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安倍晋三のフィリピン訪問に触れなかった岸田首相の議会演説

本日(4日)、訪問中のフィリピン・マニラでおこなわれた岸田首相の議会演説は、スタンディングオベーションの大好評だったそうで、それは結構なことだと思った。

国内ではぼろくそ言われている岸田首相も、久しぶりご機嫌になれたかもしれない。


だが、メディアに載った演説全文を見て、「あれ?」と思った。


1977年の福田赳夫首相の訪問(現大統領の父マルコス・シニア時代)、2016年の天皇・皇后両陛下訪問などには触れながら、直近2017年の安倍首相フィリピン訪問に触れてないことである。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea2/ph/page3_001951.html


6年前、安倍晋三首相のフィリピン訪問は、現地の熱狂的歓迎を受けた。それはニュースにもなったので、覚えている人はいると思う。


熱狂的な歓迎を受ける安倍総理大臣。13日にフィリピンでドゥテルテ大統領の地元・ダバオを訪問した際の映像です。この動画が官邸のフェイスブックに投稿されると話題となり、現在では126万回を超える異例の再生回数となっています。(2017年1月19日 ANNニュース)

ANNニュース↓


首相官邸チャンネル↓


当時のドゥテルテ大統領の地元、ミンダナオ島のダバオ市は、ご承知のとおり戦前の日本移民の一大拠点だった。

戦中はフィリピン人と敵対したから、恨まれてると思いきや、「日本人が今のダバオ繁栄の礎をつくった」とドゥテルテ大統領は日本に感謝し、終始友好ムードに包まれていた。

このときは、昭恵夫人がダバオの日本人墓地を訪問したことも話題になった。フィリピンと日本との戦前からの絆を思わせる出来事だった。


安倍首相のフィリピン訪問はそのときだけでなく、2006年の第一次政権のときから夫婦で訪問している。


つまり、前(前)政権の10年にわたる友好関係があったのに、大統領が変わったからといって、それにまったく触れないのはどうか、と思った次第だ。


岸田首相は、戦前からの日本との結びつきに具体的に触れない代わり、「ホセ・リサール」について触れている。


私は昨日、ホセ・リサールの記念碑に献花をさせていただきました。若き日に日本に滞在し、日本人とふれ合う機会を持ったリサールは、将来、両国のさまざまな交流や関係が持たれるであろうと書き残しています。


フィリピン独立の英雄、ホセ・リサールは、1888年(明治21年)、27歳のときに日本に短期立ち寄っている。


へえ、という感じだが、この話がフィリピン人には受けるのだろうか。


そして、安倍元首相の10年におよぶ外交関係に触れない代わり、「広島サミット」など自分の外交の宣伝ばかりしている。


それはそれで、政治的な計算あってのことかもしれないが、安倍さんのフィリピン訪問の記憶がまだ新しい私には、違和感があった。フィリピン人はどう感じたのだろう。



<参考>


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