タイトルに惹かれて読み始めた『クジャクのダンス、誰が見た?』の深い意味
なにこの漫画、面白いんだけど!と、あっという間に5巻まで一気読みした漫画を紹介します。
『クジャクのダンス、誰が見た?』という作品です。
きっかけはKindleのレコメンドで、普段はあまり表紙だけで選ばないようなタイプの絵でしたが、タイトルが気になって購入しました。
内容はとても興味深く、「このマンガがすごい!2024」オンナ編 第4位にもランクインしているみたいです。
『クジャクのダンス、誰が見た?』のあらすじ
正しさを証明することの難しさ
なにより、『クジャクのダンス、誰が見た?』というタイトルがとても印象的でした。
僕は、クジャクが普通にダンスするのかと思っていたのですが、実際にはそれをしないし、意外な意味に驚かされます。
タイトルからは「やったことを誰も見ていないときに、それをどうやって証明するのか」を考えさせられました。
この漫画のテーマに限らず、世の中の多くのことはちゃんと明るみに出ることが少なく、正しい形で伝わることも少ないです。
今の世の中と同じように、正しさを証明するのは本当に難しいと感じながら、この漫画を読みました。
たとえば、世の中に向けて発信しているし、自分では何かをしているかもしれないけれど、それを第三者に気づいてもらえるか、自分がそれを証明できるかは、非常に難しい問題です。
証明につながるのはお金なのか、お金ではなくて心情なのか、何をセットにしたらクジャクのダンスを証明しやすくなるのか。
それは、人それぞれのポテンシャルや備わっているものによって、違いがあるかもしれません。
そんなことを考えさせられる、タイトルがとてもいいと思いました。
ミステリー要素と人の優しさ
『マイホームヒーロー』が好きな人は、きっとこの漫画も楽しめると思います。
『クジャクのダンス、誰が見た?』はミステリー要素が強く、新しい情報が次々と入ってくるのですが、その入れ方が絶妙です。
早い段階で犯人に予想がついたとしても、事件解決まではあと5巻くらいかかるんじゃないの?というテンポ感で、バランスがちょうど良いと思います。
物語の大筋としては、主人公の心麦が父の遺した手紙をきっかけに、事件の真相に迫っていくというストーリーです。
ただ、この手紙には不可解な点もありました。
たとえば、手紙をもとに心麦が、弁護士の松風に依頼をしようとするシーンです。
身に覚えのない怪しい依頼に対して、弁護士の松風も最初は「諦めよう」とか「やりたくない」と言いながらも、
最終的には、手を貸してくれることになります。
主人公の心麦が、ほっとけないキャラとして描かれている前提はありますが、根本的には人の優しさが連なっていく物語です。
誰かが諦めたら、すぐに先が見えなくなるような状況でも、心麦が急に周りを振り回すような行動をしても、簡単に関係性が切れることはなく、続いていきます。
そして、心麦は弁護士事務所で働き始めたりもします。
この辺りは心麦のキャラというよりも、みんながドライには切れないよねという姿勢で、物語は続いていきます。
人の優しさがしっかりと描かれている漫画だと感じました。
ぜひ読んでみてください。
(ヘッダー画像引用元:クジャクのダンス、誰が見た?【公式】)
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