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【イギリス留学のいろは⑨】日本から何を持っていけばいいの?

こんにちは、7月に入り、留学を控えた多くの方がそろそろ渡英の準備をすることでしょう。限られたスーツケースや輸送荷物のスペースの中で、実際にイギリスに何を持って行くべきなのか?異国の地で生活する上で、自分が普段から慣れ親しんでいるモノを持って行くことは体とメンタルの健康を維持する上では欠かせない。

しかしその一方で、今自宅にあるすべてのものを持っていくわけにはいかないし、荷物が多かった場合それ相応の輸送料もかかる(特に今は燃料費が高い上、円安。飛行機での預け荷物重量の追加購入や荷物の国際便輸送は洒落にならない額を請求さる)。しかも、仮に多くの荷物を持っていけたとしても、一人で運搬できる量にも限度がある。飛行場や市街地で大荷物を抱えていると、特に女性などは盗難やひったくりなどの事件に巻き込まれやすくなってします

そのようなお悩みにお答えして、今回は去年の自分の経験にもとづき、渡英の際どれだけの荷物を持参するべきなのか?それから、どのようなものを優先してイギリスに持っていくべきなのか?現地での日用品の調達方法について詳しく述べようと思う。これから渡英する留学生の皆様の参考になったらありがたい。

荷物はどれだけ持てばいいのか?

留学の期間にもよるが、例えば1年間の留学なら基本的に大型スーツケース2つとリュックサックまたはそれに追加でボストンバッグなどが適量だと思う。その為自分はスーツケース1+スーツケース2+手持ち(リュックかボストンバック)を推奨する。だが、これに関しては飛行機会社の制限を確認した方が良い。なぜなら、各会社毎に異なる制限が設けられている為、それによって持ち込み可能な荷物と預けられる荷物の重量が変わってくる。

ちなみに自分が渡英した際(22年9月)は、ちょうど航空会社のキャンペーンで、スーツケース2つまで(最高重量45kg)まで預けることができた。持ち物は、各乗客一つまでの制限がありましたが、留学生ということで受付のCAさんの優しさで、通してくればした(優しい!)。

それ以外にも、自分は追加で3箱ほど段ボールを輸送した。自分は元々1年以上の滞在と学期途中での一時帰国はせず、1年後の同じ頃に一時帰国する予定を立てていたので、できるだけ多くのものを持っていこうと段ボールを空運した。それ以外のも、自分の研究分野では多くの文献を必要としたので、日本語の文献などはすべて段ボールに詰めて輸送した。しかし、輸送は安い場合時間がかかり(船便)高い空便などは非常に高価なので自分は推奨しない。

実際自分は5万ほど支払った。しかもそれに加えて、税関の罰金を食らった。どうやらイギリスの税関は抜き打ちで検査をしているようで、ちょうど自分の開けられた箱には新品の洗顔料などが入っていた為、全箱分の税金を後々請求された(輸入税的なのを60ポンド=1万円程)。入っていたもののほとんどが高くもない自分の服だった為、これだけの税金を払うのは信じされなかった。それに、人によっては、税関検査を受けた荷物がぐちゃぐちゃの状態で届くなどの被害もあるので、そういう被害に遭いたくない場合は、輸送は必要最小限にとどめた方が良いでしょう。

何を持っていくべきか?

自分の経験上、以下のものは絶対持って行った方がいいと思う:

薬品(市販薬、処方薬など)、衣服、日本の調味料・食品や調理器具、イギリスでは手に入らない勉強用品(普段使っている文房具や文献等)、ドライヤー(海外用)、ポンド現金、その他自分に欠かせないもの

薬品(市販薬・処方薬)

薬品は地味に一番重要だと思う。イギリスでは、留学生はビザ申請時にNHS(National Health Service)というイギリスの医療機関を統括する国の機関に保険料を支払うことによって、病院を無料で受診できる(歯科診療と眼科検診などを除く)。多分多くの方は到着後に、GP(General Practitioner)、すなわちかかりつけ医を自分の寮や学校付近の病院に指定する。しかし、NHSは知られているように多くの問題を抱えていて、アクセスもそこまで良くない。例えばロンドンでは、GPに行ったものの、患者数が多すぎて5時間以上も並ぶということが普通にあり得る。その為、ここに住む多くの人はよっぽどのことがなければ病院に行かないか、有料のプライベートドクターに診療する(非常に高価)。自分は日本にいた頃、ちょっとした体の不調などで病院に行ってたので、イギリスの実態はそれとは正反対で驚いた。

