【魁!!PX塾】 『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』 メモ
先日、採用の基礎の基礎を学ぼうということで、
『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』を読みました。
その備忘録メモを置いておきます。
文字文字しくなってしまいましたが、参考になれば!
〜採用全体について〜
Q:なぜ採用するのか?
①会社を成長させるため
例)事業拡大、新規事業
②会社の現状を維持させるため
例)離職の補充、定年退職の新陳代謝
日本の企業は、人材の育成を大前提に採用をしている=定着も重要
欧米の企業は、「能力ありき」のポジション別、プロジェクト別採用
Q:どのように人材要件の設定するのか?
4つのカテゴリから人材要件を整える
①「必須要件」:働く上で欠かせない要素
②「優秀要件」:あるとより良い要素。入社時に必須ではない。
③「ネガティブ要件」:ない方が望ましい(自社に不適合な人が持つ)要素
④「不問要件」:自社では問わない要素。一般的には必要と言われている
Q:人材要件の決め方は?
①ハイパフォーマーの特徴から要件を考える
質問例)「日頃何を重視して働いているのか?」「いまの能力は入社後見についたのか?元々なのか?」
本人の「語り」と実際の「振る舞い」を突き合わせる
②事業から要件を考える
ビジネスプロセスの分解→自社の強み(=儲けの仕組み)を考える
「他社との競争に勝つために必要な能力」を導くことができる
※注意事項=「言葉の定義」に注意して、共通の認識を持って、言語を合わせることが大切
Q:採用担当が身につけるべき「採用力」とは何か?
採用の理想状態とは・・・
・企業にとって「人材要件に適った人材が必要人数採用できている状態」
・求職者にとって「自身の成長や活躍は果たせる企業に入社できている状態」
採用力とは・・・
採用の理想状態を達成するために、採用活動の各フェーズを設計し、実行する基となる適切な考え方
採用力の本質的かつ基礎的な知識
①「採用の語彙」:採用に関する言葉を豊富に持っていること
②「労働市場の動向」:求職者の心理を理解していること
③「見極める」:候補者を適切に評価・選抜すること
④「惹きつける」:動機付けの働きかけ
⑤「企業最適」:自社にとって望ましい採用を考えること
⑥「社会最適」:適切な考えに基づいて:社会全体にとって望まし採用を考えること
〜求職者を集める〜
Q:採用サイトの作り方は?
ポイント:採用サイトの目的を明確にする
-動機付けのためなのか?エントリーを促すためなのか?
最も効果的なのは「会社説明会へ参加してみたいと思ってもらう」
学生はより重要な情報は説明会に参加して、その企業の社員を触れ合うことで収集しようとしているため、社員との接触が図れる機会に学生を呼び込む
-重要度の高いコンテンツに絞り、それ以外のコンテンツは記載しない
ダメな例:福利厚生や、先輩社員の声、社員の1日など、企業が伝えたいことを全て載せてしまうこと
学生は見ていない。新聞の気になるタイトルの記事を見つけたら流し読みするように、採用HPも見ている
採用HPを見るのは、就職活動の初期段階。有名な企業の採用HPは丁寧に読まれるが、そうではない企業はそれほど読み込まれない
工数はコストをかけて、コンテンツを盛り沢山にしても良い費用対効果は得られない
上手く採用HPを活用している例
A社:「当社の説明会に来れば、当社への理解が深まるだけでなく、就職活動に広く生きる知識が得られる」と伝える
B社:説明会に参加する予定の社員のプロフィール(所有スキル、所属部署、どんな働き方か、など)を記載
Q:説明会では何を伝えればいい?
ポイント:「求職者と社員がコミュニケーションを取れる場にする」
-学生はプレゼンテーションを聞きたいわけではなく、現場社員の話を聞きたがっている
「人」をみて社風を理解しようしている=社員同士の会話や、社員のたたずまいを”観察”している
自社を良く見せようとするプレゼンテーションはリアリティショックを生むリスクがある
リアリティショック=過大な期待を持って入社した際、入社後の現場を知って、理想とのギャップに精神的なショックを受けてしまう。
プレゼンだけに重視してしまうと、早期離職に繋がる
ダメな例:プレゼンテーションのスキル向上を重視しすぎてしまう
上手くいっている例
A社:職場見学や社員交流会をメインにした設計。採用担当は基本的な採用情報(選考案内や選考フローなど)のみを伝える
B社:企業説明をしない企業説明会を行っている。大目的が、自社に適合する可能性が高い学生に本気で応募してもらうことのため、説明よりも社員との交流重視に。
Q:エントリーはたくさん来れば良いのか?
大前提:エントリー数は採用成功のバロメーターではない
現状:採用担当の40%以上が「エントリーを有効に集める方法」について悩んでいる
なぜ?
