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名作『へうげもの』読了、そして感想よもやま話

今さらながら、名作と名高い『へうげもの』を最終話まで読破しました。

これは実に良かった!

自分の人生で読んだ中でも、かなり上位にランクインする傑作です。

内容の濃さゆえに感想が上手くまとまりませんが、とりあえず現時点での最終巻を読んだ後の想いを軽めに書き残しておきます。


織田信長~豊臣秀吉~徳川家康までの戦国時代を、後に天下一の茶人として歴史に名を残す古田織部を中心に描く歴史長編マンガとして、綺麗に最期まで走り抜けた最終巻。

本作に限らず、歴史モノにおいて登場人物の運命(最期)は既に歴史に記録されています。

織田信長は本能寺で果てるし、豊臣は滅ぼされて徳川が勝利者となることは決まっている。

史実で言えば、古田織部は徳川の命によって切腹するという最期を迎えることになっています。

その事実をどのような解釈で表現するのかが歴史モノの醍醐味の一つなのだと思いますが、そこは最高の形で、1巻から続く松永久秀や荒木村重の生き様に対するアンサーも含めて、古田織部の最期を描いてくれました。

最終巻で示される、古田織部の目指した「楽」や「笑」をもって和を成す道の行く末、そして古田織部の影響を受けて彼の目指した「楽」や「笑」を様々な形で継承していく数寄者達の進む道。

良い余韻の最終巻で満足です。実に満足。

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(引用:『へうげもの』 25巻 / 講談社 / 山田芳裕 / p.141)

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前述のように、本作は内容がたいへん濃いため、まだ自分の中であれこれ消化できていません。

戦国モノの宿命として登場人物の数も膨大なのですが、古田織部以外にも魅力的で濃ゆい人物が多いため、感想を言い始めると止まらないですし。

もはや怪人や魔人の域に達している千利休とか、短い出番ながらも業の深さを存分に見せつけた大久保長安とか。

個人的には織田有楽斎(織田信長の弟)の言動や生き様も印象に残っていますね。


本作については、考えがまとまったら改めて何か思うところを書きたいところ。

とりあえず、もう1度最初から読み返す必要はありそうです。



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