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19歳未経験・知識ゼロから障がい者福祉業界に飛び込んだ暖さんの入社理由とは?

こんにちは!
海邦福祉会外部広報の三好です。

今回お話を伺うのは、海邦福祉会の若きベテラン「渡久地 暖(とぐち だん)」さん。28歳という若さで、海邦福祉会の入所施設に9年勤める大ベテランです。

2回辞表を提出した泉川さんよりも勤続年数が長い渡久地さん、メンバーからは親しみを込めて「ダンさん」と呼ばれています。(響きがいいので記事ではカタカナでお送りします!)

終始やわらかい空気が流れていて、終始淡々とお話をされるダンさん。噛めば噛むほど味が出るというか、大らかだけど繊細で、淡々としているけど情があり、やさしい。そんな印象でした。記事を通して、にじみ出るダンさんの魅力を感じてもらえたら嬉しいです!

知識ゼロから障がい者福祉を選択。「家族の障がいを理解したかった」

三好「9年前、って19歳ですよね。どうして海邦福祉会で働こうと思たんですか?」

ダンさん「高校を卒業してすぐにここで働くことにしました。姉が精神疾患を患っていたので、福祉の知識をつけたいと思ったのがきっかけです。高校で福祉を学んでいたわけではないので、知識がなくても働けて、家から近いという理由で選びました。」

三好「最初に来たときの印象って覚えてますか?」

ダンさん「入社前に施設見学に来たんですが、突然包帯ぐるぐる巻きの利用者さんに手を掴まれて、事務室まで連れて行かれて(笑)。とてもびっくりしました。」

三好「ぐるぐる巻き!それはびっくりしますね。怖いとは思わなかったんですか?」

ダンさん「いろんな方がいらっしゃるんだな、と思いました。」

隆生さん「高校生でそう思えたの凄いな!(笑)」

入社後、体重が10キロ減!だけど「ストレスは感じなかった」

驚きはしたものの、海邦福祉会で福祉を学びたいという気持ちは変わらなかったダンさん。その後、無事入社を果たしました。

三好「入社後はどうでしたか?」

ダンさん「まず体重が10キロ痩せました。」

三好「10キロ!!それは精神的にとか、体力的にキツくてでしょうか?」

ダンさん「精神的にキツいというのはあまりなくて、考えることや動き回ることが多いので、カロリーの消費量が増えて痩せたという感じです。それまでは運動をする習慣がなかったし、身体も弱かったから、逆に健康になったかも(笑)。」

三好泉川さん大湾さんのイメージがあったので、てっきり未経験から入ると最初はみんな精神的にキツいのかなと思ってました。」

ダンさん「インパクトのある仕事ではありますが、不思議とキツいとは思わなかったです。
だけどもしキツくなったら、逃げようとは思ってました。」

三好「辞めようじゃなくて逃げようなんですね(笑)。でも、それくらい極端に考えてるから9年も続いてるのかも。」

隆生さん「めちゃくちゃ辛かったこととかはないの?」

ダンさん「あります。自分が良かれと思ってやったことが、利用者さんの怪我に繋がってしまったことがあって。その時はかなり落ち込みました。」

三好「詳しく聞いてもいいですか?」

ダンさん「はい。ある利用者さんがとても機嫌が悪かったので、気晴らしに数名の利用者さんを連れて皆で海に行ったんです。そうしたら、ひとりの利用者さんが岩場で転んでしまって。頭から血が出て、僕もパニックになってしまいました。」

隆生さん「俺、現場に行ったけど、あの時の対応は素晴らしかったと思うよ。全然パニックになったと感じなかったから、今聞いてそうだったんだと思ったくらい(笑)。しっかり止血して、応援呼んで。ちゃんと判断して、できることをやってたよね。」

隆生さん「パニックでも冷静に見えるのはダンさんの武器だよね。ダンさんはね、若いスタッフの精神の支え的な存在なんですよ。ブレないから安心感があるし、若いのに冷静だから頼りになる。」

