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【まんが少年日々記】12話 くじびきやーの三角アメのクジ【コラム】

「なかん屋ーのおば〜」。
いつも通う駄菓子屋のおばさんを親しみを込め、
そう呼んでいた。

そうそう、ハーシーの板チョコレートをただで貰い、
有頂天だった記憶があり、なかなか消えずにまだ残っているな〜。

なに「他にも駄菓子屋はなかったのか」ってか
無いことはないが、町内ではなかん屋ーが、近場だったのよ。
文房具販売もしていて、急な入り用のときは、とても重宝だった。

おしまい。


なに「なんだよ〜、短いぞー」ってか
たまには、短いコラムもいいかな〜と思ったのよ。
なに「はかない人生のようで嫌だ」ってか
のたまうね〜。

暑い日は、買わないアイスを物色しながら、アイスボックスの横開きの戸を、右に左に開いてはヒンヤリ感に涼んでいたら、逃げる冷気にやきもきしたおばーに、急に大声で叱咤されたな〜。

なに「クーラーはないのか」ってか
当時、クーラーなんぞある家は皆無。

なかん屋ーは、戸が全部開け放たれた店だった。
駄菓子売り場の奥では扇風機が回っていたが、風がぬるい。
おばーは、いつも外をながめながら店番にちんまり座っていた。
 
久しぶりの帰省の折、なかん屋ーのあった場所を通ったが、過去の風情は吹き飛んで、リツパな真新しい住宅が並びあっていた。

左右に視線をめぐらせる、中年の大人になった私。

島ぞうりに半ズボンとスプリングを着た少年が、暑さに目を細めて坂道をこちらへ歩いてくる。
よく見ると、当時の小学生の私だった。




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次の更新は 13話の標準語版 です。

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