるんじゃないの?というテンポ感で、バランスがちょうど良いと思います。


物語の大筋としては、主人公の心麦が父の遺した手紙をきっかけに、事件の真相に迫っていくというストーリーです。

出典:浅見理都/講談社『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻より

ただ、この手紙には不可解な点もありました。

たとえば、手紙をもとに心麦が、弁護士の松風に依頼をしようとするシーンです。

出典:浅見理都/講談社『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻より

身に覚えのない怪しい依頼に対して、弁護士の松風も最初は「諦めよう」とか「やりたくない」と言いながらも、

出典:浅見理都/講談社『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻より
出典:浅見理都/講談社『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻より

最終的には、手を貸してくれることになります。

主人公の心麦が、ほっとけないキャラとして描かれている前提はありますが、根本的には人の優しさが連なっていく物語です。

誰かが諦めたら、すぐに先が見えなくなるような状況でも、心麦が急に周りを振り回すような行動をしても、簡単に関係性が切れることはなく、続いていきます。

出典:浅見理都/講談社『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻より

そして、心麦は弁護士事務所で働き始めたりもします。

この辺りは心麦のキャラというよりも、みんながドライには切れないよねという姿勢で、物語は続いていきます。

人の優しさがしっかりと描かれている漫画だと感じました。

ぜひ読んでみてください。

(ヘッダー画像引用元:クジャクのダンス、誰が見た?【公式】

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