見出し画像

五感と時間感覚の関係について考える

デザイナーのyamanakaです。

今回は、以前より興味を持っていた時間感覚と五感の関係について、
カルロ・ロヴェッリ著の「時間は存在しない」という本を元に考えていきます。

記事の最後には、私のメモも載せているので、ぜひご興味のある方は最後までご覧ください。

この記事で語られること

  • 全ての人にとって一様な時間は存在しないこと

  • 時間と空間は、物理的にも、心理的にも歪むこと

  • 変化=時間であること

  • エントロピーの増大が小さいほど、時間感覚はゆっくりであること

  • 思考を介さない体験は、現在であること

  • 音楽を共に演奏することは、特殊な時空間を発生させること


山と平地で時間の進みが異なる。

まず前提として、相対性理論から山と平地で時間が異なることが本の序盤に書かれている。実際に正確な時計を持って山と平地に別れ、再集合すると時間の進みが異なるようだ。
その分歳をとるのも遅いらしい。

この原因は、どれだけ地球に近いかと言うことに関係してくる。
筆者も相対性理論を理解できているわけではないが、そもそも重力というものが時間と空間の歪みによるものであり、そのゆがみの差によって、質量のある方向に「落ちる」ようだ。
この本では、海に向かって走った時波に当たると足を取られ海に頭から沈んでいくようなもの、という表現がされている。

ここで重要なのは、そもそも時計のような均一な時間が存在しないということである。


心と時間の関係について

さて、物理的な均一な時間が存在しないことはわかった。
これと同様に心の変化で時間の進みが変わることを私たちは知っている。
例えば走馬灯。焦った時、急激な心の変動によって時間の進むスピードは急激に遅くなる。
このことはこの本でも触れられている。

まず、私たちが時間と捉えるものは「変化」であるという。変化を感じることができなければ、時間を捉えることができない。確かに密室空間にとじこめられ一年も生活すれば、一年たったかどうかなど正確に認識することはできなさそうだ。
私たちの生活における時間を定義付けている最も大きなものは、日周リズムである。私たちは、住む場所が太陽に照らされているか、その角度はどのように変化したかを捉え、日々の時間を認識している。
では、仮に変化が0になった場合、時間は動かないのか。
この本では、動かない。しかし、人の思考に変化があった時、時間は変化する。と記載がある。

つまり、物理的な変化のほかに、個人の身体の状況・思考の内容・思考のスピードによっても、時間感覚は変化するということである。


ぐちゃぐちゃになる=時間が進む

続いて、時間の方向性について記載していく。
この本ではエントロピーが常に高い方向に進み、それこそ時間である、と述べられる。
ではそもそもエントロピーとは何か。

エントロピーとは物理学の言葉で、「無秩序の度合い」を示す量のことだ。 「無秩序な状態の度合い(=乱雑さ)」を定量的に表す概念で、無秩序なほどその値が高く、秩序が保たれているほど低い値となる。
https://news.kodansha.co.jp/9862

つまり、最初はエントロピーが低い状態で始まり、自然、宇宙規模で見ると常に世界は無秩序になっていくよ。そして、エントロピーは一方方向にしか変化しないため、時間の方向も一方のみであるよ。ということらしい。
少し難しい話であるが、少し調べてみると、人間はかなりエントロピーが低い状態にあるようで、様々機能が集合しそれが生命体として機能する、というパズルのピースがはまっているような状態である、ので、人間はエントロピーが低いらしい。逆にエントロピーが高くなるというのは、冷たい水に熱湯を入れると、初めは一部が熱く一部が冷たいが、その後全体がぬるくなるといった具合らしい。

ここから先は

2,213字 / 3画像

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が参加している募集

#多様性を考える

27,883件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?