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人に伝わる写真を撮る、たったひとつの法則。【ブロガーのためのスクワット/第03話】

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ちなみに、前回の記事はこちら。 
https://note.com/kalapattar/n/n43d1ea39fc44

ブロガー向けの写真の撮影術について話をしよう。

 写真はテキストと違って見た瞬間に一定の「わかり」が生じる。最初の一瞬で見るべき情報かそうじゃないかを判断されるインターネットにおいて、写真は強大なウエポンだ。これをマスターするとブログの魅力は100倍になる。

 テキストは情報を細大漏らさず伝えるのに有効な手段だけど、読んだぶんだけしか情報が入ってこないという弱点がある。あと書くのには相応の時間がかかるし、そもそも文を読むのが得意な人とあんまり得意ではない人がいる。
 しかし写真は見た瞬間に魅力的だとか不思議だとか綺麗だとか面白そうだという雰囲気を伝えることができるのと、言葉を介さないコミュニケーションなので伝わる人のレンジが広いというふたつの長所がある。

 私が延々書いてきたブログ『超音速備忘録』ではその写真の力を最大限引き出すために写真をひたすらデカく表示するHTMLを自分で書いて改造に改造を重ね、最終的にはプラットフォームのエキサイトがそのデザインにインスパイアされた「写真をデカく見せたい人のためのスキン」を作ってくれた。

 いま私がメインのフィールドにしている『nippper.com』はいわば自分が最適化してきた「画像で来訪者を驚かせ、そのまま雪崩れ込むようにテキストを読ませる」というメソッドを踏襲しており、一定の成果を上げている。ブログは文章と写真の総合格闘技だと思っている私は、その具体的な方法論をこの連載記事で全部書いてしまうことにした。決して写真コンテストで優勝するための写真撮影術ではない。文章術と同じように数字やテクニックではなく「何を考えながら写真を撮って記事に配置しているか」をこの記事含む10回でプロットした。続く大項目は以下の9個だ。タローマンのサブタイトルみたいだな。

・とにかく「画変わり」だけを考えて5枚の写真を撮る。
・写真撮影の9割は「場所探し」で決まる。
・明るい場所で明るい写真が撮れるわけではない理由。
 (=暗い場所で暗い写真が撮れるわけではない理由。)
・背景は「被写体の逆の色」を選ぶべし。
・なぜ「撮影ボックス」はオススメできないのか。
・この世で最も良質な光は太陽である。
・人工の太陽を手に入れろ。
 (ストロボ論/クリップオンかモノブロックか)
・人間の手を撮りなさい。
・テキストを読ませる写真の配置法。
 (「サムネイル、ツカミ、締め」の必殺技)

カメラもレンズも上を見なくて結構です。

 さて、私は普段ブツ撮りばかりしている。テーブルの上で光を自在に操りながら動かないものを撮るのは楽しいからだ。反対に、人物撮影は正直弱点である。それから景色を撮るのも自意識(この景色、他人も撮ってるんじゃねえの?という疑惑)との戦いがあって、なかなか「得意だ」と思える領域に行けない。
 それでもたくさん写真を撮ってインターネットに放り投げ、折に触れて写真の撮り方の話をすると「機材」と「セッティング」について質問されることがしばしばある。ほとんどの場合、「そんなもんを気にする前に、もっと気にするべきことがある」というのが本音だ。

 正直に言おう。あなたがいわゆる「機材や写真を自慢するためのブログ」をやるのでなければ、ぶっちゃけカメラはなんでもいい。レンズだってカメラを買ったら付いてくるキットレンズでよろしい。その前に気にしなければいけないことを見落として機材やテクニックに走っても、結果はなかなか出ない。カメラの選び方や使い方の前に、いくつかのルールを覚えたほうがいい。

 どうして「カメラはなんでもいい」という暴論になるのかを最初に書いておこう。世の中のカメラはいま存在するアイディアのなかではほぼ完成に近づいている。逆に言うと、目玉の飛び出るような進化はあんまりないから、「ごく僅かなスペックの差をどうわかりやすく説明するか」のフェーズに入って久しい。
 もしあなたが一眼レフカメラないしミラーレスカメラを持っているなら、まずはそれで充分だ。ブツ撮りでも、景色でも人物でも、高い機材を求めることよりあなたのウデと意識のほうがよっぽど大事だ。

 私が常々やっているブツ撮りに限って言えば、ピントが手前から奥まで来ているヨリの写真を撮るのだからどうせレンズは絞る。相手は動かないから連写もしなくていい。つまりカメラのスペックもレンズの明るさも(それを適正に使えば)影響するのは極々限られた範囲にとどまる。当然ながら高いレンズはブツ撮りでもいい写真が撮れるのは間違いないが、スマホで見られるサイズなら(つまりブログというフィールドなら)誰でも瞬時に判別できるような差は出ないと思っていい。

「伝わる写真」の撮影術は、シンプルにして絶対。

 ではまず、超簡単に「伝わる写真」を撮るたったひとつの法則を書いておこう。

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