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【最終回|絶望三部作】『Evermore』第3章:いつの日か、パリに…(第3部:イタリア旅行記)

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ご挨拶

絶望三部作『Evermore』の第3部:イタリア旅行記は、本章(第3章:いつの日か、パリに…)にて、” 終了 ” となります。
本編&スピンオフ通じて「最終回」となる本作も、楽しんで読んでいただけると、とても嬉しいです^^

🐾 梶モード 🐾


 ふたりは、台風上陸の前日に帰国することができた。それはとても運の良いことだったと思う。
 成田に到着するまでの十数時間の空旅はひやひやして一睡もできなかった。
 それはシュンも同じだったと思う。目は閉じていたようだったが、時々、小さなため息を漏らしていたし、時々、眉をひそめていたからだ。

 無事に着いて良かったね、なんて会話を交わしながら、税関を抜け、成田エクスプレスの乗り場に向かい、ふたつのバックパックと旅の余韻を列車に乗せて、品川のマンションを目指してふたりは空港をあとにした。

 空港で買ったおやつを列車の中ですっかり食べ終えてしまったシュンは、いつの間にか俺の肩にもたれかかって、すうすうと寝息を立てていた。
 そんな彼の頭越しに、流星のように流れてゆく車窓を眺めながら、こんなことを思った。

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