その為、基本的な市販薬を自分で持っていることは大事だ。例えば、パブロンなどの総合風邪薬はちょっとした症状が出た時に予防も兼ねて飲んでおくことで、高熱などの大きな身体不調を未然に防ぐことができる。自分はパブロン、ルゴール、太田胃酸に加えて、アレルギー皮膚炎持ちなので抗アレルギー剤や塗り薬などを持参した。目薬なども持っていくと良いでしょう。塗り薬などの処方薬に関しては、いつも行っている日本の病院で留学の旨を伝え、特別に多めに処方してもらった(一部の薬に関してはそういうことはできないらしい)。

もちろん、イギリスで市販薬が手に入らないわけではない。例えば、日本と同じく花粉症に悩む人が多いイギリスでは、抗アレルギー剤なんかは普通に売られている(BootsというドラッグストアーやTescoなどの一般的な大型スーパーで購入できる)。しかし、基本的に円安や物価高もあり市販薬は安くはない上、薬の種類も日本ほどわかりやすくない。あと、日本のものと全く同じものを手に入れることは不可能なので、普段使用しているものが良い方は、絶対薬を日本から持参した方が良い。

それに加えて、普段自分が使っている洗顔料、化粧品なども持ってくることも大事。こちらにも代用品があるが、肌に合わなかったりと色々な理由で使えなかったという人もいるので念のために幾つか持参した方がいいでしょう。

衣類

服に関しては、東京の感覚で言えばロンドンは基本的に一年を通して寒いか涼しい。しかし夏場は暑い日も少なくない(それでも30度以下)。もちろん地域毎に気候は違うのでその辺は事前に調査した方が良い。だが確実に言えるのは、冬服は絶対何着か持った方が良い。

どの洋服を持っていくかを考える上で、注意すべきことがこちらの洗濯事情だ。イギリスは普通の民家に住まない限り、学生寮や学生アパートでは基本的に乾燥機を使う。すなわち、乾燥機に弱い洋服を入れれば瞬時に着れなくなってしまう。例えば、自分は白ティーで有名なHanesのBeefy Tを何着も持って行ったが、一着目が乾燥機にやられ(黒く変色、首周りがシワになり、縮んだ)それ以上着るのをやめた。もちろん、部屋が大きい場合、物干しラックを買うという手もあるが(自分は購入した)、多くの量では安全性の理由上窓を全開することができないので、生乾きになってしまうこともある。なので、基本的にはポリエステル製の洋服など乾燥機に強いコーデでまとめることを推奨する。(寝具に関しても、布団などを現地で購入する際、ポリエステル製の洗浄可能で手入れが簡単なものを購入した方がいい)

言うまでもないが、洗濯機も日本にあるような高機能な洗濯機なんかではなく、普通のコインランドリーまたはそれ以下のクオリティーなので、まず洗い方が荒い。なので、多分一つ言えることがあるとすれば、お気に入りの服や思い入れのある服はあまり持ってこない方がいいのかもしれない。ちなみに日本と異なり、ここの洗濯機の多くはお湯洗浄(30度から60度)なので温水洗浄がダメなお洋服も持ってこないようにしましょう。

日本食の調味料・食品・調理器具

もう一つ絶対持ってきた方がいいものが、日本食に必要な調味料、食品や調理器具などである。ここで指しているのは、昆布・鰹出汁、ふりかけ、味噌、日本酒、鰹節や青のり、電子レンジ調理器具(お米を炊くなど)であり、レトルトなどではありません。もちろんレトルトを持ってきても良いが、重量的に望ましくない。味噌などに関しても重いので要検討である。

