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ウィズ・コロナの時代の建築・都市・ランドスケープのオンライン勉強法


こんにちは。
私はメルボルン大学に通っており、メルボルンでロックダウンをしています。3週間家にこもりっぱなしですが、少し時間ができたのでnoteやtwitterを始めて色々な人と交流したり、世界中の様々な場所から配信される動画を見たり、日本にいる友達と久しぶりにオンライン飲み会をしたりと、世界が狭くなるどころか逆に広くなったなという気がしてきました。

特に、建築・都市計画・ランドスケープ・デザイン界隈はYouTubeやZoomを使ったオンラインの講座が開かれたり、様々なオンラインサービスが無料で公開されたり、とオンラインでの勉強は非常に活発になりました。メルボルンに留学している意味を忘れそうです。
せっかくのチャンスですので、建築・都市計画・ランドスケープ・デザイン系のオンラインの講義や、今、無料で公開されているオンラインサービスを整理して紹介しようと思います。

オンラインイベント

The Landscapists Seminars 
毎日、17時頃(日本時間)
University of GreenwichのEd Wall氏が主催している、20分程度のカジュアルな講義。毎回、ゲストが来ています。学生や若手ランドスケープアーキテクト向けの話をしてくれます。Zoomによるライブ配信なので時間をチェックして参加してください。


コロナの時期の過ごし方を面白がる建築学生ラジオ
毎日、朝9時15分から
東京理科大学西田司研究室が毎日配信しているZoomを使ったラジオです。毎朝だいたい15~20分程度の配信で、毎回、建築家の方が登場して対談形式でお話されています。明日23日は藤村龍至さんが登場する予定だそうです。

過去の配信もYouTubeで発信されているようです。

ひきこもる都市<世界中の建築家をつないで>
ほぼ毎週、土曜 or 日曜の夜
都市のリサーチ、トークイベントを行ってきたsceneがほぼ毎週、土曜か日曜かに世界中の建築家を繋いだトークイベントを行っています。
前回は4月26日20時から「オフィス」というテーマで。働き方が変わってきた今、建築も変化していきそうですね。週末に近づいたらリンク先のページ確認してみてください。いつも金曜とかに更新されています笑

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空き家と人の関係をデザインする ビジネス編
5月11日(月)19:00〜21:00  有料
NPO法人グリーンズとLIFULL 地方創生が主催する、紀の川市の空き家の利活用に関するイベント。空き家持ち主・使いたい人に向けてビジネス視点のお話をされるそうです。空き家活用に特化した地域おこし協力隊員も募集中とのことでそのお話もあるかもしれませんね。

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建築・都市をつくるデジタル技術のいま:2020年代に向けて
5月16日(土)13:50~16:40
都市環境デザイン会議が主催するイベント。デジタル技術の建築分野・都市計画分野での利用について、3人の実務者の方による講演があるそうです。ある設計事務所ではペンタブをよく使うと聞いたことがありますが、これらの技術で働き方も作品も大きく変わると思います。興味深い。

市民社会は巨大建築を作れるかー国会議事堂から新国立競技場へー
5月23日(土)19:30 - 21:30 有料
建築系の博士学生2名が主催するイベント。国会議事堂や新国立競技場などの巨大建築をめぐるコンペをテーマに、どうすれば社会のなかに市民の集まる「場所」を形成できるかについて考え語るイベントとのことです。もともとは市民講座のイベントだったとのことなので、建築の知識が無くても参加しやすいかもしれないですね。

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パークコンテンツ研究会2020年度 第1回ゲストウェビナー
5月20日(水)8:30-10:30 無料
パークコンテンツ研究会が主催しているイベント。今回は「ニューヨーク市の公園政策」というテーマで、ニューヨーク市公園局の島田智里氏が話されるそうです。PCにとてもよく似ていますが、公園もただ遊具や広場があるだけではなかなか誰も使ってくれなくて(ハードウェアだけがある状態)、ボランティア活動やイベントといったアクティブティを運営すると初めて人が集まって使われはじめます(アプリケーション等が充実した状態)。ニューヨークではどうそれが運営されているのかというお話が聞けると思います。楽しみです。

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過去の講義・イベントのアーカイブ

The University of Shefield Online Lecture Series
イギリスのThe University of Shefieldが無料で公開しているランドスケープに関する講義です。1時間程度の講義が12本も公開されています。今、世界で最も力のある中国人ランドスケープアーキテクトKongjian Yu氏もまるまる1時間、話をされているので、チェックすると良いと思います。

LET'S TALK! DESIGN MEETS DISEASES ACROSS GEOGRAPHIES
2020年4月23日に開催されたBoston Society for Architectureが主催する無料の建築家・デザイナーによるトークイベントがYouTube場で配信されています。様々な地域においてデザインはどう疫病に対応していくべきかについてハーバードの教授や実務者の議論が聞けます。

美術・建築・ランドスケープ オンライン学習サイト

SKILLSHARE
Skillshareは海外で有名な、アート・デザイン系の動画講義を配信しているサイトです。写真・映像編集・アート・グラフィックデザイン・建築・ランドスケープについての講義が2万5千本以上にあります。手描きスケッチを上手くなりたい、Photoshopを使ったレンダリングを上達したい、など表現スキル向上が目的の人にとてもおすすめです。
例えば、「Architecture」と調べると、

スクリーンショット 2020-04-17 午前10.51.48

といった講義が出てきました。
英語の動画が多いですが、絵を描いたり、パソコンの画面を見せながら解説してくれるので、英語が苦手でももついていけます。
通常は無料体験期間が2週間ですが、コチラからは無料体験期間が2ヶ月に延長されます。

