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映画館で映画を(4)

いつまで書く気でしょうか。😅
自分でもわからなくなってきています。
あまり、オチを期待されても困るので
そこは関西方面の皆様、ご容赦願います。

これまでのお話は

***

さいわい、
頭部CTでは頭蓋骨の骨折もなく、
脳内も至って正常で
「なにかあったら来てください」
と病院の常套句で帰された。

筋肉痛も日にち薬で
年齢相応の経過をたどった。


休み明けに精神科の医師とバタリ。
「休んでたんだって?」

このとき
考え方の大きな示唆を得る。

私だったら
「ごめんねー💦💦
 余計なことを言ったばかりに
 怪我したんだって~?」

つい、なんでも自分のせいと思う、
つい、なんでも誤ってしまう。
そこに因果関係などないのに。

どんな助言をしてもらっても
どんなに親身になって叱られても

最後に決めるのは自分
決めて行動するのは自分だから
他人には関係ない。
もちろん
その医師のせいだと思ったことは皆無

もし、その医師が
気にしていたら逆に申し訳ないな
ぐらいに思っていたと思う。

でも、精神科の医師は
その類の表現をまったく使わなかった。
さすがだな、と思った。
自分の思考の癖を認識した瞬間。


もうひとつ
私はどうしてあんなところで
転んでしまったのかな
と考えていた。

身体の痛みに耐えながらも
しばし、職場から離れたかった
もしかしたら
そんな心理が働いたのでは……
と、密かに感じていた。

精神科の医師は
何も言わなかったけど。


そんな数日を過ごしたものの
やはり眼の前には課題が
山積しており
急流に揉まれるように
通常業務に戻っていった。

クレーマーのような
スタッフの母親の電話事件も
彼女の退職でトーンダウンし
また心にぽっかり穴が空いた。

残りの新人さんたちは
それなりに適応しようと
必死に戦っていた。
みんな、みんな、経験のない事態に
必死に立ち向かっていた。


療養休暇中の看護師長は
ご主人からの連絡で
少しずつ落ち着きを
取り戻してきていると知った。

拒否していた服薬を
ようやく受け入れ
そこから少しずつ回復してきたという。

彼女が自分で選択できたことが
嬉しかったし、安心した。
拒否もひとつの選択だけど
生きるための
選択をしてくれたことに
心の底で手を合わせた。

あれから3ヶ月経っていた。
7月に入り、彼女からLINEが
届くようになった。

散歩道の風景
空、木々、花、鳥。
「気持ちいいですよ~」と

自然に触れて
おそらく大きな力をもらって
彼女はみるみる元気になっていった。

今後のこと(復職等)を
話さなければならない時期だ。
電話とかLINEじゃなくて
直接、話をしたかった。
顔を見たかった。

7月下旬
彼女とホテルのラウンジで
会うことにした。
たまにはそういうのもいいよねと。

お互い少し照れくさくて
でも、表情をみてホッとして
積もり積もった話をいっぱいして
「よくがんばったね」と
ときに涙ぐみながら。
あっという間に2時間経過した頃

ふと
私は映画館から落ちた話をした。
そして
「最近、頭が痛いんだよね」
と言った。

彼女は血相を変えて
「何言ってるんですか!
 今すぐ病院へ行きましょう!」

「いや、大丈夫だよ
 今度の休みに行こうと思ってるから」
というのを
どうしてもダメだと
あの日と逆の立場で
説き伏せられた。

仕方なく
彼女の付き添いで
知り合いの脳神経外科に行き
またCTを撮ってもらった。

「柿葉さん……
 これ、まずいよ。
 まじ、緊急手術だわ」


<つづく>

***


タイトル画像は”麦田ひかる”さんにお借りしました。


コメントは……いりません。(笑)
そんなことがあったのかぁと
読んでいただけるだけで、いいんです。

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