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【まんが少年日々記】69話 ひーさん日はタイツ【コラム】

海風が強く吹き北風と合体で寒さが2倍。

そんな日がつづくと流石に子供は風の子と言ってられない。
寒いのなんのって、鼻水とそれをすすり上げる子ども続出。
で、母ちゃんが世間で流行っていると買ってきた。
「こんなのが大和の子供は履いてるってよー」
と、手に持ったタイツを三兄弟の前に置いた。

このタイツって、いっとき島の子供らに流行っていた。

なに「南国なのに。しかも男の子がタイツ」ってか。
ほらほら、また区別意識と差別意識ないまぜのいやみだ。
沖縄の2月は冷えるのよ。了解してくださいね。

しかし、乾燥肌の三兄弟は痒くて閉口したな〜。

外で遊ぶ時も風邪ひかないようにタイツ履かされた。
が、埋立地辺りに並べ置かれた下水用のバカでかい土管に隠れて脱ぐ。
しばらくタイツ無しで遊んでいると、両手両足が冷えてくる。
足を手のひらや爪で引っ掻くとあ〜ら不思議。
粉をふいた両足がタイツを履いている様になった。

なに「ちゃんとクリーム塗りなよ」ってか。
当時、クリームといえばニベヤクリームだった。が、嫌だったな〜
塗った後もしばらく匂うのがとても苦手だった。

帰宅後、一目散に洗濯用カゴへダッシュ。タイツを投げ入れ何くわぬ顔。
夕食前のいっとき、寝転がってマンガに夢中の三兄弟。
母ちゃんがそばに来ているのも知らずに安寧の心地良いマンガ読書。

家箒片手に片手は粉を吹いた足へ向けてののしる。

「やなじんぶんのふらーなかは」
(下手な考えをするボンクラたちは)
「風邪ひいたら山川医院で注射だからなー」

と、したたか罵倒して台所で去って行く母ちゃんであった。
箒の折檻が無いのが救いで、三兄弟はホッと胸を撫で下ろす。

当時、病院の看護婦さんはお尻へ注射当たりまえ。
すっごく痛い。力が抜けていくような感覚の注射は恐怖だった。
不思議なポラシーボ的観念なのか、注射一本打てばたいがいが治る。
現代では、医療状態も当時と違う。注射は極力避ける昨今である。
痛い思いをしなくて羨ましいね〜。

現在、還暦過ぎて寒さに耐えきれずスパッツのような袴下を購入。
うっかり足へのクリーム塗りをおこたるとこの袴下は容赦ない。
乾燥肌を痒い痒いの痒い攻撃をこれでも我慢する〜。と、責めさいなんでくる。
耐え難きを耐えきれず、へろへろの底になり風呂場で両足をお湯で湿らせてクリームを塗る。
そして痒い痒いSM状態を脱し、ひと心地ついたじじーは安寧を得るのであった。

なに「よる年並になっても自身の肌をわからないのか」ってか。
そうね。肌は素直で敏感な反応をする。ルーズな私がいけないのよ。
ねー、年寄りを追求しないでくれない。たまさか褒めるとかないのかね〜。

あ、じじー的話題に移行しようとする文体だ。
ではではこの辺りで、失礼しようかな。

読書に感謝。拝




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次の更新は 70話の標準語版 です。
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