ARにとってのWithコロナの意義は、デジタルツインデータのチャージ期間である
Withコロナは、ARにどう影響を与えますか?という質問をよく受ける。
答えとしては、影響受けまくりだ。
ただし、その影響はプラスとマイナスの両面がある。
まずマイナスの面からいくと、ARはリアルな空間の価値を拡張するものなので、Withコロナ期には本来のユースケースを発揮できない場面が増える。
例えば、観光、ライブ・スポーツイベントなどでの利用が主要ユースケースとしてあったが今はそうしたものが軒並み制限されている。
ではWithコロナがARに与えるプラスの影響は何かというと、デジタルツインデータの蓄積量と質の飛躍的な向上だ。
フィジカルに人が集まれない分、リアル空間のデジタルコピーを作成し、ブラウザやVRなどで集まってコンテンツ消費をするニーズは高まっている。
例えば、未来と芸術展をMatterportでデジタルコピーを作成し、その中を動いて作品を鑑賞したりなどが良い例だ。
いまは空間のデジタルコピーを歩き回るだけのものが多いが、今後はその空間内でユーザーが新たにコンテンツを残したり、その空間内でのユーザー同士の交流が価値として保存されていくはずだ。
そしてコロナが明けて、もう一度人々が物理空間に集まれるようになったとき、その物理空間はARクラウド構築に必要なデジタルコピーを有しており、かつWithコロナ期に人々がデジタルコピー上で残したコンテンツや交流の様子をスマホやグラス越しに見ることができるようになる。
今まではデジタルツイン側の有しているデータ価値が、物理世界に対して希薄だったが、それがWithコロナによってバランスする方向に向かうため、AR越しの体験価値が飛躍的に向上する。
なのでMESONはWithコロナ期のAR企業として、デジタルコピー側にいかに価値あるデータを蓄積できるか、そしてコロナが明けたときに、いかにそのデジタルコピー上のデータを物理世界とうまくミックスして優れた体験を作っていけるかを考えている。
おわり。
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