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「J!NS」から学ぶ3つのマーケ戦略

本日は、JINS!という企業の経営戦略を取り上げ、そこから学びを紹介したいと思います!

JINSの概要

JINS!は、主にメガネの生産・販売を行っている企業です。
メガネ業界のシェアでは「メガネトップ」に続く2位を陣取っており、

●メガネ業界 売上高&シェアランキング(2018年-2019年)
1位:メガネトップ
2位:ジンズ
3位:三城HD
4位:ゾフ
5位:ビジョナリーHD
6位:愛眼

2013年度は販売本数で日本一のメガネ企業になっています。
「JINS PC」というパソコン用のメガネは累計350万本を超えるヒット商品となり、視力矯正用メガネも含めて年間550万本のメガネを売る会社です。

なぜJINSはここまで成長することができたのでしょうか?
それは、3つのマーケティング戦略にありました。

①価格戦略

JINSではレンズを「球面レンズ」から「非球面レンズ」に変えたり、薄型にしたり、度を強くしたりすると、追加料金がかかって2万円を超えてしまうこともありました。
※非球面レンズというのは、球面レンズに比べるとゆがみが少なく、自然な視界が保てるレンズ

JINS!は、この追加料金をなくしました。レンズによってはメガネを1本売る度に利益ゼロどころか赤字にだってなる可能性があるに関わらずです。

この追加料金ゼロを実現した方法は、レンズを安く仕入れることでした。
JINSは、5社のレンズメーカーからレンズを仕入れており、それらに「追加料金ゼロで提供したいと思っている」と持ちかけたところ、4社からは渋い顔をされたが1社だけは良い返事をしました。

通常のメガネチェーンはレンズの発注を数社に分散するが、JINSは1社に絞り大量発注して製造を委託したことで、その取引先にとってJINSハ、レンズ発注量で日本トップのメガネメーカーとなりました。

レンズの原価は、工場の稼働率で変わるので、JINSから安定的に大量発注があれば、原価を下げることが可能になるのです。

②CM戦略

しかし、価格戦略だけで業界1位まで上り詰めたわけではありません。「追加料金ゼロ」の次に追い討ちをかけるように打ち出したのが「新機能・新デザイン」のメガネAir freameです。

今やJINSの看板商品となるアイテムですが、当時月2000本売れればヒット商品だった常識を打ち破り、月に7000本を売り上げました。

3倍以上も売上を伸ばしたのはテレビCMの効果がありました。JINSはそれまで、1年間の広告費が1億円だったのに対し、5億円の広告費投入を決断しました。

実は、このCM戦略はユニクロの創業者柳井さんから「商品は広く知って貰わないと売れない」という言葉を頂き実現したのです。

今までの市場にない新機能・新デザインが多くの顧客の目に止まり成功した良い事例ですね。

③口コミ戦略

JINSはAirfreameの他、目を保湿できるJINS MoistureやブルーライトをカットするJINS PCなど、魅力的なメガネを「機能性アイウェア」として販売をしています。

特にJINS PCは発売前から市場からの注目が集まっていました。そんな中でJINSが仕掛けたマーケティング戦略が実に面白いです。

今度はCMではなく口コミを使った宣伝を行いました。JINS PCを売り込むためには、まずブルーライトの脅威について知ってもらう啓蒙活動から始めました。情報感度の高いガジェット好きのブロガーを30人ほど招待してイベントを開催しました。PC作業時にブルーライトがもたらす眼精疲労の解説や、実際にメガネをかけてもらう体験を提供しました。

集まったブロガーの皆さんがこぞってJINS PCを記事に取り上げたことで、インターネット上での知名度獲得に繋がった。

CM戦略ではなく口コミ戦略を選んだことで、ブルーライトメガネの需要があるインターネット界隈の顧客の認知を得られたのが最大のヒット要因だと思われます。

最後に

JINSの3つの戦略はいかがでしたか?

状況に応じて、それぞれ違う戦略を用いている点が、JINSがメガネ業界のシェア2位となっている要因 だと思います。

今回の戦略のポイントをまとめると、

①価格戦略では、取引先やメーカー(※自社開発の場合は別)と共に業界の価格を変えるという共通認識が重要。

②マスに対してニーズがある+新機能・新デザインをリリースする場合は、CMにより大胆かつスピーディーに。

③JINSPCのようにターゲットが絞られている場合は、まずその界隈の情報感度の高い人を囲い込む。そこから口コミによって認知を広げる。

メガネ業界などは特に「プロダクト」に注目されがちですが、こういったメーケティングの部分にも注目することで気づきが得られますね。



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