①たくさん集めた方が、自社に合う人材が候補者群にい多く含まれる可能性があるから
②安心感があるから
エントリーがたくさんくるとどうなるか?
→たくさん集めてたくさん落とす場合、求職者1人あたりの接触時間が短くなるエントリーが増える分、たくさん選考をする必要があるため、効率化が必要になる→テンプレの送信や、連絡ツールの導入を行う
求職者側の視点:接触時間が短いと、企業に対する理解が深まらず、「この会社に入りたい」という気持ちも醸成されない
企業側の『さばく』ような対応を見る→「尊重されていない」「ぞんざいに扱われている」と感じる→企業に対する志望度が下がる
より多くのエントリーを集めようとした場合、採用の効率化によって、求職者の志望度を下げるリスクに繋がる
→ポイント:本当に来て欲しい求職者に”選んでもらう”=必須要件を持つ人以外に、いかに「遠慮してもらうか?」を考える
手法:エントリーに際して、求職者サイドの負荷を上げる
A社:事前に、「業界の未来についてしつこく聞きます」と伝えておく
B社:説明会の時間を長くする
C社:ネガティブな面(残業など)も求職者に伝える
Q:エントリーシートの提出は必須か?
エントリーシートでしかできないことなのか?という観点から、エントリーシートの廃止を検討し、その時間を学生のフォローや、面談者の育成、企業情報の提供に時間を割いた方が結果良い人材の確保に繋がりやすい
エントリーシートのメリット
①求職者の合否判定に使える
大手企業のように、エントリーが大量に来る場合、スクリーニングを行い、採用業務の効率化に繋がる
②面接に使える
会話の素材に使え、コミュニケーションの活性化に有効
エントリーシートのデメリット
①採用担当の工数が膨大にかかる
期間内にすべて読むことが難しく、流し読みや外部に外注する企業も存在する
②求職者の動機付けにもマイナス
エントリーシートの提出を課す理由や運用する意図が曖昧だと、求職者に疑念を与えて、入社意欲を下げる原因となりかねない
企業側に合理性の欠く行動が見られると、企業を選びにくくなる
求職者側の視点:就活の後半になると、選考方法を気にするようになる
例)「あの質問の意図はなんだったのか?」「エントリーシートは何のためにあったのか?」
エントリーシート廃止のメリット
①企業側の労力を確実に減らせる
②求職者側の労力を減らし、採用プロセスに参加しやすくなる
③企業情報の収集に時間を割くことができる
Q:良い面だけでなく、悪い面の含めて会社の現実をどう伝えるか?
考え方:RJP=Realistic Job Preview(現実的な仕事情報の事前開示)
①入社後のリアリティーショックを減らし、離職率を下げる
②企業イメージの向上:求職者側が「オープンな会社だ」と魅力を感じる
ネガティブな情報を伝えるときのタイミング
選考の「初期」に伝える=質の高い母集団形成に有効
-リスク:求職者が選考を離脱する可能性がある
-メリット:「それでも受けに来ようとする層」に母集団を絞ることができる
選考の「中期以降」に伝える=必ず納得のいく合理的な理由を説明すれば、動機形成に繋がる
-リスク:初期に良い面しか伝えてこなかった場合、驚きや不安が生まれやすく、内定辞退や選考辞退に繋がる
-メリット:求職者1人あたりの接触時間を長くし、時間をかけてネガティブ側面について説明ができる
〜応募者を見極める〜
Q:面接官の選び方は?
面接官を頼みやすい人にのみしているデメリット
①面接官候補が少ないと、通常業務との兼ね合いで面接スケジュールが組めなくなり、選考が遅れる可能性がある
②優秀かつ、候補者の希望に沿った選考官に協力してもらうことができないと、志望度を高めてもらう機会を作れず、人材を逃してしまう
③新入社員に対する定着支援に当事者意識/責任感が生まれない
面接官の候補者を増やし、応募者のニーズによって様々な面接官を選べる状態を作る
方法①:普段から「採用は企業の維持と発展に欠かせない」ということを発信し続ける
方法②:現場ヒアリングを通じて、「面接官をお願いした時に引き受けてくれる」人を増やす
応募者のニーズの発見方法
「就職・転職活動で何を重視しているか?」
「面接でどんな話をしたいと思っているか?」
「面接官からどんな話を聞きたいと思っているか?」
Q:面接時の先入観との向き合い方は?
自分の持ちやすい先入観を知ることが第一ステップ
面接前の対策
①面接官同士のコミュニケーションを活用
接後に面接官同士で振り返りを行い、各々がもつ先入観の理解に努める
その結果を、面接シートにメモしておく
②先入観を形成するような情報を面接前に見ない
学歴や専攻(文系/理系)など
③必要な人材を意識させる
人材要件の言葉の定義をより詳細に行う
Q:面接シートの作り方は?
