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【まんが少年日々記】53話 ちんだんふうやー【コラム】

踏ん張って手元を睨み合う。
妙な対決格好だが勝負の始まりは決まってそうだった。

殻のトンガリとトンガリを擦り合わせ、先にトンガリが砕けたら負けだ。
いたって簡単明瞭な対戦型遊びだった。
が、勝敗に固執していた。ガチンコ、粉砕、爽快、勝利に態度L!あははは。

この遊びのたいはんが、割れにくい殻を探すことに費やされた。
花壇や石垣脇のチンダン(かたつむり)は、大抵が貧弱な薄い殻だった。
丈夫な殻はなぜか、岩がむき出しで荒れた場所に多かった。
ハブやサソリにムカデが多く徘徊する危険地帯真っ只中で、度胸千両で生きた証なのか流石にチュウーバーチンダン(強いかたつむり)の殻が多かった。
で、収集する側もドキドキの爆々感満載でトレジャーハンターのごとき様相。

なに「怖くないのか」ってか。
怖い、危ない、やるな、行くな!
など、間逆をするのが少年の性分だ。
諸君、否定語は注意して少年たちへ浴びせよう。

何事も気分は「注意すればいいさー」で、怖いもの無し。
危険という言葉は遊びの中には皆無状態。
「遊んで楽しかった」で充たす少年時代。

皆さんも大なり小なり覚えがあるでしょう。

カタツムリの思い出は食した記憶もある。
幼年の頃は虚弱体質で両親や周囲の大人たちに心配されていた。
で、漢方薬さながらに、体に良いとなればあれやこれやと食させられた。
祖母が畑のカタツムリを竹籠にたんまりと取ってきては鍋で煮た。
何回も煮て、お汁にして食卓に出された。

なに「味はどうなんだ」ってか。
まあ、食べれた。

なに「味はどうだと、聞いてるの」ってか。
何十年前の記憶は定かでない。

なに「遊び懐古も、うん十年じゃないの」ってか。
要するに、記憶に無いの。幼年だ。
追求は勘弁してけれ〜。

唱歌『かたつむりの歌』
♪つのだせ、やりだせ、めだまだせ♪
歌詞が中二病的に良いねー。

おしまい。

なに「無理くりに文章の終着かい」ってか。
そうなのよ。焦りを分かって。

では、また。




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次の更新は 54話の標準語版 です。

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