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中学時代に学業に躓く人は、バカではない

中学生になると、英語が始まる
いや、今は小学生からだろ、という突っ込まれそうだが
自分のときは少なくともそうだった
なにはともあれ、この時期に大きく躓く人が多い

英語でアルファベットを習う
A~Zまで26文字
これを組み合わせて言葉を紡ぐ

ふむふむなるほど
と、ここまではいいとして、問題は次の時間である

次の時間は数学である
数学では1次方程式というものを習う
なんとここでは、A=Bが出てきたりするのである

そりゃそういうもんだろ、と思ったあなた
毒されている可能性がありますよ

さっきA~Zまで26文字あるって言ったじゃねーか
なんで次はA=Bなんだよ
だったら今日からBはいらねーじゃねぇか
と、こういうケチをつけたくなりませんか

他にも、点Aに面積はない、とか
いやいやあるだろ
見えるものに面積がないなんておかしいじゃねーかってなもんで
何なら直線だって拡大すりゃ直線じゃなくてギザギザだろ、とか

これは分かる分からないといった理解できるか否かの問題ではないのでは?
そこにあるのは
それを許したら何でもアリになっちまう、そんなの許せねぇという感覚
これは恐怖にも似た感覚と言ってもいいと思う
ということは、もしかして倫理の問題ではないか
「それを許しちゃおしめーだろがっ」

概念を積み上げて論理を導く
それはたしかに素晴らしいことだと思う
しかしその過程では個々の感覚は潰される
いや、潰す必要があるのだ
潰さなければ、例えば、この世に直線という概念は存在しなくなる
イデアは感覚を潰した先にある
a dogは世界のどこを探してもいないけれど、誰もが知っている犬なのだ

目に見えるものを見えないものと仮定し
さっきまで分けていたものを、今度は同じにくくる
前提をあっちこっちにひっくり返しながら
その時の都合次第で世界がくるくる変わる

中学生で学業に躓く人が出てくるのは当然だろうと思う
納得できない
それを許したら何を基準にすればいいのかわからなくなる
そんな恐怖

そういうものと葛藤していると、言われたことを丸呑みにするしかなくなる
納得できないものを丸呑みした結果、いずれ思考停止という病に至る
わからないという屈辱までも一緒に丸呑みにして、、、
自我を保つためには思考を停止させるしかないのだ

中学生とはなんと大変な人生の岐路だろうか
反抗でもしてなけりゃやってられんわな、と思う

それでも思考停止してはいけないと言いたい
その納得できない棘をなかったことにするな
ちゃんと刺さったままにしておけと伝えたい

「先生がそうやっていってたから」「教科書の答えがそうなってっから」
誰かが示した答えを鵜呑みにして、それを次の誰かに押し付けてしまえば
君の世界は白黒になってしまう

棘が刺さって嫌だ、それを感じられる君は素晴らしい
なんでもありで、なんでも平気なやつより人間味がある
胸を張ってほしい

いずれ必ず氷解する時が来る
氷解すれば、「なんだこんなもの」とスラスラと理解できるようになるから
棘はささったままにしておく
痛いけど、気になるけど、宙ぶらりんでおいておくことだ

勉強に嫌気が差している中学生諸君
今は、意地で踏ん張るんだ


今日の一枚「行く川の流れは絶えずして、しかも、もと元の水にあらず」

X-T3 , XF16-80mmF4

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