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2021年のアースデーをパレスチナから考える:Leave no one behind, before it is too late

1970年にアメリカで起こった2000万人のプロテスト。地球環境を尊重する暮らしにシフトしなければいけない、というメッセージのもと生まれたアースデーの始まりです。しかし6年後、そのアメリカが支援するイスラエルで、農家の土地の大規模接収に対するプロテストが起こりました。

22日のアースデーに併せて公開された、パレスチナの環境NGOネットワーク"PENGON"(国際環境NGOFriends of Earthのパレスチナ支部に当たります)による発表の冒頭です。

このnoteでは、その中身を見ていきながら、主要メディアでは取り上げられない地域の実情へのもやもやを言語化していきます。

マニアック度★★★★★
内容は直訳ではなく、意訳を含みます。(英語→日本語)
投げ銭用に有料にしていますが、全文このままお読みいただけます。

↑原文は一見アラビア語ですが、リンク先で英語に切り替えられます。

パレスチナで起こっていること

この発表によれば、イスラエルは地域の貴重な自然環境を破壊してきました。
例として、フラ湖の干拓(※)やヨルダン川の水源の過剰消費(とそれによる死海の海抜の60mの減少)を挙げています。

※フラ湖の干拓は1950年代に進められ、元々マラリアの発生する湿地だった一帯を、湖を一部残して自然保護区にした、とイスラエルの旅行サイトに記載がありました。(出典はこちら

日常的には、土地の接収や家屋破壊と同時に、木を引き抜いたり、農地を荒らしたり、貯水池を破壊したりしています。そして、元々農地だった所には汚水や化学廃棄物・産業廃棄物の処理場を建設し、健康被害を受けて農民は土地を追われています。

コロナ禍で

コロナ禍の昨年、こうした環境破壊は直前の数年間と比較して2倍になったと発表されています。

新規に建設された処理場は270件、引き抜かれたり傷つけられた木は21965本(内8割はオリーブの木)、3830ドナム(≒946エーカー)の農地が破壊・汚染され、78の貯水池が破壊され、883の家が破壊され、1600人の市民が住居を失いました。

外出自粛を守って農地に出向く頻度が減ったことで、このプロセスに拍車がかかったのではないか、とこの発表では推察されています。

(ドナムの計算:https://www.convertunits.com/from/dunam/to/acre)

SDGsを掲げて

この発表の内容はあくまでもPENGONという環境NGOネットワークが書いたものなので、実際に私が現地に行って測ってみたわけではありませんが、ひとつの状況を示すものとして有用だと思っています。

とかく、この分野に関しては情報の偏りが激しく、どちらかというと日本では、イスラエルの技術力の高さやスタートアップの多さ、水処理の技術等にフォーカスしたニュースが多いように思います。

日本でのイスラエル像は、イスラエルの対外的な自己像に沿っているなぁ、と改めて感じた国連サイトに掲載されているSDGsの記事です。

このなかで、国連目標の「Leave no one behind(誰も取り残さない)」をイスラエルの技術力で達成すると言っています。

PENGONの報告書の締めくくりにはこうありました。

「この機会に、パレスチナに生きる私達からの叫びを、すべての人に届けよう。この惑星の権利を訴え、暴力から守るために。Before it is too late(手遅れになる前に)」


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