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著作権Q&A

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【著作権の基本9】著作権の保護期間は70年間

【著作権の基本9】著作権の保護期間は70年間

著作権は著作物を作った時点で発生しますが、この権利はいつまで続くのでしょうか。

著作権の原則的保護期間は、著作者が著作物を公表した時点から70年までです。また、実名の個人が作った著作物は死後70年間保護期間が継続します。逆に著作物を利用する側は、著作権が切れた著作物は、著者に許諾を得る必要がなく、利用できることになります。

死後、公表後、創作後の期間は、計算を簡便にするため、死亡、公表、創作の

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【著作権の基本8】他人の著作物を利用するには ②引用の基本と正しい利用法

【著作権の基本8】他人の著作物を利用するには ②引用の基本と正しい利用法

引用のルールについてはちゃんと覚えておく必要があります。
一般的な言葉で言うところの「引用」と、著作権法でいうところの「引用」は多少違いますが、困ったらとりあえず「引用」と言っておけば大丈夫という都市伝説もあるくらい、この世界では多用されています。

「正しい知識を身につければ創作が楽になる」の記事にはこんなことを書きました。

どこが引用されているか明確に分かれていて、引用されている部分が、あな

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【著作権の基本7】他人の著作物を利用するには ①許諾や譲渡を受けよう

【著作権の基本7】他人の著作物を利用するには ①許諾や譲渡を受けよう

ということで、何だかいろいろ説明をしてきましたが、著作物を利用するための原則をまとめてみようと思います。

■許諾・譲渡の内容を明確にする

繰り返しになりますが、著作物利用の許諾を得る場合は、あとでもめないように、なるべく文書で、その利用の仕方、許諾の範囲、使用料の額と支払い方法などを確認しておきましょう(口頭でも可)。著作権を譲り受け、自らが著作権者となることもできます。

■許諾を受ける先は

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【著作権の基本6】正しい知識を身につければ創作が楽になる

【著作権の基本6】正しい知識を身につければ創作が楽になる

「著作者人格権と著作権」で触れたように、著作権はとても強い権利です。何の登録も必要なく、作ったらすぐに様々な権利が発生するものです。

「それではさすがに困る場合がある」ということで、例外としての使用方法が決められています。例外に定められている使用の場合には、自由に著作物を使うことができます。

日本の著作権法は、都度例外を決めていく建て付けになっているので、とても規定が複雑で、条文もわかりにくく

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【著作権の基本5】著作権はいろいろな権利が集まったものである

【著作権の基本5】著作権はいろいろな権利が集まったものである

著作権法では、著作物に認められる権利ひとつひとつについて名前をつけています。これらの権利をまとめて著作権と呼んでいるのです。これらの権利については、言葉どおり理解できるものもあれば、そうでもないものもあります。大事そうなものを中心に、ひとつひとつの権利について書いていくことにします。

■複製権
著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的(本やCDなど形のある状態で)に再度作る権

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【著作権の基本4】著作者人格権と著作権

【著作権の基本4】著作者人格権と著作権

著作権は、著作者が著作物を創作したときに自動的に発生します。権利を得るためにどんな手続きも必要ありません(無方式主義)。また、著作権は財産権と決められていて、譲渡することができます。

他方で、「創作物」に認められる権利という性質上、作った人(創作者)には固有のインセンティブを与えることにしました。
これが著作者人格権です。

著作者人格権ということで、著作者人格権は、創作者にのみ認められる権利で

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