ダメな面接シートの例
面接シートの目的=候補者の「見極め」に使う
①会話の流れを意識してシートを作成する
②面接シートの作成意図を使い手に伝える
面接の目的=「見極め」と「動機形成」
「見極め」=応募者の能力・自社への適性を見極める=冷静で客観的な判断が必要
「動機形成」=自社への入社意欲を高める=応募者を引きつける感情的な揺さぶりが必要
Q:志望動機は必要?
必要だが、採用担当と応募者が一緒に作るもの=「この会社が自分と合っている」というストーリーを一緒に作る
「私は○○○だ」「A社は△△だ」「だから、「私はA社と合っている」という流れ
ストーリーの作り方
機会:評価をしない
対応者:面接をしない人
聞くこと:「どんな基準で企業を選んでいるか?」=応募者の価値観や特性が反映されやすい
注意点
①「現実に即したもの」にする
-事実を踏まえた企業の実態をつたえる
②将来の「働き方をイメージできるもの」にする
-入社後の働き方のイメージやスキルアップのビジョンが描きやすいように伝える
③「変わりにくいもの」で構成する
^「変わりやすいもの」だと、入社後に状況が変わり、応募者と企業のミスマッチに転嫁しやすい
Q:「コミュニケーション能力」はどう見極める?
前提、コミュニケーション能力は面接時の評価に含めるべきではない
理由:
①面接官によって、コミュニケーション能力の定義が異なるから
②コミュニケーション能力は入社後も育成できるから
③コミュニケーション能力よりも、重視して見極めるべき項目があるから
例)「知的能力」「概念的思考力」「活動エネルギー量」「粘り強さ」=変わりにくいもの=育成しにくいもの
成功事例
A社:コミュニケーション能力を「初対面の人に明るく振る舞うこと」と定義した上で、「不問要件」に設定した
採用時には、見極める能力を絞る
見極める能力①:入社1〜2年目を生き残るために必要な能力
見極める能力②:入社3年目以降にも必要で、育成が難しい能力
Q:社風に合うかはどのように見極める?
社風に合わない人を採用した際のデメリット=時間・精神なコストがかかる
①応募者の入社後の「適応コスト」がかかる
②企業の「支援コスト」がかかる
社風に合った人を採用した際のメリット
=文化的社会化が円滑に進む
=コストがかからない
応募者は、短期間でかつ少ない情報で社風に合うか判断することは難しい
→社風を言語化して説明することが大切
ステップ①社風を言語化する際の4つの軸
・革新性:新しいことに対して、実験的でリスクを犯すことを厭わない
・安定性:規則が大事で、物事のプロセスを守る
・成果志向:プロセスよりも結果重視
・集団志向:チームで働くことが多く、協調性が大事
ステップ②応募者の言語化
「どんな性格か?」「どんな能力を持っているか?」「自社にどんなことを期待しているか?」
ステップ③応募者が社風に合う(合わない)ことを、理由や内部事情を明確にして伝える
〜内定者フォロー〜
Q:内定者フォローは何をするべきか?
前提、内定者フォローでは志望度は上がらない。
内定者フォローを目的なく闇雲に行ってしまうと、逆に志望度を下げる結果に繋がる
募集・選抜フェーズで「関心度」「志望度」「適応予想度」を高める
「関心度」=会社を知りたいと思う程度
「志望度」=会社に入社したいと思う程度
「適応予想度」=入社後、自分がどのように働くことができるかを想像できる程度
内定者フォローで行うこと
①一緒に志望動機を確認する
②内定者の意思決定に必要な情報を提供する
内定者の意思決定の基準を相互で認識し、意思決定に不足する情報があれば、企業が提供する
意思決定を支援するメリット=入社後の不適応や、早期離職の防止に繋がる
〜自社の採用課題を可視化する〜
アンケートを作成し、選考参加者に回答してもらう。
→課題は採用プロセスの「前」段階から改善を行う
〜自社の採用環境を知る〜
「認知」と「採用リソース」のマトリクスから、企業の採用環境を知る
①の企業・・・
大量候補者群ではなく、自社に合った人の割合が高い候補者群を作る→選抜にかけるコスト削減に繋がる
②の企業・・・
求職者に対して、十分な選抜が行えていない+求職者に対して、詳細な企業情報を伝えきれないまま採用活動を終えてしまう
→①の企業以上に、候補者の質を高める必要がある+意識的に企業の実態を伝える必要がある
③の企業・・・
大手のtoBメーカーに多い。
→積極的に学生と出会える機会を作り、学生に認知してもらう+エントリーシート廃止などで、エントリーのハードルを下げる+選考で志望度を上げる働きかけを行う
④の企業・・・
他社との合同イベントをして、候補者群を協力してつくる。同業界の採用担当との人脈をつくる
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