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【まんが少年日々記】37話 マンボーくじはスカしかねーらんどーひゃ~【コラム】

一番好きだったマンボーというくじびき駄菓子。

ハッカがビニールのチュウブに入っている。
当たりが長くて、スカはとてもチビて短いにもほどがある。
で、むらむらっとちょくちょく勝負、勝負!
ふ〜、駄菓子屋で溜め息をもらすことたびたびだ。
くじびきのくじが入った小さな箱から、念を込めてくじを拾う。
たいがいが、「はずれ」「スカ」だ。なぜ!
「はずれ」や「スカ」文字が目につくちいさな紙が、店の前に捨てられ、踏まれ、道路に張り付き、負け勝負の寂しい気分へ拍車をかけた。
なぜか、くじ運がなかったな〜。

なに「いいかげんに、くじや勝負事あきらめなさい」ってか。
子供は欲望の塊なのよ。ちょっとした冒険さ〜、わかって。

マンボーの中身のハッカを食べ尽くし、残り香の付いたポリエステルのビニールを
日がなくちゃくちゃと噛んでいた。
何かが口の中にないと、お腹が空くのが早いような気がしていた。
ま、当時は日々飢えていたような気がする。
で、大量に何か食べたい気持ちにほだされていた。
駄菓子で、今日もデカイやつをゲットだぜ!の意気込みで勝負、勝負。
ふ〜、「はずれ」また「はずれ」あるいは「スカ」って何事だ!
憤まんやる方なしってこの事ぞ的な思い出だな〜。
全くもってくじ運てえのがなかったな〜。

なかん屋のおばさんは、ときどきチョコや菓子をくれた。
なにかの拍子に感情がそうしなければならないという事なのか…。
そんな行為をする大人を不思議だな〜と思っていた。
で、自分が大人になり、不思議な行為を思い出して気づく。
当時の児童は皆、たいがいが「欠食児童」だったってことなんだよ。
なかん屋のおばさんは、哀れに思う感情がたかぶったんだね。
「お腹を満たしてね」と、口にださずともあげる行為にでたのだ。
今更ながら「ありがとう」「おばーありがとうね〜」「うれしかったよー」
あ、いかんいかん駄菓子の話が、なにやら人情話しへ変貌だ…。
 
ここらでおひらきにしましょうかね。

おしまい。

なに「お前はいつも感心してるとバサっと切る」ってか。
いつも憎まれ口叩くが案外人情噺が好きなのね。

格言 駄菓子屋は諭す教訓の場。




【標準語版】は こちら
【方言・スラング版】は こちら

次の更新は 37話の標準語版 です。

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