【UXとは、、、】協力金交付申請における役所手続きのデジタル化問題を考える
こんにちは。中島です。
先日、日本のデジタル化の遅れについて副大臣がこのような発言を。
こんなことは業界の人間からすると何を今更的な話ではあるのですが、中々頭の痛くなる体験をしましたので、今日はそれを書いてみたいと思います。
新型コロナウィルス感染症拡大防止協力金をWebから申請してみたのですが、結構色々ヤバいなぁと。
そもそも「申し込みフォーム」というのはWebサービスの運営者であれば一番気を使うところ(収益に直結する)なのですが、こういった給付金などの申請については基本「離脱することがない」という前提で作っているので、UXが極めて悪いです。
また、役所サイドのUXについても同様で、「XXXまでに完了しなければならない」とか「問い合わせや入力ミスを極限まで減らし、公務員の負荷を下げる」という観点もない(ゼロではないかもしれないが、ないに等しい)ので、申し込みをチェックするのもかなり大変でしょう。お疲れ様です。
情報設計がなってない
さてどの辺りがダメダメなのかと言いますと、まずは情報の分類と設計。
この申請はWebでするのか紙でするのか、法人格なのか個人なのか、業種はなんなのかによって提出するものが異なります。
神奈川県のサイト
これのどこが悪いのかというと、「自分に関係ない情報まで全部読まなければいけない」ところです。上に書いたWeb or 紙、法人 or 個人、業種3パターンで完全にどこかに当てはまる設計で提出書類のパターンは2×2×3で12パターンもあるのです。
これを全項目でさらうのってめっちゃ面倒じゃないですかね?
だとすればどうしたらいいか。こうします。
申し込みフォーム前、必要書類を明記する場所でもこの順番でソートさせる。そうするとXXXXは自分に必要なものしか出てこないので、間違いがかなり減ります。チェックする側も法人担当と個人担当を分けたり出来てチェック項目が減ります。
無駄なパターン
申請の中に入力が必要なものがいくつかあるのですが、これが大変気持ち悪い。
①Webで入力
②Wordに入力(要押印)
③PDFに手書き(要押印)
この場合、②って要りますかね?Wordに入力(しかも方眼紙パターン)したあとプリントアウトして押印、その後郵送。
これって最初からPDFでよくないですかね?字が汚い人がいるからかしら?
僕はてっきりWeb申請でもWordに入力しないといけないとかと思い、わざわざ入力してました。(ここもわかりにくかった)
丁寧すぎるのも良いですが、選択肢を減らしてあげた方がユーザーは助かります。
無意味な画像化
事業の内容がわかるようなもの(チラシやHP)の画像ってHPの画像???どう考えてもリンクの方がよくないですかね?
万が一倒産してウェブサイトにアクセス出来ない場合はその時に考えればよくて、Webサイトのキャプチャってちゃんとやろうとすると結構リテラシー要ります。
デベロッパーツール使える人がどれくらいいるのかと。それでもFlashとかjavaだと画像見えないケースがあります。
ああ、これ、POしてチェックしてるんだろうな、、、って思いますが、ものすごい縦長で字が小さくなるはず。これは無意味だと思いました。
使う人が見えていない
最後にダメだなぁと思ったのが、Web添付ファイルの合計が5MBまでだったこと。
なんといってもユーザーは個人事業主や中小企業のオーナー。スキャナが手元にない人の方が多くて、通帳の写しとか、免許証とかってスマホの写真で撮って送りたいはずです。
しかし、スマホの写真を2枚もアップすると5MBなんかすぐ超えてしまいます。結局、サイズ落とすためになんらかの面倒な作業をしなければいけない。
大変頭が痛いです。
役所の人たちがこんなUX云々のことなんか知ってるわけがなく、それは餅は餅屋なのですが、もうちょっとマシなベンダーつけないとずっと日本のデジタル化は遅れたままになってしまいます。
ぜひB2C経験のあるベンダーさんが役所のシステムを(せめてフロントだけでも)開発してくれるようになることを祈ります。
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中島
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