イギリスでは日本と違い、外食が桁外れで高い。なぜなら、物価高と人件費高と税金が高いという理由もそうだが、それに加えて外食ではサービス料が取られる。税とサービス料を合わせて30%程加算される為、外食は本当に高い(なおアメリカと異なりチップは必要ないのでご安心を)。その傍ら、イギリスでは生鮮食品など生活必需品、子供用品や交通費等は標準税(20%)が課されない。なので、野菜や肉などは東京で手に入るものより安い場合がある。その為、金銭的余裕がない人がイギリスでの留学生活のクオリティーを上げるうえで不可欠なのが自炊である。

異国の地で日本食を作るとなると、必要なのは日本の調味料であり、「日本食が食べたいよ」という人はそれらを絶対持っていきましょう。もちろん持っていかなくてもイギリスで手に入る場合もあります。例えばロンドンではJapan CenterとRice wineというSohoにあるジャパニーズ・スーパーが有名。そこに行けば、日本のものがたくさん手に入る (Japan Centerに関しては1階部分が各地域のラーメンを食べれるお店になっているのも面白い)。それ以外にも、地元のチャイニーズ・スーパーやコリアン・スーパーなどにも、日本のカレーのルーやみりんなどが置いてあることがあるので、そちらも要チェック。ロンドン以外でジャパニーズ・スーパーがないという人でも、これら他のアジア系スーパーに行けばお目当ての品が見つかる場合もある。

ちなみにイギリスで日本酒を買おうと思うと、なぜか非常に高い。例えば、日本で3000円程度で売られているお酒がその倍ぐらいの値段で売られている上、種類が少ない。日本酒愛好家は日本酒の持参も検討しよう。

調理器具に関しては、最近巷で流行っている電子レンジでお米を炊ける容器などを持っていくと良いでしょう。もちろん、余裕があれば小型の炊飯器を持って行ってもいいのだが、小型のものでも十分場所を取るので要検討。それと、寮によっては火事防止という理由で家電製品の持参を禁止しているところもあるので要注意。

その他

それ以外のものは自由ですが、自分は勉強用品は持ってきた方がいいと思う。例えば、文献など日本語の文献などが手に入るところは極めて少ない。文房具に関しても日本のものが圧倒的に使いやすいと思う。

ドライヤーに関しては、こちらで購入しても良いが、日本から海外用を持ってきても良い。自分は5000円程度のパナソニックの海外用ドライヤーを日本で購入して持ってきた。その際忘れずに持ってくるべきなのが変換器(ドライヤーが海外電圧非対応な場合は変圧器)。電圧とコンセントの差し口の形が共に日本とは異なるので、日本の電化製品を使う場合は、変換器を持ってきた方が良い。

それと、確実に海外で使えるクレジット/デビット・カードなどがない場合は、500ポンドほど現金を持っておくことも良い。イギリスでは基本的にカード支払いで、現金を使うところは滅多にないが、いざカードが使えなくなった場合、現金を持っておくと安心である。仮に現金支払いがダメなところでも、他人に現金を払ってその人にカードで支払ってもらうということもできる。

最後に、異国の地で生活するのは必然的にストレスが溜まるし、時にはホームシックにもなる。ある日突然今まで目指してきた目標や自分自身を見失うかもしれない。そんな時に少しでも気分を楽にできるものを持っておくことも大事だ。例えば、いつも使っているタオルやそばに置いているぬいぐるみ、友達との写真など、「それがあるからまた頑張れる」というものを一つでも持参しよう。趣味道具を持っていくことも良い。例えば、自分はカクテル作りを趣味にしているので、シェイカーやバースプーンなど一式全てイギリスへ持参した。

現地で手に入るもの:イギリスでの日用品の調達方法

以上が自分が思うイギリス留学必需品である。上記のもの以外のものをイギリスに持っていきたいものがあるという方もいるでしょう。ここからは、基本的な生活必需品などをイギリスでどのように調達すれば良いのかについて述べていく。

