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フィードバックを嫌がる日本人〜受け容れてもらえるから初めて届くフィードバック〜


まず、昨日のnoteが短くなってしまい、申し訳ありません。
昨日のnoteを更新しようと思っていたのですが、現地にいる参加者たちから「あれはあれで面白いから残しておいた方がいい」という助言をいただけたので、新しく昨日書きたかったことを書きたいと思います。

Global Teacher Program in High Tech High(ハイテックハイ)はあっという間に3日間のプログラムを終えました。毎日noteを1日の過ごし方で書こうと思ったのですが、毎日が濃かったため、その日に学んだことをシェアするnoteに切り替えました。

そして、この3日間通して、学んだことはいっぱいあるため、しばらくnoteはHTHで学んだことをシェアすると思います。
最終日は、ハイテックハイの先生に自分が日本にいる時から考えてきたPBLデザインのプレゼンを行いました。そして、先生だけではなく、生徒からもプレゼンに対するフィードバックをもらったのですが、フィードバックの概念が私の中で変わりました。

フィードバックを嫌がる日本人

このnoteを読んでいただいている方で、フィードバックしてもらうことが好きな方はいますか?
先生時代から生徒同士に発表する授業が設定されていたら、必ずその手前にフィードバックする機会を作っていました。しかし、生徒はフィードバックされることを、何か評価されるのではないかとすごく嫌がります。しかも、さらにはフィードバックする側も何かを評価しないといけないという考えになるため、お互いにフィードバックをし合いたくない「嫌な時間」になっていました。
私もフィードバックの重要性をうまく伝えられていたら、もっと捉え方が変わったかと思うのですが、当日の自分はうまく伝えることができませんでした。
今回のプログラムで学んだことの1つとして、フィードバックの定義が日本人とハイテックハイでは、そもそも異なることに気がつきました。

日本人のフィードバックの定義(解釈)

日本ではフィードバックとは何かを教わることがありませんでした。そして、私自身も生徒にフィードバックとは何かを明確に伝えず、フィードバックしようみたいなことをしていました。
日本では、フィードバックは「相手が取り組んだこと(アイデア構想、プレゼンなど)を聞いた側がどこが良くて、改善すべきか判断して、思ったことを伝える」という解釈があると思っています。判断することが目的のように思ってしまうため、生徒たち同士で何かのフィードバックをする場合、フィードバックする側も、フィードバックされる側も、どちらも嫌がります。
フィードバックする側は、「自分のダメなところを指摘されるんじゃないか」という不安感がありますし、フィードバックする側も「フィードバックして、自分が何か思われるのも嫌だな」とお互いにとって心地がいい時間になりづらいです。なので、日本では進んでフィードバックをもらおうとする生徒はあまりいません。

今思うと生徒に酷なことをさせてしまったなと反省しますが、決してあの時間も無駄ではなかったし、確実に改善はされています。
その結果は、札幌龍谷高校で行われた「課題解決プログラム-飛龍アカデミア-」に参加された企業の方々が一番感じていると思います。また、これから出てくる実現される予定のアイデアを見ていくと企業と生徒の協働が感じられると思います。

HTHで教わったフィードバックの定義

HTHではフィードバックの定義が全く異なりました。どの先生も口を揃えてフィードバックをこう定義していました。

「フィードバックは、ものごとを前進させるための時間です。だから、フィードバックは、親切で、具体的で、助けになる批評をしましょう。」

これは、藤原さとさんの『「探究」する学びをつくる』にも記載されているフィードバックで大事にしていること。
フィードバックはもっと厳しくすべきという意見もわかります。そして、これを読んだ時に「いやいや、生徒を手放しに褒めるのはよくない。ダメなところはダメというべきだ。」と思う方もいらっしゃると思います。同感です。すごく理解します。ただ、HTHの先生から実際にフィードバックをもらって私の中で確信が生まれました。

「あなたのアイデア好きだよ」から始まる先生のフィードバック

このプログラムでは参加者がハイテックハイの先生に自分が考えたPBLデザインをプレゼンする機会がありました。しかも、朝一に行われた教員会議に時間をもらい(日本だとありえるのだろうか。。。)、先生たちにその場でテーマを見てもらい、グループに分かれて、プレゼンを行いました。

誰がきてくれるのだろう。いや、来てくれる人はいるのか?とドキドキ、ソワソワしていました。が、3人の先生が来てくれて、安心して、とても嬉しかったことを覚えています。

私は、キャリア教育にPBLを取り入れようと思い、「もっと自己表現ができる人を増やために、自己表現としてメガネを作るプロジェクト」について提案をしました。

正直、あんな拙い英語でプレゼンして、時折自分でも何言っているかわからなくなって、止まってしまうことが何度もありました。にもかかわらず、最後まで真剣に目を見て聞いてくれて、笑顔で拍手をくれました。
フィードバックのときには最初に「あなたのアイデア好きだよ。」と言ってくれたことが言葉に表せないくらい嬉しかったです。
本当に好きか、本音かはわからないけど、でも、あんなに嫌な顔せず、真っ直ぐ言われた喜ばざるをえなかったです。

受け入れてもらうから、初めて届く。

あー、この時のことを思い出しながら、HTHの先生方にPBLデザインを聞いてもらった時のことを思い返すと涙が出てきました。(@サンディエゴのダウンタウンのカフェ)それくらい嬉しかったんだと今になって思い返しました。
うまく自分が伝えられなくて、勘違いして伝わってしまったことに先生が気がついて、プレゼン終わった後に「私最初勘違いしてフィードバックしてしまったわ。ごめんね。でも、あなたのアイデアは本当にいいわ。」と言ってくれたことも嬉しかった。
完全に自分がうまく伝えられなかっただけなのに、一切誰かのせいにしない。素敵すぎます。

生徒もフィードバックができる学校

しかも、先生だけではなく、生徒にもプレゼンする機会がありました。
先生の姿勢がそのまま生徒に反映されているかのように、生徒たちも真剣に話を聞いてくれて、頷いてくれて、たくさん質問をくれて、たくさんフィードバックをしてくれました。

これは、生徒からもらったフィードバックシートです。
生徒からこのアイデアが好きって書いてもらって、メガネというアイデアは少し多すぎるのではないかという建設的なフィードバックをもらいました。

これはとある生徒からもらったフィードバックシート

生徒も先生同様に「あなたのアイデア好きだよ」と言ってくれて、過去のプロジェクトで同じように自己表現として取り組んだ絵を描くワークや、
フィードバックの定義と仕方を明確に伝えているからこそ、先生たちも前に進んだと思いました。

自分の挑戦を受け入れてもらえた経験が自分を前に進ませてくれる。

先生と生徒両方から愛のあるフィードバックをもらえてとても感動しました。フィードバックはお互いが前進するためのものだと実感できた経験でした。
日本に帰ってから自分のフィードバックをアップデートして子どもたちと関わります。

やばい、泣き始めてから30分が経ちました。私は、GTPに参加するたびに泣くようです。(この涙の理由がnoteを書きながらわかったので、これは日本に帰ってからのnoteでお伝えしたいと思います。)

ハイテックハイの先生、生徒のみなさん、そして、一緒に参加した参加者のみなさん、最高の時間を一緒に過ごせて幸せでした。ありがとうございました!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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