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世界一子どもが「幸せ」な国 オランダ

UNICEFによる調査

前回の記事で触れたオランダ。実は、子どもが「世界一幸せな国」と言われています。

UNICEFが2020年に発効した報告書、『レポートカード16-子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か(原題:Worlds of Influence: Understanding what shapes child well-being in rich countries)』において、オランダは第1位となっています。しかも2020年だけでなく、2007年、2013年の同様の報告書でも1位となっており、2000年代に入って「オランダの子どもは常に世界一幸せ」であるともいえるでしょう。

とはいえ、このような調査は特定の指標を数値化し、それを総合的に組み合わせてランキング付けしますので、オランダの子どもたちが「自分たちは世界一幸せだよね」と思っているかどうかは別の話です。(たぶん子どもたち自身は他国と比較のしようがないので、実感はないと思います。。。)

報告書の中身はどうなっているか

簡単に報告書の中身をご紹介します。

が、その前に一点補足です。日本語版では「幸福度」となっていますが、原文は「Well-being」(ウェルビーイング)です。最近は日本語でも「ウェルビーイング」と使われることも多くなってきていますが、この言葉は必ずしも「幸福度」とは同じ意味ではありません。

ですので、「オランダの子どもが世界一幸せ」と書いたものの、正確にはオランダの子どもは世界一ウェルビーイングが高い」と言えるでしょう。
*あえてキャッチーな表現を冒頭では使わせていただきました。。。。

本記事では、日本ユニセフ協会のHPに記載の訳語をそのまま使用しますが、上記の点はご留意ください。

本報告書では以下の指標をもとにランキングをつけています。括弧内の年齢は、党外項目の調査対象の年齢です。

1:精神的幸福度(Mental Well-being)
 -生活満足度(15歳)
 -自殺率(15-19歳)
2:身体的幸福度(Physical Health)
 -子どもの死亡率(5-14歳)
 -過体重(5-19歳) 
3:スキル(Skills)
 -数学・読解力分野の学力(15歳)
 -社会的スキル(15歳)

そして、オランダと日本の比較は以下の通りです。(母数は38か国)

精神的幸福度: オランダ 1位  日本 37位 
身体的幸福度: オランダ 9位  日本 1位
スキル:    オランダ 3位  日本 27位
総合:     オランダ 1位  日本 20位

さて、みなさんはこの数字を見てどう思うでしょうか。あくまで限定的な調査項目のみでの結果ではありますが、日本の結果は衝撃的かつ、でも悲しいことに納得もできてしまうものかなと思います。

ではなぜオランダはこのような結果になったのか。以下の記事が非常にわかりやすくまとめられていますので、興味のある方はぜひご覧ください。前の記事に書いたワークシェアリングなどについても触れられています。
オランダが「世界一子どもが幸せな国」になったわけ
 公益財団法人 1more Baby 応援団 専務理事 秋山 開

まとめ

選択肢が増えることで、幸福度・ウェルビーイングが高まるということを実践しているのがオランダだと思っています。
オランダの事例がすべての国や文化において「正しい」ものではないと思いますが、学べることは多いのではないでしょうか。

参考:
ユニセフ報告書「レポートカード16」 先進国の子どもの幸福度をランキング 日本の子どもに関する結果 (unicef.or.jp)


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