先ず、日用品のといえばIKEAだ。日本にIKEAがあるように、イギリスにももちろんあるし、商品も大体同じものが取り揃えられている。イギリスに着いたら先ず買わなくてはならないのは寝具一式とタオルなどである。そういうものは全てIKEAで手に入る。自分も今使ってるものの大半がIKEAから買っている。しかし、IKEAに頼るのはちょっと待って欲しい。なぜなら、IKEA以外にもある程度の日用品が揃えられるところは他にもあるからである(これに関して、初期の自分は知らなかった)。その上、ロンドン在住者の場合IKEAは決して行きやすい場所ではない。実店舗はロンドン市内からだと遠く、ウェンブリースタジアムの方とノースグルニッチにしかない。オンラインストアを利用するか、タクシーで帰宅する場合は問題なくとも、電車移動の場合大荷物は一気に持てない。

自分はノースグリニッチのIKEAにしか行ったことないが、自分が住むイーストロンドンのリバプール・ストリートからは、電車で30分ほど乗ったのちに、バスに乗り換える。持てる荷物も、一人で買い物に出かける場合、大凡寝具一式を買ってギブアップだろう。IKEAに何回も通うという方法もある。自分はそうしたが、2日連続であの大型倉庫を歩き回り、大荷物を抱えて帰るのはかなり疲れる。なので、できるだけ楽に日用品や生活雑貨を取り揃えたい方は、別の方法を検討してみても良いと思う。

調理器具や食器などに関しては、IKEA以外にも大型店舗のTescoやSainsburyなどのスーパーマーケットにも売っている場合が多い(小型店舗の場合は置いていないことがある)。特にロンドン以外で、オックスフォードの小規模な街などにあるTescoでは布団や家電なども売っている。

もし、TescoやSainsburyにお目当ての品物がなかった場合、Argosというオンライン家具・雑貨量販店を見てみても良い。日本ではないタイプのお店だが、Argosでは実店舗はに品物が展示されておらず、ただの商品受け渡し場所として使われる。買い手は、アマゾンで品物を購入するように、オンラインのカタログから買うものを選び、店舗に行ってそれを受け取る(郵送も可だが別途郵送料が必要)。Argosは家具や生活雑貨からゲーム機まで色々取り揃えられているので、チェックするべきだろう。しかし、支払いが電子マネーオンリーなので、現金しかない場合は買えない(IKEAやTescoなどは現金使用可能)。Argosはお手軽価格で色々手に入る分、事前に商品を確認できないので、使ってみたらなんか想像と違ったということもあるがその辺はしょうがない。

もちろん、これら以外にも家具、生活雑貨や家電を手に入れられるところはあるのが、値段を考えた場合この辺が一番無難な気がする。他にも、大手ドラッグストアのBootsなどにもドライヤー、髭剃り、などちょっとした家電があったりするので、そういうものを買いたい場合はそちらをみてみるのも良いと思う。一応この辺を押さえとけば、イギリス生活の最初の一歩を順調に踏み出せるだろう。

ちなみに、トイレットペーパー、ウエットティッシュ、サランラップ、ビタミン剤、化粧道具(コットンなど)、歯ブラシ(歯ブラシに関しては、日本のよりもやや大きめな作りなので、それが気になる場合は持参することをお勧めする)。などはもちろんですがイギリスにも売っている上、お手頃価格で購入できる。アジア人がよく使う食器(お箸、茶碗)に関しても、アジア系スーパーのどれかに行けば絶対売っているので、わざわざ日本から持っていく必要はないだろう。

夏は滅多に雨は降らないイギリスですが、秋から春にかけてイギリスはほぼ毎日雨と言っても過言ではないほど雨天が多い。しかも、多くの場合スコールのように、短時間の土砂降りの大雨が降ったと思ったらいつの間にか止んでいる。移動中に雨が降り出したら厄介なので傘は一本日本から持参した方が良いだろう。

以上がイギリス留学へ行く際の荷物及び持ち物と基本的生活用品の現地調達に関する、自分の経験を踏まえた上でのアドバイスである。もちろん自分はロンドンに住んでる為、他の地域での生活を直接経験しているわけではないので、状況がまたちょっと違う可能性もあるのはご了承ください。あくまで参考までにどうぞ!

では、良い留学生活を!

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