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同性婚のこと




この写真は、西海岸バークレーの小高いところにある公園からサンフランシスコを望む風景です。

ボクは、アメリカ西海岸のバークレーとサンフランシスコの街が大好きで、毎年訪れていました。

パートナーとふたりで住みたい、という想いが強く、

訪れた時にはなるべくカウンセリングや講座の仕事を現地で入れるようにしてましたし、
パートナーも、バークレーの大好きなオーガニックレストランでインターンをしていました。

バークレーに住みたいと思っていた理由はいくつかあって、

気候が肌にあうことや(実際に訪れると体調がものすごく良くなった)、
食事がとにかく美味しいこと、
とても気が合う、仲の良い友達ができたこと、
街の人がみんな優しかったこと、などなど、
挙げるとキリがないけど、

今思うと、1番の理由は、ゲイにとって住みやすい街だからだったんだなぁ、と思います。

2015年なので今から8年前、
バークレーを初めて訪れたとき、男性同士が手を繋いで歩く姿をたくさん目にしました。
本当に男女のカップルと何1つ変わらぬ空気感で、自然に手を繋いでいて。
街の人にとっても、きっと日常のごくありふれた光景になっているんだろうな、ということが感じられるくらいに、同性カップルが手を繋いでいる様子ごと、その街の風景になっていて。
その様子はゲイカップルであるボクたちにはあまりに衝撃的で、
嘘でしょ…この街ではこれが日常なの…
って、心底驚くと同時に、
この街で暮らせたらどんなにいいだろう…って、その時には思っていたんだと思います。

バークレーで仲良くなったお友達によると、
その方のお子さんが所属するスポーツクラブの子どもたちの親御さんは、半分が同性カップルだったそうで、
そういう話しを聞くたびに、うらやましくて、うらやましくて。
そして、いかに自分が日本で暮らすことを窮屈に感じていたかを気づかされる、というか。
権利が認められている、というのは、こういうことなのか、と。

毎年訪れるたびに、バークレーでの暮らしに憧れが増していき、
どうやったらバークレーに住めるだろうって、想いを巡らせていたら、コロナちゃん到来…!

海外に行けなくなって、
どうしよう…と思っていた矢先、
同じ鎌倉市内でものすごくかわいい家と出会って、
パートナーとその家に移り住み、
思いがけず保護犬2匹とのご縁をいただいて、
この街に当分腰を据えることに決めた、という経緯があります。

幸運にも、
この家の大家さんもご近所さんもみんな優しくて、
今の家も、この街も、本当に住みやすくて、
同性カップルであることを忘れてしまうくらいに。
思いがけず授かった天使愛犬モモとババも、かわいくてかわいくて。マジ天使。

バークレーの街は、今でも何度も何度も思い出すし、
あぁ、いつかまた訪れたいなぁ、
とも思うけど、

今は、鎌倉の、この場所に根をおろして、「普通」に暮らせていることが嬉しいんです。


でも、
ボクたちは本当に幸運だっただけで、

ほとんどの性的マイノリティの方にとって、
この日本はまだまだ住みにくい状況なのだと思う。

親にも言えないし、というか、むしろ言いたくもない、という人も多いだろうし、
異性愛者のふりして生きなければならない性的マイノリティの方も、ものすごーく多いだろうなぁ、と感じます。

でもね、いろいろ考えた末、
同性婚はやっぱり認めてほしい、と思いました。

同性婚を認める、ということは、
あなた達はこの国にいても良い存在です、
日本にいてもいいのです、
周りに公にしても全然大丈夫なんですよ、
ということと、
イコールなんだと、ボクは思うから。



同性婚を認める、認めない、というニュースが最近取り沙汰されてて、

見なきゃいいのにヤフコメを見てしまうあたし…

そこには…

「少数の人のためにそんな時間を割くなら、もっと決めるべき大事なことがある」

っていうコメントが、多数寄せられていて…。
いいね!が多いのも、当事者としては悲しくて。



これは例え話しだけど、

これまで当たり前のように日本人しかいなかった、都会から離れた地域にある学校に、あるとき、金髪で目の蒼い外国人の女の子が転校してきて。

日本人しか見たことなかった子どもたちは、
どう接していいのかわからない戸惑いからその子をいないものとして扱ったり、
ある子どもは「ガイジン!」「金髪は校則違反だろ」だの、いじめ寄りのイジリをしたりして。
「母国へ帰ればいいのに」なんて言葉を投げかける生徒もいて。

見かねた先生が、学級会でその転校生がみんなと馴染めるように一緒に考えよう、と提案しました。

たとえば、
「ガイジン」とその子に向けて言うのは差別にあたるんだよ、とか、
金髪は元々の体質だからいいんだよ、
とか、
そういうことを話し合っていると、

ある生徒が
「この子のためだけにこんな時間をかけるなんてムダだと思いま〜す」
「こんな時間を過ごすなら、試験に向けてもっと勉強した方がいいと思う」
「なんでこの子だけ特別扱いするんですか〜? えこひいきしてる!」
など、口々に言ったとします。

これって、
ボクがヤフコメで見たコメントと同じなんじゃないかなぁ、って思うんです。

そんなの、その転校生が1番わかってるっつーのよ。
自分のためにこんな時間取ってもらわなくていい、って。
でも同時に、
学級会で議題にしてもらえて、心の底では「これでみんなの仲間に入れてもらえるかも」とも思ってるんじゃないかな。

この子のために時間を取るなんてムダ、ってみんなに言われて、
その時にその転校生がどんな顔をしてるか、想像してみてほしいなって、
思うし、

もしボクがそのクラスの生徒の親だったなら
ここで試験勉強を優先してしまう先生や学校であってほしくはないな、って思うだろうな、と思います。

その転校生は、その学校にいる権利があるし、
その学校をホームなんだ、って、
思っていいですよね。

同性愛者は、たしかに、海外の方がずっと生きやすいです。

バークレーは大好きだし、あの街に住めるならどんなに素晴らしいか、と今でもたまに思ったりするけど、

でもやっぱり、この日本がボクは大好きだし、
心の底からホームだって、思いたい。

だからボクは、
同性婚が認められる世の中に、早くなってほしいです。


最後まで最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。


P.S.

映画「エゴイスト」で同性愛者を演じた鈴木亮平さんのインタヴューが素晴らしかったので、
ぜひぜひ、たくさんの方に観てほしい!
貼り付けておきますね。


2023.2.20
kai

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