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ヤオコー新百合ヶ丘店の「南戦略」とは何か!? 限定販売の新型「おはぎ」で攻め込む



ヤオコー新百合ヶ丘店が11月15日に開店してから5日。

私は5日間、毎日かよって、ヤオコーが何を考えているか、だいぶ分かってきました。



ヤオコーは世界征服を考えている。

でも、とりあえずは関東征服を考えている。

ここでは、ヤオコーの「南北政策」を中心に、ヤオコーが新百合ヶ丘店で何をしたいのか、ヤオコーの戦略を具体的な商品とともに考えます。

以下の記事を参考にしました。


ヤオコー新百合ヶ丘店が11月15日オープン、ヤングファミリーからの圧倒的な支持目指す、おはぎのアズキは北海道産に(リテール・リーダーズ編集部 2024/11/18)


ヤオコーの南北政策の旗艦店、伊奈店のシニア対応MD徹底分析(鈴木 國朗 ダイヤモンドオンライン 2024/7/1)


ヤオコー新百合ヶ丘店の開業とローソンストア100の「だけ弁当」(商人舎 2024/11/18)


南北政策


ヤオコーの「南北政策」とは、関東を北と南に分けて、エリアの特性に合わせた店づくりをする政策です。

北と南の顧客像のちがいを、ヤオコーはこう考えている。


北・・・シニア中心 「和」のテイスト

南・・・ヤングファミリー中心 「洋」のテイスト


ヤオコーは、埼玉つまり「北」発祥です。

埼玉で、シニア世代の支持をがっつりつかんで、成功しました。

ヤオコーは、埼玉を中心に、北関東に広がりました(埼玉県104店、千葉県33店、群馬県17店、茨城県7店、栃木県6店)。


次のステップとして、人口の多い南関東の攻略を始めています。

これまでの「北」と同じやり方では成功しない。

だから「南北政策」で「北」と区別し、南の攻略法を探っているわけです。


南関東には、まだ30店弱(神奈川県13店、東京都14店)。

東京の多摩地区に続いて、川崎北部の新百合ヶ丘に出店したのは、ここを足がかりに、さらに南の横浜に進出するためです。

北関東でつちかったヤオコー商法が、東急文化の横浜でも通用するのか。

この新百合ヶ丘店の成否が試金石となります。


顧客像


「リテール・リーダズ」誌によれば、新百合ヶ丘店のメインターゲットは、40代〜50代の3、4人家族。

サブターゲットは、20〜30代の単身者。


実際、5日間かよってみて、ヤオコーが狙ったターゲットは、外してないと感じます。

たしかに、40代くらいの子育て世代が、お母さんだけ、または子供連れ、あるいは夫婦で、カートでたくさん買い物している姿が多い。

もちろん時間帯にもよるでしょうが、従来のイオンや小田急OXより、やや若い層に思える。

ヤオコーが狙っている「ヤングファミリー層」です。


そして、サブターゲットである単身層、若者と老人が同程度、という感じ。それが全体の2〜3割でしょうか。

新百合ヶ丘を含む麻生区は、川崎の中でも高齢者が多い。そのため、老夫婦で買い物という風景もよく見かけます。


「ローストビーフ」のベタ推し


具体的な商品で見ていくと、「自社製ローストビーフ」関連をとにかく推している。

ヤングファミリー向け「洋」テイスト商品の代表ということでしょうか。



ヤオコーといえば「おはぎ」(限定販売)


次に推しているのが「おはぎ」です。

おはぎは、ヤオコーが埼玉で創業して以来人気で、ヤオコーのシンボル的商品。

ただ今回は、アズキを従来のカナダ産から北海道産に変えて高級化し、価格も上げた(税込106円→140円)。これも「南」を意識した仕様でしょう。

この新型おはぎは、新百合ヶ丘店で実験的に販売を開始した。今のところ、新百合ヶ丘店だけの限定販売です。

店員さんがマイクで「ヤオコーといえばおはぎです!」と大販促していました。



「おはぎ」は私のイメージでは「北」的商品だし、価格も安くない。

売れないんじゃないかと思いましたが、なんかすごい売れていた。ヤオコーの戦略は当たったようです。


単身者向け「組み合わせ」


ヤオコーといえばオリジナル惣菜(デリカ)ですが、新百合ヶ丘店は、他店よりデリカの比率が高いという。

単身者層を意識したのでしょう。

おもに女性客をねらったという「組み合わせ」商品が特徴的。

たとえば、ポキ丼とナポリタン、とか、海鮮丼と茶碗蒸し、とか。

いろいろ、ちょっとずつ食べたい、という需要に応えている。



ちょっと食


単品での「ちょっとがイイネ」という商品も、同様のねらいで、ダイエット向きでもあり、気が利いている。


PB廉価品


新百合ヶ丘には金持ちもいるので、高級品も並べるが、価格で訴求する廉価品も並べる、という。

いわゆる「消費の二極化」対応です。


廉価品の中心になるのが、ヤオコーのオリジナル「Yes!」と、ライフコーポレーションとコラボした「star select」のプライベートブランド(PB)商品です。

(ヤオコーのPBには、ほかに高品質化した「Yes! Premium」がある)


新百合ヶ丘店は、ヤオコーの「南」攻略のためのさまざまなアイデアが感じられて、楽しい。

雰囲気的には、オープン当初の混雑からだいぶ落ち着いてきました。

22日に別館の100円ショップ「セリア」がオープンし、またちがった賑わいを見せるかもしれない。

末長く地域に定着してほしいものです。

(写真はすべて11月19日撮影)


<参考>


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