COURSERA
Courseraは様々な有名大学のオンライン講義が聴けるサイトです。無料で公開されているものもありました。(University of PennsylvaniaのEnglish for Career Developmentが無料でした!これはお得だと思います。)
コースを選ぶとその中にテストや講義動画などのコンテンツが入っております。また、こちらのサイトが面白いのは有料会員になり、コースを修了すると、修了証がもらえるというところです。つまり、オンラインで大学の単位が取得できるということです。これからの大学はこういう形式にどんどん移っていくのかもしれませんね。
またSkillshareはスキル向上に良いですが、こちらは理論の学習等に良いように思います。

MOMA (モダンアートの講座)
ニューヨークのMuseum of Modern Art (MoMA)がモダンアートのオンライン講義を公開しています。モダンアートとは何か、写真の見方、モダンアートとファッション、アートの教え方、といった講義が公開されています。
建築・ランドスケープとは直接的には関係しませんが、感性を高めるという意味で見てみると良いかもしれません。

建築・ランドスケープ系のYouTubeチャンネル

YouTubeのチャンネルでも建築やランドスケープ、デザインに関するチャンネルが増えてきました。IllustratorやPhotoshopのチュートリアル動画など非常にためになるものが多いです。以下、おすすめのチャンネルをご紹介します。

・建築知識に関するYouTubeチャンネル

「ぼくは巨匠になりたい」はフリーランスの建築家として活動されているしばたまるさんのチャンネルです。大学の建築学科の授業内容についてや、建築家との対談など、空間デザインをやっている者として参考になるものが多かったです。彼のブログにはもっと詳しい内容が書かれていたのでブログもチェックされると良いと思います。

「Llyan Austria」さんはフィリピン人の建築家で、建築学生に役立つちょっとした知識やノウハウを紹介しています。話し方や動画の撮り方がとても面白く、英語が苦手でも無理なく見れると思います。特に「Architecture Student Hacks」では製図が早くなるちょっとした工夫を紹介されていて、おすすめです。

「30×40 Design Workshop」はEric Reinholdt氏がコンセプトの作り方や、建築のドローイングのコツ、模型を作る意義や作り方について話をされています。実際のプロジェクトを見せながら話をしてくれているので、プロの建築家がどうやってプロジェクトを進めていくのかがよく分かります。


・建築表現(レンダリング)に関するYouTubeチャンネル
「Show It Better」、「OU Graphics」、「Sinh Tutorials」「Surviving Architecture」は建築系のレンダリングのノウハウを紹介しているチャンネルです。「BIGのダイアグラムのようなレンダリングの仕方」など素晴らしいグラフィックスの作り方を丁寧に紹介しています。
「Surviving Architecture」は建築やランドスケープのコツ等についても紹介しています。


・ランドスケープ(レンダリング)に関するYouTubeチャンネル

「LAND SPACE ARCHITECTURE」はランドスケープ系のレンダリングのプロセスを紹介しています。コラージュの作り方やPhotoshopだけを使ったレンダリングの方法など、とても参考になりました。


期間限定で無料公開されているオンラインサービス


新建築データ
雑誌『新建築』に掲載された2万以上の建築プロジェクトの情報がアーカイブされ、5月14日まで無料で公開されています。建築家や施工者、構造形式あるいは、「まちづくり」などの柔らかいキーワードでプロジェクトを検索することができます。ランドスケープ系の作品も多数出てきたので、今後の活動に非常に役に立ちそうです。まだベータ版のため、6月1日までは細かな情報は出てきませんが、関連事例をたくさん探すのには十分です。早速、登録してみてください。

Audible
Amazonが運営しているAudibleでは1冊の本が無料で聴くことができます。どうしてもこれまで本を読む時間を取ることが難しかったですが、Audibleを使えば製図やレンダリング作成したり、料理したり、といった単純作業をしながら本を読むことができるのでとてもオススメです。建築系の本は少ないですが、デザイン・ビジネス系の本がたくさんあったので、それらの本を読んでいます。これで1~2日で1冊読むこともできそう。

Adobe Creative Cloud
現在、AdobeはCreative Cloudのユーザーに対して2ヶ月間の更新猶予期間を与えています。これは既にユーザーの方が「解約する」というボタンを選択すると2ヶ月分の無料特典が提示されるようですので、まずはAdobeを利用しないといけませんが、コンプリートプランだと1万円ほどお得にAdobeが使えます。また、教育機関に所属する教員、学生であれば5月31日までAdobe CCが無料で使えるようです。AdobeはIllustratorの基本的な使い方等についてのサポート動画も公開しているので、Adobeを練習する良いタイミングです。


オンラインコミュニティ

現在、「ランドスケープアーキテクチャを学びたい人たちの井戸端会議」というオンラインコミュニティを運営中です。
ランドスケープの勉強法や大学選び、留学について相談したり、 設計課題についてアドバイスをしあったりしています。現在、日本の学生はもちろん、日本、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、南アフリカからデザイナーの方が参加しています。近いうちに、Zoomでオンライントークとか出来たら面白いかもしれないですね。

サークルトップlight

まとめ

以上、ウィズコロナに家に閉じこもることで逆に開けてきたランドスケープの勉強の仕方でした。ぜひ様々なオンラインツール、活用してみてください。

建築・都市計画・ランドスケープの学生、社会人の方、またデザイン未経験の方に向けたランドスケープに関する記事を書いており、それらの記事をマガジンにまとめてnote本を作成しております。
ランドスケープとは何かという基礎的な内容や、海外留学についてなどを書いておりますので、どうぞ目次を手にとって見てください。
記事をまとめたマガジンは既に含まれている有料記事1本分の値段、100円で販売しておりお得になっております。こちらもご購入を検討して頂けると幸いです。よろしくお願いします。


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