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映画館で映画を(3)

やっと映画館がでてきます。
でも、本当に書きたいことは
まだまだ先なんですよねー。

これまでのお話は


***

2021年5月下旬。
新型コロナウイルス感染症関連の
業務をするスタッフは全員
精神科医師のカウンセリングを
受けてもらっていた。
管理職も全員。

大なり小なり、いろんなストレスを
抱えているだろうから
第三者に話を聞いてもらうのは
それだけでも意味がある。


全員のスケジュール調整をしたり
「気になる人いますかー?」とかで、
その医師とはよく話をしていたのだが
「柿葉さんはどうですか?」
といきなり尋ねられた。

「え? 私? 私は大丈夫ですよ」😆💦
と言ったものの、その流れで
すこし話をすることになった。

・・・

「まぁ、大丈夫そうですね!」
話を聞いてくれた医師は
そう言いつつ、最後に助言をしてくれた。

「映画とか見ますか」
「たまにはぼーーーっと映画を
 見たりするのもいいですよ」
「僕もときどき行きます」

私は一人で映画に行ったのは
「風の谷のナウシカ」しかない。
すでに40年も前!
いつもなら、大丈夫です!
とサラリとお断りするのだが。

その日は6月1日
ちょっと病棟も落ち着いてきたし
切りもいいから
午後からお休みとって
「たまには映画もいいですね~」
と、珍しくその気になった。

そして、一人のこのこ出かけた。


上映中の作品一覧を眺めるが
見たいもの、ない。😓
放映の時間からして
見てもいいなと思ったのが
『花束みたいな恋をした』だった。

あの頃だったので
閉鎖空間は感染リスクが高い。
ディスタンスを広ーーくとって
後ろの片隅にぽつんと座った。

ドラマの延長みたいな映画だったが
2時間、ちゃんと見た。


見終わって
誰かが席をたった瞬間
私もすかさず立った。

そして、急いで通路へ向かった。

左列には、大勢のスポーツ系高校生
この集団の前にここを出たい。
すでに数人は通路にで始めている。

気がいた。

そして
足がもつれた。


鼻の先には男子高校生、
彼らに突撃するのを避けなくては

と、思った瞬間。

あ、
あぁ、
あ~れぇ~。

私は宙を飛んだ。
スローモーションでいうと
通路の高校生の左肩を避けて
私はまっすぐ、左側の座席に向かって
飛んだ。

がん、どさっ

私は
座席の間のコンクリートの床に
真っ逆さまに落ちた。

目から星がでる。
とか言うけど、まじでそうなる。

痛すぎてしばし動けなかった。
頭の上でいろんな声が飛び交う。

「救急車!」
「ここは映画館だから、関係者呼べ」
「大丈夫ですか?」
「わかりますか?」
「息はしてます!」😓

やっと右手を上げて
「だ・い・じょう・ぶ・で・ず」
と言って起き上ろうとしたとき
映画館の人が
担架をもって走ってきた。

乗せられそうになるのを
必死に断って
ふらふら歩きながら
映画館の医務室に行き
1時間近く休養させてもらって帰った。

どうやって帰ったか
あまり覚えていない。
が、全身が痛くて早々に横になった。
「明日はもっと痛いんだろうなぁ」
そう思いながら眠った。

しかし、想像したような
痛みのレベルじゃなかった。
動けない……。

仕事を休み、念のために
近くの脳外科に連れて行ってもらい、
CTを撮り、数日間は
筋肉痛にうなされることとなった。


<つづく>

***


タイトル画像は”麦田ひかる”さんにお借りしました。


コメントは……いりません。(笑)
そんなことがあったのかぁと
読んでいただけるだけで、いいんです。

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