![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96112512/rectangle_large_type_2_82d17384d427a97453ceecd2bc3d72d2.jpeg?width=1200)
中上級者向けのサービスグロースガイド② ~数値改善の極意~
中上級者向けのグロースガイドシリーズの第二弾の本noteでは、グロースの要とも言える「数値改善の極意」について書いていこうと思います。
第一弾をまだ読まれていない方はぜひ読んでみてください。
サービスグロースにおける数値の伸ばし方は、突き詰めると次の3つのポイントに集約できます。
【数値の伸ばし方の3つのポイント】
1. 伸ばしたい指標の分岐点を見つける
2. 分岐点の背景のWHYをユーザーテストであぶり出す
3. 見つけたWHYを施策に翻訳して実行する
1. 伸ばしたい指標の分岐点を見つける
指標には、ほぼ必ずと言って良いほど分岐点が存在します。
まずはそういった指標の分岐点を見つけましょう。
分岐点は「急に増える」「急にいなくなる」の大きく2種類です。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26446491/picture_pc_884711704be7471c67fc30a5ac74689f.png?width=1200)
まずは「急に増える」から。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26447473/picture_pc_39d2e080d8bd9d5e3a5c8a40bce21f0c.png?width=1200)
特定のアクションをした回数毎の指標を比較したときに、大きくジャンプする箇所を見つけましょう。
例えば下図のように、SNSサービスなどで初日投稿数毎の翌日再訪率を分析すると、多くの場合1回以上投稿すると飛躍的に再訪率が向上するパターンを多く見られます。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26446611/picture_pc_670f253898e958b380af491fb11a24d6.png?width=1200)
そして、そのジャンプするポイントを見つけたらジャンプ前のユーザーを、より多くジャンプさせる施策を打てば自ずと全体の指標は改善します。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26446962/picture_pc_753722ce429962738b67bb0c609f5eb8.png?width=1200)
では、どうやってJUMP箇所を見つけるか?
ピボットテーブルを作りまくりましょう。
ユーザーIDごとにユーザー属性と、アクションの回数のデータが対応したデータテーブルを作成し、そこからアクション回数毎の指標データのピボットテーブルを作りまくります。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26447044/picture_pc_e6a6c60a50c9bb27d3fd5a846b946315.png?width=1200)
そうして作成したピボットテーブルを見ると、その有無によって継続率がお大きく変化するアクションが見つかるはずです。
では次に、「急にいなくなる」分岐点パターンについて。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26447527/picture_pc_9cc956ab8e10c65b146ef80c55ffe3ca.png?width=1200)
このパターンはファネル分析などを通して見つかりますが、対処法としてはシンプルにすぼみをなくすように施策を打ちます。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26447594/picture_pc_c052131764e73d44852e531501920d6d.png?width=1200)
こうして見つけた分岐点の活かし方としては、まずその分岐点をKPIとして設定します。そしてそのKPI=分岐点を改善することによってその上位指標であるNorth Star Metricsを改善します。
例えば、初日に投稿を1回以上する人の率をKPIとして設定し改善することで、Weeklyの投稿継続ユーザー率というNorth Star Metricsを改善するイメージです。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26447617/picture_pc_fe3b94ec5acb5e7c674e44946dc7d281.png?width=1200)
North Star Metricsや、上記のメトリクスピラミッドに馴染みがない人は、第一回目の記事を参照ください。
2. 分岐点の背景のWHYをユーザーテストであぶり出す
前のステップで、要改善箇所としての分岐点が見つかりました。
しかし、その分岐点は直すべきWHEREであって、なぜそこに問題があるかのWHYは分かりません。
そして、WHYが分からないと有効な施策は打てません。
したがって、WHYをあぶり出すために"必ず"ユーザーテストを行いましょう。
KPIに関係するタスクを目の前でユーザーにやってもらい、使えないところ、理解できないところ、非効率なところ、気持ち悪いところ(= 問題のWHY)を特定します。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26451369/picture_pc_7649f12fb6362810e4b57e6e598bcce1.png?width=1200)
3. 見つけたWHYを施策に翻訳して実行する
そして、さいごに見つかった問題(分岐点のWHY)に優先順位をつけていき、優先順位が高い問題群を施策に翻訳していきます。
STEP1と2をしっかりやっておけば、施策を考えて打っていくのはシンプルな作業になります。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/26451419/picture_pc_d15ba19f3656d25bbf8f5e97e569c25d.png?width=1200)
そして、ユーザーテストを通じて、「なぜ」そのKPIが低いかを特定できているので、かなりの確度で数値は改善するはずです。
「グロースハックは10回に1回施策が当たれば良い」と言われることもありますが、ユーザーテストを実施するようにしてからは体感的に8割以上の確率で数値改善するようになりました。
まとめ
サービスの数値を改善する、となると複雑な分析や高度な施策を打つ必要があると考える人は多いですが、意外とやることはシンプルです。
しかし、このシンプルなプロセスをきちんとできていない会社は非常に多いので、ぜひ今回の3つのポイントを自社のサービスグロースに活かして頂ければ幸いです。
中上級者向けのサービスグロースガイドの最終回となる第三回目のnoteでは、「強いグロースチームのつくりかた」について書いていこうと思います。
さいごに
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