見出し画像

【公務員試験】国税専門官になろう! その1 〜出世と年収〜

このnoteをご覧になっている方の中には国税専門官志望の方もいると思うので、ここで一度国税専門官の魅力、職場の実態、試験内容等についてまとめてみたいと思います。


はじめに

筆者は、国税専門官採用試験に合格し、3年9か月にわたって税務職員として勤務しました。その間、税務大学校専科研修をトップクラス(金時計)で卒業し、法人調査事績もなかなか良かったと思っています。この立場から発信している人は滅多にいないでしょうし、他のOBと見え方も違うはずです。他の方の記事と併せて参考にしてください。国税組織は割と体育会系でもあるので、色んな方の意見を聴くのが良いと思います。

参考として以下の記事もお読みください。

公式HPをご覧になっていない方は、こちらを隅々までご覧ください。本稿では、基本的なことにはあまり触れていません(見なくても本稿は分かります)。

出世と年収

一番気になるところから。

国税組織では、行政職俸給表ではなく、税務職俸給表が適用されます。俸給表は給与テーブルのことです。詳しくはこちらをご覧ください。

幹部職員になるまでは、行政職俸給表よりも1割程度高い給与テーブルとなっています。これは、公安職俸給表(刑務官、警察庁警察官等に適用)も同じでして、事務の性質が複雑・困難(肉体的・精神的負担感が強い)ということを反映しています。

ただ、実態として、そこまで肉体労働でもないし、割とおいしい立場かなと思います。ちなみに、筆者の3年目(2級)の年収は420万円でした。普通の公務員よりは高いかなという程度ですかね。今は東京23区の地域手当も20%と高くなっているので、3年目で450万円くらいはもらえると思います。ちなみに税務署法人課税部門では、残業代はほとんど支給されません。

採用から3年10か月目に国税調査官(徴収官)が発令されます。それまでは、単に事務官と呼ばれます。

その後、3級の調査官等を経て、採用から13年で上席国税調査官等が発令され、4級となります。税務署の係長クラスですね。この頃には年収が600万円を突破しています。その後、速い人では、採用18年目くらいで統括国税調査官等が発令され、5級となります。税務署の課長クラスで、管理職扱いです。若くして統括官になった場合の年収は700万円程度と思われます。平均的に出世している人では、40代後半で統括官になります。なお、上席で出世が止まる人も少なくありません。万年上席とか、略してMJなんて陰で呼ばれてしまいます。

細かい話ですが、上席と統括の間に、総括上席とか連絡調整官というポストもあり、特に後者は出世が速い人が統括官になる前に就いていることが多く、統括官と同格の5級です。

なお、統括官の中にも序列があって、国税局との調整を行う第一統括官は6級の場合もあります。年収でいうと800万円程度でしょうか。

大部分の職員は、統括官で出世が止まります。なので定年までの10年〜15年、800万円〜900万円程度の年収で過ごすことになります。万年統括とか、略してMTと陰で呼ばれることもあります。MJほど馬鹿にされるわけではありません。

出世する人はどうなるかというと、48歳くらいで副署長になります。指定官職といって、国税組織の幹部職員という扱いになり、辞令が厚紙になります。ちなみに、特別国税調査官(徴収官)、略して特官(トッカン)には、統括官と同格の薄紙特官と副署長と同格の厚紙特官がいます。副署長は、級で言うと、税務署の規模に応じて6級・7級となります。年収は7級で900万円程度と思われます。

トッカンと言えば、こんなドラマもありました。

その後も順調に出世すると、ようやく税務署長となります。出世した人でも、ここら辺で上がりを迎えます。税務署の規模に応じて、8級〜10級、年収で言うと1000万円〜1200万円程度と思われます

なお、これまで全て税務署のポストで記載してきましたが、出世する人は国税局や国税庁・財務省で仕事をすることが多いので、年齢に応じてこれら上級庁の同格ポストに就くことになります。例えば、統括官は本省課長補佐クラス、副署長は本省総括課長補佐クラス〜企画官クラス、税務署長は本省室長〜課長クラスといった感じです。ただし、国税専門官採用者が本省企画官クラス以上に就くことは稀で、せいぜい課長補佐止まり、その後は国税局や税務署の幹部として外に出されます。

ちなみに、稀に都市部ではない地方の国税局長や国税不服審判所長まで出世する人もいます。これらの役職は、指定職俸給表が適用され、本省の審議官クラスです(正確にはやや落ちます)。ここまで出世するのは、全国で1000人くらいいる同期に1人いるかどうかなので、あまり現実的ではありません。

現実的な目線では、大規模税務署の署長(税務職俸給表10級=本省官房三課長と同格)が最上位と考えて良いです。大規模税務署とは、東京国税局管内であれば、いわゆる五大署(麹町、神田、日本橋、京橋、芝)を始めとした都心部の税務署です。ちなみに、これよりも規模が小さい場合は9級(本省その他の課長クラス)の署長、田舎だと8級(本省室長クラス)の署長なんて感じです。

その1のおわりに

少し長くなったので、続きはまた次回。仕事の魅力や大卒と高卒のどろどろした確執等も記事にしていきます。お楽しみに!


最後までお読みいただきありがとうございます😊少しでもお役に立ったらスキ(❤️)していただけると嬉しいです。note会員でなくても押せます。