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Plastic Free JULY~プラスチックフリージュライ~小さな革命を起こそう

プラスチックフリージュライって何?

一言でプラスチック、といっても100種類以上あるそうだ。

商品の容器、包装、運搬用に、あらゆる場面で遭遇する。軽量で、取り扱いやすく、水漏れなどを防ぎ、また、企業としてもコストパフォーマンスが高い素材。


私の部屋を見渡してみた。

モバイルや、電子機器、テレビでも、ジュースのパックの裏側、送られてくるDMの袋。
食べ物は一つずつ包装されている。
私たちの生活には切り離せないほどの存在になっている。

「プラスチックフリージュライ」とは、オーストラリアのNPO団体、Plastic Free Foundationが主催で毎年7月に、世界中で、プラスチックごみ削減に取り組む企画だ。

これまでに世界177カ国、3.3億人が参加し、約90万トンのプラごみ削減に貢献してきた、世界規模のイベントになっている。


オーストラリアのレベッカ・プリンスルイズさんが、近隣にある資源ごみのリサイクル施設を訪れた際、そのゴミの山の大きさに衝撃を受けたことから始まった。

「7月は使い捨てプラスチックをできるだけ買わず、断り、使わないよう意識する月にしよう、まずは1ヵ月から始めてみよう」

この運動は、ウェブサイトから誰でも参加表明できる。
参加者は「パックに入った食べものを買わない」
「ストローや使い捨てコップを断る」
など具体的なアクションを宣言し、誰でもダウンロードできるポスターやSNSなどで広めていく。

ウェブサイトではプラスチックを使わない時の代替案や、一つひとつの行動が海・埋立地・地球温暖化にどれほど影響をもたらすことができるかを知ることもできる。

プラスチックの寿命は短い

プラスチックは身近な存在ではあるけれど、包装用のプラスチックは開封すれば数分で廃棄される。コンビニやスーパーでもらうスプーンやフォークなどのワンウェイプラスチックはその名の通り使われればゴミとなる。それらの寿命は短い。

その結果、1950年以降、生産されたプラスチックは83億トンになり、そのうち廃棄されたプラスチックは63億トンとなる。

また、それらのプラスチックのリサイクル率は9%であり、回収されたプラスチックは79%が埋め立てられ、または海洋への投棄となっている。


日本でも毎年9,400千トン捨てられ、世界でのプラスチックの廃棄量は第4位となっている。

海岸に 打ち寄せるプラスチックたち


廃棄プラスチックの行方

大量に廃棄されたプラスチックは日本国内では処理しきれないため、中国やタイなどへと輸出していた。

しかし2017年以降、それらの諸外国は輸入禁止とした。

先進国から輸入された廃棄プラスチックは工場へ送られ、また商品へと生まれ変わっていたが、それらは中国やタイでも処理しきれないほどの廃棄量となり、未だに廃棄物の保管についての問題は現地でもまだ解消されていない。

日本でもその環境への配慮から、4月からプラスチックごみの削減やリサイクル強化に向けた、いわゆる「プラスチック新法」(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)が施行されている。

海洋プラスチックとは

プラスチックゴミそのものが海の水質汚染や海洋生物への影響を与えるだけでなく、海に流されたプラスチックは粉砕され、マイクロプラスチックとなり、それらを海洋生物が食べ、そして私たちの口に入る。

それらのゴミとなったプラスチックを排除すれば、少しは解決できるかもしれない。

しかしそのマイクロプラスチックは、プラスチックが粉砕されたものだけではなく、化粧品やシャンプー、歯磨き粉などに配合されている水溶性の合成ポリマーなども含まれる。

私たちがそれらを使えば、排水溝からマイクロプラスチックは海へと流れるが、それらは残念ながら生分解性はない

私たちは
1週間にクレジットカード1枚分、1ヶ月にハンガー1本分のマイクロプラスチックを食べているといわれる。

それらの合成ポリマーは目には見えないため、塩やボトル入り飲料、ビールなどからも検出されている。
なんだか知れば知るほど愕然とした。

海は世界をつなげている

海の水は、地球の体液のようにゆっくりと巡る。
この海洋大循環は、偏西風などの風、そして塩分濃度と水温により、海流を作り、海の深層まで循環する。

この水の循環は気候変動への影響も大きく与えるといわれている。

この海洋大循環は2000年のペースでゆっくりと流れていたが、近年その速度が速くなってきているそうだ。

塩分濃度が変われば海の循環経路も変わる。
水には浄化作用がある。
マイクロプラスチックによる汚染が進めば、その循環経路も変わり、さらなる気候変動が起こる可能性もある。

ただ、日本で完全に今の生活からプラスチックを排除することは難しいかもしれない。

このプロジェクトのレベッカさんも、どんどんプラスチックを排除していったが、最後は「便利」という事からなかなか離れる事ができなかった、と言っている。

けれども、たった1ヶ月だけでも私たちの体だけでなく、他の生物、地球の事を考える時間があってもいいのではないだろうか。

ここで間違ってはいけないのは、プラスチックが悪だ、と決めつける事だ。
利便性を追求するのは悪いことではない。しかし
あまりにも無駄なものが多く、感謝もなく捨てている事に自分で気づく事が大切
だと思う。
そこから、自分の行動が変わり、環境も変わっていくだろう。

このPlastic Free JULYの活動は、強制でもなく、全てのプラスチックを禁止する、という過激な活動でもない。後世へのバトンを渡していきたいと思う人が自らやっていく活動だ。

これは小さな革命といわれている。

自分ではない、誰かのために、世界のために、誰からも何も褒められなくても、認められなくても良いじゃないか。
自分の中で小さな革命を起こそう

それがきっと大きなムーブメントの始まりになるだろう。

つづく




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