仕事を通じて、家族の関係性にも変化が

三好「お姉さんの障がいを理解したくて入社したとのことでしたが、入社して家族との関係は変わりました?」

ダンさん「姉とのコミュニケーションがスムーズになりました。以前は父親と姉がしょっちゅう喧嘩していたんですけど、僕が間に入るようになり、今は緩衝材の役割を担うことができています。利用者さんとの日々のコミュニケーションを通して、姉の調子が悪い時の顔、行動パターンが掴みやすくなったのは大きいです。」

ダンさん「僕自身も姉と喧嘩することが多かったんですけど、病気に対する理解が深まったことで向き合い方が変わりました。真っ向から否定するのを辞めたんです。その代わり、『今こういう気持ちでこういうことをやってる?』『今はこんな風に見えるけど、当たってるかね?』と、理解するために声をかけるようになりました。その甲斐あって、気付けば5~6年喧嘩していません。」

三好「お姉さんも、理解しようとしてくれる姿勢が嬉しかったのかもしれませんね。障がいの有無に関わらず、普段のコミュニケーションとして、とても大切なことだと感じます。」

ダンさん「今は、今までで一番調子が良さそうです。仕事も頑張っているみたいで、僕もホッとしています。」

9年働いた今も「新しい発見がある」

隆生さん「9年間を振り返ってどう?」

ダンさん「ここで働くことで、人生が大きく変わったと感じています。妻も元々ここで働いてた方だし、色んなものをいただいて...(笑)。9年間、本当にあっという間だったけど、未だに未経験なことはまだまだ起こります。まだ頼りないところもあるから、もっと経験を積んでいきたい。そして得た知識や経験を、家族の幸せに繋げていきたいです。」

隆生さん「9年間同じ場所で働いても、未経験があるって凄いよね。最近はおもしろかったことある?」

ダンさん「最近、言葉遣いが丁寧すぎると注意されました。利用者さんに『家族と思って接してますよ』と伝えた時、『なんで家族なのに敬語なの?』って言われて。僕は仕事だから、丁寧にするのが当たり前だと思っていたのでハッとしました。それからは固くなりすぎないよう意識するようにしています。」

三好「その辺の塩梅って、会社としてはどこまでOKとかあるんですか?」
隆生さん「ある程度はフランクでもいいんだけど、言葉遣いが上から目線にならないことは大事にしてるかな。基準にしてるのは、親御さんの前で同じ態度を取れるかどうか。親御さんの前だけ丁寧だと、取り繕っていることが利用者さんに伝わってしまう。それが一番よくないね。」

隆生さん「あと、たとえば呼び捨てにすると、次に続く言葉として命令口調が出やすいのも良くない。『隆生!〇〇しろ!』とか。だけど『隆生さん、〇〇しろ!』とはならんさ。福祉の現場で虐待が出てしまう時、一番最初のスタートは言葉遣いが上から目線になることだと思うんだよね。そのへん、ダンさんは安心です。」

崩れないんだよね。と笑う隆生さんと、それを聞いて照れ笑いするダンさん。
終始、淡々とお話されていたダンさんですが、サラッと言うけど凄いことだよね、と感じるシーンは多々ありました。

たとえばお姉さんに根気強く向き合うこと。「仕事ではできるけど家族には難しい」という人も多いはずです。利害関係じゃないからこそ難しい、感情的になりやすい側面もあると思うんです。だけどダンさんは、サラッとやる。いい意味で仕事とプライベートの垣根なく、学びを人生に活かせる人なんだなと感じました。だから利用者さんに「家族と思っていますよ」と伝えた台詞も、きっと本心なんだろうなと。

そして取材中、ずっと「ダンさん」「ダンさん」の響きがいいなぁと思っていたのですが、あとで漢字を見てニヤリ。「暖」という漢字がぴったりだなぁと思いました。一文字で「暖」の名に負けず、やさしい笑顔と落ち着きがその場をあたためてくれる、暖炉のような人でした。

●海邦福祉会では、福祉の知識がない方や、未経験の方も随時募集しています!興味のある方はリクルートサイトをご覧ください。


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