カレーとトマトと恋/2023.06.03
会社の周りや近所を歩いていると、カレー屋があり、その前を通る。
そのとき、カレーの匂いが鼻孔をくすぐってくる。
カレーが食べたくなるじゃん。
そういえば食料ボックスに、カレールーが1つ残っていた。
今度の土曜日に作ろう。
何カレーにしようかな。
大きくカットされたお肉や野菜がゴロゴロはいったカレーも好きだけど、ひき肉とみじん切りにした野菜がはいったカレーも好きだ。
具が細かいとごはんと一緒に食べやすいから、よくそっちを作っている。
カレーにいれる具は豚ひき肉と玉ネギ。
いっぱいいれたかったけど、持っている鍋がちっちゃいからこれだけ。
あと何いれよう。
そうだ。
トマトソースもいれよう。
カレーにトマトソースをいれることを初めて知ったのは小学生のとき。
夏休みのPTA主催の夏キャンプで、当時想いを寄せていた男の子と奇跡的に同じグループになった。
グループごとにお昼のカレーを作ることになり、あたしと一緒に参加していた父、その男の子と彼のお母さんとカレーを作った。
彼のお母さんが、
「櫂ちゃん、トマト苦手?」
と聞いてきた。
あたしはなんでも食べれたので、平気ですと答えた。
「カレーにトマトソースをいれて大丈夫?」
カレーにトマトソース!?
これにはすごく驚いた。
カレーにいれる野菜は、にんじんとじゃがいもと玉ねぎの3つだと思っていた。
トマト。
しかもトマトソース?
どんな味なんだろう。
完成されたカレーの色はいつも食べているカレーより明るかった。
食べると、ほんのりトマトの味がして美味しかった。
そして好きな子の家のカレーが食べれたことが、すごく嬉しかった。
キャンプから帰ってきて、あたしは母に今度の晩御飯にカレーを作るとき、トマトソースをいれてとお願いした。
しばらくの間、カレーにトマトソースをいれてくれるようになった。
食べるたびに、彼も今日の夕飯はカレーかなと考えていた。
苦手な玉ねぎのみじん切りは半分やったところで限界になり、残りの半分はくし切りにした。
流行に乗り遅れていると思うが、みじん切りが簡単にできる調理グッズを買おうかな。
玉ねぎを切り終えたら、豚ひき肉と玉ねぎを炒める。
火が通ったら、トマトソースとカレーのルーが入った箱に書いてあるレシピにある水の量からトマトソースの量を引いた残りの量の水、コンソメの素をいれて煮込んだ。
レシピに書いてある通りの時間まで煮込んだら、カレーのルーをいれてよく溶かして、とろみが出るまで煮込んで完成。
朝から作ったので、今日の朝ごはんはカレーだ。
どんぶりにもったごはんの上に出来立てのカレーをたっぷりかける。
さらにここに半熟目玉焼きをのせる。
実家にいたとき、夕飯がカレーだった次の日の朝に、余ったカレーをお茶碗によそったごはんの上にかけて、その上に目玉焼きをのっけていた。
ほんのり感じるトマトの酸味。
カレーのルーは中辛だが、トマトで辛さが抑えられている気がする。
もし大きい鍋でカレーを作るなら、じゃがいもやズッキーニ、ピーマン、ナスなどいれて夏野菜カレー作りたいなあ。
でも大きい鍋で作るから、1人で数日間で食べ切れない気がする。
どこかでカレーの炊き出し?
なんて言うんだ。
自分が作ったご飯を提供できる場所ないかな。
ちょっとやってみたい。
半熟目玉焼きの黄身をスプーンで割ると、思いついたアイデアにワクワクが止まらないかのように黄色い黄身が溢れ出た。
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