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本の紹介 『行基 菩薩と呼ばれた僧』 著者 岳 真也さん

こんにちは開運JAPANです。

今回の記事はオススメしたい書籍を紹介したいと思います。

タイトル『行基(ぎょうき) 菩薩(ぼさつ)と呼ばれた僧 』

著者 『岳 真也(がく しんや)』

発行 『株式会社KADOKAWA 角川書店』

発行年 『2019年4月』



になります。あまりネタバレにならない程度に紹介したいと思います。
また、印象に残った1シーンを紹介します。

ジャンルとしては、歴史小説です。歴史解説書や学術書とは違うので、途中難しい言葉など出てくるものの非常に読みやすい本です。

自身が多くのお寺に参拝していくなかで、そのお寺の歴史や由緒を調べるとことごとく行基さんの名前にたどり着くことが多かったので興味を持ち購入しました。
関西の方は馴染み深いと思いますが恥ずかしながら私は寺社仏閣巡りをする以前は、行基さんのことを知りませんでした。


・大まかなストーリー

和泉国大鳥郡(現在の大阪府堺市)で生まれた紫苑(後の行基菩薩)は他の人とは少し違うチカラを持っています。紫苑の少年時代からお話はスタートし、淡い恋のお話、師となる道昭さんと出会い舞台は飛鳥寺へ。さらには、修験道の開祖であり人並み外れた能力を持つ役小角(えんのおづの)さんのもとでの山林における修行の日々。そしてさらなる修行求めるとともに、俗世間を見るための旅へと出発。旅は高尾山や東北の出羽三山などへも。そして集大成として東大寺の建設へ。

行基さんは行く先々で病める人や、傷ついた人々の姿を目にします。そこでの気付きや行動の数々は人を癒し、その波は徐々に拡がっていくのです。そして、人々に菩薩と呼ばれるように…

・印象に残った1シーン

個人的に印象に残った1シーンを紹介させて頂きます。

※文字ですが少し描写はキツいです。嫌な方は飛ばして下さい。





その年は天変地異により、農作物がほとんど取れない状況でした。加えて厳しい年貢の取り立てもあり、農民が口にするものはほとんどない状況の地域がありました。その状況下での旅の途中、行基さんは餓死した自分の幼子を台に寝かせ、その肉体を食べるために包丁を降りおろそうとする父親の姿を目にします…




というシーンです。


現在の日本も、様々な意味で困難な状況に置かれているとは思います。ただそれでもこんなにも酷い状況ではないのではと感じました。

そのため、この1シーンは印象的でしたし、皆様に紹介した理由は今の日本や世界の状況と照らしあわせて気休めでも良い方に受けとってほしいと思い、紹介させて頂きました。



・紹介したいキーワード


本に出てくる中で印象に残った言葉とその意味を1つ。

衆生救済(しゅじょうきゅうさい)=衆生済度(しゅじょうさいど)

作中行基さんは衆生救済という信念をもとに行動を積み重ねていきます。

意味は…仏道によって、生きているものすべてを迷いの中から救済し、悟りを得させること。▽仏教語。「衆生」は生きとし生けるもの。人間を含むすべての生きもの。「済度」は迷う衆生を悟りの境地に導くこと。

(引用元)三省堂 新明解四字熟語辞典ーgoo辞書より


・まとめ

行基菩薩は現存する様々なお寺の建立に関わっているだけでなく、民のために数々の公共事業を成し遂げたそうですが、本を読みながら前回の記事で触れた中村哲さんのことを思い出しました。また、大分県出身のスーパーボランティア尾畠春夫さんのこと、今も過酷な環境下でお仕事をされている医療従事者を始めとした皆様のこと…いずれにしても信念に沿って周囲のためにお仕事・行動される方は本当に美しく頭が下がります。

以上です。


それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。

皆様の人生が良い方向に向かうことを願っております。

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