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日々の風景

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#詩

a gift

もう、10年以上前になるかしら…
友人の古本屋さんで「大切な人に贈りたい本」というコンセプトの企画展に参加した事があります。
大切な人に贈る本と手紙を添えて展示されました。
伊藤ゴローさん、tico moon、手紙社などの参加者の中に混ざっていいのか?私。。
焦りました。
そして、もうひとつ困ったのが、「大切な人」です。浮かばない訳です。「大切な人」が。
そんな懐かしい企画展の下書きを見つけてしま

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命の迷路

命の迷路

幾度も増築された病院の
迷路の様な細い廊下を歩く
清潔で無駄ない空間は冷たい
向かう場所へ矢印は続き
溜息と不安が低い天井にこだまする
生や死はいつも隣にあること
遠い地の災害
隣家からのSOS
無力さを嘆きながらも
痛さを封印したこころは実は無感動
少しずつ溢れていく
いずれ何もなくなるから
消えそうで消えない命に
へらへらと笑う君と私は
双子のように育った
悲しくはないんだ
私では守りきれない

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はると言う名の猫Ⅲ

はると言う名の猫Ⅲ

花散らしの嵐の中
桜散る中に
はるはいた

私はそっと抱きかかえ
家に連れ帰る
はるは黙ってしがみつく

それから三日三晩
はるは眠った
まあるくなって
はるは眠った

目覚めたはるは
姫になった
とても気の強い
姫になった