新規の支援を進める時の思考整理
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今回は「なぜその介護保険サービスを利用した方が良いかを考える」をテーマにしたいと思います。
最近新規で関わり始めた男性利用者の事例を踏まえ、私の頭の整理の為に書いてみます。
認知症の診断を受けた男性利用者は今はまだ身体機能を保つことは出来ています。初見で話をしていても「なぜ介護認定が下りたのか?」分からないくらい元気そうに見えます。
本人も周囲に言われて「認知症」に対して意識はしているようですが、それでも「自分は全然大丈夫」という気持ちが強い方です。
奥様やお子様が一緒に住んでいらっしゃいますが、家族から見たら認知症状は顕著に見られている様子。
日付、曜日、日課の把握は難しく時間の間隔もあやふや。
電子レンジとトースターを間違えて利用したり、畳んだ洗濯物を全然異なる場所にしまったり、水道の水を出しっぱなしにしたり…etc。
最近までは友人が趣味に誘ってくれていたそうですが、友人も本人の認知症状の対応に苦慮してやんわりと趣味の同行を断られてしまったそうです。
それからは自宅から出る機会もなくなり、人と関わるのも家族とだけ。奥様は趣味やパートで多忙なので、自宅で本人一人でいる時間も長い。
ご家族からのご相談内容は「デイサービスに行かせたい」でした。
見学に行って頂いたものの…
初回訪問ではご本人・奥様と面談をして、奥様の相談内容を伺いながらご本人の考えを聞いてみました。
「俺はまだ自分で何でも出来るからな。行きたい所があれば行くし…」
それに対して奥様は「自分でなんか行かないでしょ?いつも家で1日中過ごして。出掛けても近所のコンビニくらいじゃない!」
ご本人と奥様の会話の様子を見ていて思ったのは、ご本人は会話の全てを分かっている訳ではないこと。取り繕って会話をしているところが垣間見えました。
きっと一人では何もせずにボーっと過ごしているのだと思います。
事前に電話で相談内容を確認していたので、初回訪問時にデイサービスのパンフレットを3カ所お持ちしました。
ご本人と奥様で早速その日のうちに見学に行かれました。
そして翌日奥様から「デイサービスには絶対に行かないってごねちゃって。子どもも交えて大喧嘩よ!カイゾウさんには悪いけど間に入って貰える?!」
そのようなお電話を頂きました。
双方の想いが理解出来る
ご本人の「デイサービスに行きたくない」という気持ちも奥様の「このまま刺激の無い毎日では認知症が進んでしまう」という気持ちどちらも理解出来ます。
この支援は現在進行形です。電話を頂いたのは本日。
来週再びご本人・奥様と三人で面談をする予定です。
ここで双方の気持ちに理解が出来るからこそ、考えなければならないのは「なぜその介護保険サービスを利用した方が良いのか?」ということ。
この場合「なぜデイサービスに行った方が良いのか?」を考えることになります。
今回の男性利用者は認知症状は見受けられるものの、身体機能は比較的高く、傍で誰かが助けてくれればまだまだ何でも出来る状態です。
しかし、認知症の理解があってご本人を傍で手助けしつつ定期的に活動に誘ってくれる人はいません。奥様も常にご本人に付きっきりという訳にはいきません。
ご本人は「自分は出来る」と思っているので、きっとただ「デイサービスは行った方が良い」と言われても行く気にはならないでしょう。
でも一度見学に行かれたことで「なぜ行きたくないか」の気持ちは明確になっていると思います。
なので、まずはご本人の気持ちを伺った上でどうしていくのが好ましいかをご本人・奥様と考えようと思います。
先を見据えて考える
ご本人はつい最近まで友人から誘われて趣味活動を行っていました。
しかし、その趣味活動にも友人から断られたことで行くことは難しい状況。人の手を借りないと出来ない趣味ということもあり、第三者に関わってもらってその趣味を継続することは現状は難しいです。
まだ趣味活動がなくなった実感のないご本人が「このまま自宅に居続けたら?」をイメージすることは難しいでしょう。
とは言え、家にいる時間が長くなればなるほど認知症状の進行は早まると思います。
ということは「デイサービスに行く」という選択肢は悪いものではありません。
ではご本人は「デイサービスの何が嫌だと感じたのか??」
ここにヒントが隠れているような気がしています。
ご本人の返答次第では「デイサービスへ行く」という選択肢もご本人自ら前向きに行く気持ちになれるかもしれません。
もちろんデイサービス以外の選択肢でも構いません。
ご本人が自ら「やろう」と思えるか否か。
出来る限りご本人の「やろう」という意思が表面化するように私はケアマネジャーとして働きかけていきます。
楽しんで来週面談してきます。
今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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