見出し画像

「マルハン。線路」

こんにちは。
めちゃくちゃ福祉の仕事が好きで、
現在は障害のある人のヘルパーをしている
牧得生(マキヨシオ)と言います。

メッセージ

「マルハン。線路」

「さっきからずっと言ってるんです」
と母。

「マルハン。線路」
と言っているのは、僕が担当している利用者さん。
高校生の男子。
自閉症スペクトラムで、言葉によるコミュニケーションに困難さを抱えています。

僕がヘルパーとして彼のところに行く時間の少し前から、何度も繰り返し
「マルハン。線路」
と言っていると、彼のお母さんが教えてくれました。

「どういうことなんですかね??」
と僕。

「おそらく、マルハンの駐車場から見える電車のことを言っていると思うんですど、、、」
と母。

「けど、なんで知ってるんだろう。この子、そんなところに行ったことないのに、、、」
と続けて母。

「わかりました!!とにかく一度行ってみますね!!いやー良いですね!!」
と僕。

30分

彼の言葉から得られるヒントをもとに、マルハンの駐車場にやってきました。

駐車場から、マルハンの建物のずっと奥まで歩くと、確かに広ーく線路が見渡せる場所がありました。
「こんな場所があるんだ、、、」と僕(の心の中)

踏切が鳴り、降りる。
電車が通る。
踏切が上がる。
幾度となく、それが繰り返されます。

30分、彼はそこにとどまって、電車や踏切を見ていました。

これまで僕が彼と関わる中で、30分同じことに集中するところを見たことがありません。
長くて数分。
飽きてしまうのか?
そもその僕の提案が彼にとってつまらなすぎるのか?
別の場所に行こうとしていました。

「電車見れたな」
「踏切見えたな」
「電車みれたな」
「踏切見えたな」
といつもと変わらぬ表情で発する彼。

表情は変わらない。
けど、30分彼をくぎ付けにした場所。
マルハンの駐車場。

思いを伝える

思いを伝える。
このことで、人生はきっと豊かになります。

けど、このことがとても難しい方がいらっしゃいます。
コミュニケーションを支援することは本当に難しいこと。

けど、ふとした一言を聞き逃さず、出来る限り、その思いに寄り添いたいと、そのように思います。

まあ、当たり前と言えば当たり前のことですね。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!

皆さまの今日が、昨日より少しでも良くなりますように!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?