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【まんが少年日々記】47話 映画館横のすーじーぐゎにじんぬするーとひとくるさーのあしばーた~【コラム】

不良は陰翳礼賛なのかほの暗い場所にたむろする。
当時、石垣島ではテレビ放映はNHKだけ。
で、夕方の子供番組はかぶりつきで楽しみだった。
そう、島の子供たちは創造的で創作物に飢えていた。
ですから、怪獣やアニメの映画ときた日にゃ熱狂的思いで勉強どころでない。

なに「どうせ学習意欲もないくせに何が勉強だ」ってか。
学校の学習だけが勉強ではないのよ。人生ってのが学びなのよ。
怪獣やアニメの映画も然り。

当時、年に何回か上映するゴジラやガメラシリーズ『大怪獣決戦』や『東映アニメ祭り』があった。
が、この怪獣やアニメの映画上映は楽しみ反面、気が滅入った。
なんせ映画館横のすーじーぐわー(路地)に不良中学生が、カツアゲをしようとたむろしている。
この当時、カツアゲ、ケンカ、万引きなどなど日常茶飯事。
教員やPTAもてをやいていた時代だ。
ま、教員や親の体罰当たり前のご時世。今じゃあ信じられない。
話を戻す。で、映画上映の今日も聞こえてくる。
「跳んでみろ!」「跳べ!」「跳べとあんきてるだろうが(跳べと言っているだろうが)」
など、不良中学生たちが少年のポケット銭を狙ってのたまう恐喝のセリフ。

なに「チャップリン映画のような恐喝だな〜」ってか。
サイフをもたない子どもに、このセリフは絶大な効果なのよ。

たて跳びをすると、1セント玉や5セント玉の弾く音がポケットからする。
不良のにやつく顔でさし出す手のひらは、これから始まる映画上映がもはやエンドマーク押しつけ。
憔悴のため息と泣き面で、映画館の看板とポスターに涙目の熱い視線をのこし帰路。
嗚呼〜、無力な私…、ふらー(ばかー)、文無しの遠吼えだ。
毎年、今年も絶対に居るという思いも、映画を見るという興奮ですっかり対策無しの裸銭状態。
期待と興奮で、映画館へ向うと案の定だ。

「跳んでみろ!」 ほの暗い場所で、不良中学生の声。
 
明るい平坦な気分が、暗い急勾配へ変わる瞬間だ。
悪魔の囁きとは人類でいえば不良の囀りだ。

なに「大袈裟な物言いいだな〜」ってか。
そうね、たいそうな発言だけど少年にはそれくらい重大事さ〜、わかって。

なんだか気分重くなってきた。
今回は、これまで。またのお越しを願いましょうね。拝




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次の更新は 48話の標準語版 です。

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