【医療療従事者の私のつぶやき】リビング・ウィルについて考えてみる
リビングウィル(LW)耳にしたことはありますか?
「生前に発効される遺書」のことです。
リビングウィルは、「生前意思」という訳され方をします。
衝撃的な書き出しでごめんなさい…。
身近な人の病気や死、いろんな体験から、私自身も含め大切な家族や友達や患者さん、みんなが自分の意思で正常な判断ができる状態で自分のこれからをしっかり考えておくことが大切なのです。
コトバンクより
現行の医療は、救命処置を重視し、患者を少しでも生かし続ける方向に目標が定められている。そのため、医療技術の進歩に伴う生命維持装置の開発などにより、意思疎通すらできない状態となっても生命だけは維持することが可能になった。反面、そのような状態でも生き続けることの意味を問い直す議論も起こり、その人らしい生活(クオリティ・オブ・ライフ)をおくる権利や死ぬ権利、尊厳死、安楽死などについて、多くの議論が重ねられている。
ウィキペディアより
尊厳死とは、人間が人間としての尊厳を保って死に臨むことであり、インフォームド・コンセントのひとつとされる。
インフォームド・コンセントというのは、医師と治療内容を話し合う事です。
尊厳死は、インフォームド・コンセントの1つとされているように、自らがどのような『治療』を受けた上で、死を迎えるかという考え方です。痛みを緩和するために生命を絶つのではなく、延命や救命に対する自らの考えを治療に反映させ、その上で自分らしい死を選ぶという事です。
延命なのか?
救命なのか?
ひとつの医療行為に対して、それが救命なのか延命なのかを決めることは、医療に近いはずの私達でさえ難しいと感じます。医療従事者にとってそうであるとしたらなおさら、病気を持つ患者さんや家族にとってのイメージは、より幅広く個々大きく異なっているのかもしれません。
医学の進歩によって、劇的な延命が可能になりました。人工呼吸器を使えば、自分で呼吸ができない人にも酸素を供給できます。胃に穴をあける胃瘻を装着すれば、食事ができない人にも栄養を与え続けることができます。
本人に意識がなくても、たとえ本人が家族に負担をかけたくないと願っていたとしても、伝える事ができなければ、一度取り付けた人工呼吸器を外すことは容易ではありません。
自分の意識があるうちに、『自分の最後を思う』事こそが、リビングウィルです。
リビングウィルは、最期まで自分らしい意思を尊重した治療を行うためのツールです。
そのためにはまず
人工呼吸器って?
胃瘻って?
高カロリー輸液・・・
聞きなれない言葉があふれている中で、専門家の説明を聞いたり、家族や大切な人達と相談して考えていく時間が必要なのかもしれません。
人工呼吸器の装着はどうするか?
心臓が止まった時に、心臓マッサージはどうするか?
胃瘻を作って栄養を送るような治療をうけたいか?
高カロリー輸液による栄養補給は受けたいか? など
このような質問にひとつひとつ回答して、自分らしい最後を迎えるための『治療』を決定していきます。意思表示ができなくなった時に、自分がどのような治療を受けたいのかを事前に意思表示しておく手段がリビングウィルなのです。リビングウィルは状況や気持ちの変化によって、いくらでも書き直せます。
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)
もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?
これは、世界を変えたスティーブジョブズの名言です。
自分の最後を見つめるという事は、自分の『今』を輝かせる方法の1つです。リビングウィルがくれるものは『自分らしい死』だけではないと思います。自分の人生を光り輝くものにし、自分らしく最後まで『生きる』ために、自分らしい人生にもつながると改めて今日を振り返りました。
YouTubeで介護職に必要な知識を発信中
カイゴノチシキでは介護職に役立つ情報をたくさん発信しています。
介護の現場で働いている方も!
これから介護業界に入っていきたいという方も⁉
ぜひぜひチャンネル登録をお願いいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?