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勉強のやる気が出ない君は、自分を守っていい③



学校の課題をやらなきゃいけないのに、やる気が出ない。

受験のために頑張らなきゃいけないのは分かっているのに、頑張れない。

早く勉強に取りかかったほうがいいのに、いつまでも先延ばしにする。


そんなあなたにとって、「勉強しなさい」というプレッシャーのかかる進学校は、つらい場所なのではないでしょうか。



つらいことを見聞きしても、あなたは自分を責める必要はありません。

わたしはあなたに、自分を守るこころのバリアをはる練習をしてほしいです。


この記事では、やる気が出ないわたしたちが、進学校で心を殺さずに生きのびる心得をお伝えします。



前回の記事はこちら



(この記事は、2022年5月6日にはてなブログで公開した記事「やる気が出ない、頑張れない君へ(進学校の中高生向け)」を再編したものです。)




平均勉強時間は無視しちゃおう



進学校では、生徒の平均勉強時間を公開するところもあるかもしれません。

平均勉強時間と自分の勉強時間を比べると落ちこみますよね。


しかし、この平均勉強時間はなんの意味もない数字です。無視しちゃいましょう。


あなたにはあなたに合った、より達成できそうな目標があります。

あなたではないだれかと比べてしまうと、劣等感で自分を責めてしまいます。

あなたはあなたに確実にできることさえできていれば、だれがなんと言おうとそれで十分なのです。


勉強時間を気にして苦しくなるなら、勉強時間のことは忘れてしまってもかまいません。

自分に着実にできることだけを頑張り、できたことに自信をもちましょう。



合格者座談会は参考にならないかも



進学校では3月に、難関大学を合格した先輩による合格者座談会が行われることがあります。


しかし、合格者座談会はあなたにはおすすめしません。

傷を負う可能性が高いからです。



先輩は、後輩の力になりたいという善意で座談会に参加しています。

いっぽうで、本人は後輩を鼓舞しているつもりでも、

「自分はこんなに頑張ったんだと言いたい」

という気持ちは、ないといったら嘘になるでしょう。


先輩は、頑張れなくて苦しんでいるあなたの事情までは考えてくれません。

難関大学に合格できるひとは努力が比較的苦にならないひとが多いので、あなたが頑張れなくて苦しんでいることにたいして想像がおよばないのです。


座談会に参加するなら、効率的な勉強方法を聞くためだけに行きましょう。

やる気の出しかたは聞かないでおきましょう。

頑張ったアピールは無視しましょう。



進路集会は無理して出なくていい



進学校では、定期的に進路集会が行われるのではないでしょうか。


あなたは、進路集会の先生が、「先生が期待するレベルで」頑張っているひとのほうだけ向いて話しているように感じるかもしれません。

「先生が期待するレベルで」頑張れていない自分が怒られていると感じたり、自分のことをいないことにされているように感じたりするかもしれません。


進路集会が苦しいときは、無理して出なくてもかまいません。

途中で抜けてもかまいません。

先生に進路集会がつらいことを伝えてもいいし、仮病を使ってもかまいません。


進路集会は、あなたのこころをズタズタにしてまで出なきゃいけないものではありません。

あなたはあなたのこころを守っていいんです。



叱られても自分のこころに持ちこまない



課題を出さなかったり、小テストで点数がとれなかったりすると叱る先生、あなたの学校にもいませんか。

そういう先生がいると、課題がやれないのがプレッシャーなんですよね……。


そういう先生には、「ごめんなさい」とだけ伝えて、叱られたことは自分のこころに入れないと決めましょう。



叱られているのに自分を責めないのは難しいかもしれません。

でも、「自分を責める必要はない」ということを理解しておくだけで、少しこころが楽になると思うのです。


ほかのひとからは見えなくても、ほかのひとから認められなくても、あなたは頑張っています。

そういった、ひとから褒められない頑張りは、ひとから褒められる頑張りと同等に価値があります。



先生は、あなたが課題を出さないのはあなたの意志の問題であり、あなたが自分に厳しくしてこころを入れ替えれば課題を提出すると思っているのかもしれません。


しかし、頑張りたいのに頑張れないあなたには、その認識が誤りであるとわかるはずです。

あなたは十分すぎるほど自分を責めて、それでも課題が出せなくて困っているんですよね。

自分でもどうしてやる気が出ないのか、課題に取り組めないのか分からなくて苦しかったはずです。

あなたが頑張れないのは、あなたの意志の問題ではありません。

あなたを理解しないひとのはなしを真に受ける必要はありません。



もし状況が許すのであれば、信頼できるひとに手伝ってもらって、叱る先生に、課題が出せなくて困っていることを伝えてみるのもひとつの手です。

叱るよりも、どうすれば課題や小テストをクリアできるか、一緒に考えてほしい。

そう相手に頼めば、相手も応じてくれるかもしれません。



あなたはよくやっている



あなたはここまで、勉強のやる気が出ないことで悩み、どうすればいいか必死に考えてきたのだと思います。


その努力は、ほかのひとからは目に見えないかもしれません。

しかしわたしは、あなたがここまでよく頑張ったと断言します。



わたしも、勉強のやる気が出なくて苦しみました。

「みんなはどう勉強するかで悩んでいるのに、わたしは『勉強する』というスタートラインにすら立てていない」

という屈辱がありました。



だからこそ、なにかよい方法がないか、必死で調べ、試し、考えました。

頑張れない自分の存在意義についても考えました。

それらの「努力する努力」は、わたしを育てる肥やしになりました。


自分を否定することばを、自分を認めることばに少しずつ置きかえていきました。

わたしは自分にできないことではなく、絶対にできることを積み重ねることにしました。

自分じゃない他人になろうとするのをやめました。


そうしていまわたしは、ひとに届ける文章を書いています。



これからあなたも、「努力する努力」を積み重ねていくのでしょう。

その先に、あなたなりの収穫があります。

あなたの「努力する努力」は、無駄にはなりません。



まずは、あなたの心身の健康を最優先にしてください。

そのうえで、信頼できるひととなるべくたくさんつながり、助けを借りれば心強いですね。

そして、本当に小さくて達成できそうなことから、手をつけてみましょう。



自分の力でどうにもならないことは、本当に多いです。

それでも、自分にできることをひとつひとつ、お互いにやっていきましょうね。





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