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「だから何」共和国。

実生活において1ミリも役に立たない知識を集めるのが好きだ。

大好きだ。ハチャメチャに大好きだ。

「そんなの集めてなんの意味があるの?」と聞かれたらこう答える。意味なんかないよ。ただ好きなのよ。と。

だって面白いじゃないの!

視力検査の時に必ず見かける「上下左右のC」。

あの子の名前が「ランドルト環」であると初めて知った時の、

「えっ!君そんな名前だったの!?」

ってときめきとかさ!ずいぶん長い付き合いなのに、私あなたの名前知らなかった!って衝撃とかさ!

名前を知ったらなんかグッと親近感が湧いてくるものだなぁって不思議とかさ!

牛乳を電子レンジや鍋で温めたりする事により、表面に膜が張る現象の名前が「ラムスデン現象」と知った時の、

「えっこれにもちゃんと名前あるんだ!」感。

その面白さ。

これがやみつきになる。


江戸時代に全国の諸街道に一里ごとに土を盛り、松や榎などの樹木を植えて、道のりの目印、里程の目標とした塚の名前が「一里塚」といって、このことが転じて「大きな仕事や目標へ向かう過程での一つの段階」という意味合いの言葉になったとかさ、

ロマン感じるじゃないの!


これが外国だとマイルストーンとかキロポストに名前が変わると知った時のさ、言語圏が違っても同じような意味合いの言葉ってやっぱり生まれるんだなとか考えるとさ、

ロマン感じるじゃないの!


言葉は興味を持った人の数が多いほど生まれるんだなと思ったのが、日本は「雨の音」であるとか「風の音」であるとかの自然の擬音を表現する言葉が他の国に比べて抜群に多いと知った時。風情を重んじる日本人らしいよね。

だって雨降らない砂漠では雨の音の表現っていらないじゃん。そのかわり羊とかラクダとか馬とか鶏とか、家畜を表現する言葉が抜群に多かったりするんだって。財産だから。

めっちゃ面白いじゃないの!!


自然といえば、花の特性で昆虫に花粉を運んで貰う為に、葉っぱと花でちゃんと色を分けて花蜜のありかを昆虫に知らせる印の事を「ネクターガイド」と呼ぶんだって。

そして最近の研究で、このネクターガイドは花粉を運ばないイモムシなどの幼虫には忌避性があることがわかったんだって。

花、めっちゃ頭いいじゃないの!!

あと、鹿は植物なら大概食べるけど、当然鹿の身長より上の植物は食べられないから、鹿の身長に沿って食べ散らかされるとそこだけ後が残る。そのできた線の事を「ディアライン」っていうんだって。

鹿は食べ散らかしてるだけなのに、名前めっちゃカッコいいじゃないの!!


カッコいいといえば、人類初の人工衛星は1957年にソビエト連邦が打ち上げたスプートニク1号で、スプートニクという言葉の原義はロシア語で「付随するもの」の意があって、これが転じて「衛星」もしくは「人工衛星」を意味するようになったんだって。

これが英語になるとサテライト。これも人工衛星の意。「本体から離れて存在するもの」の比喩としてよく使われるらしい。

人工衛星の名前はなんか爆裂にカッコいいのが多くて、日本が打ち上げに成功したのは「おおすみ」

(打ち上げたロケットの名前はL-4S)

いい名前だよね。おおすみ。

ロシア語で矢の意味の「ストレラ」とか、

イギリスの「プロスペロ」とか、

思春期に知ってたら多分ヤバかった。

ごめん嘘ついた。今でもヤバい。

それくらいカッコいいじゃないの!!


乗り物でいうと、なんで電車の線路って石敷き詰められてるんだろう?って思った事ない?

あの小石の名前は「バラスト」といって、騒音とか振動の防止に効果を発揮してくれてるんだって。

それと列車の左右動とか、温度によって伸縮するレールを固定してる枕木の移動を防いでもくれてる。

しかもバラストがあることによって雨水の排水が容易になって、雑草が線路に生えるのも防いでくれてる。

バラスト、めっちゃ防いでくれてるじゃないの!!超有能じゃないの!!


結構長文書いたけど、そもそもこの「文章に段落をつける」概念って外国から入ってきたもので日本にはもともとなかったんだって!明治時代頃かららしいよ。

言われてみれば古文の歴史的な書の写真で見る文とかなんかいつもギチギチのイメージあるもんね。

日本語の縦書きは行頭が下がるので「段落」って言葉が生まれた。

この文字の字下げの数も国によって違ったりするんだって!だから日本だと一文字だけど、国によって数文字の字下げになったりする。面白いよね。

言葉としても「パラグラフ」って言うんだってさ!

「¶」←記号だとこうなるんだって!

明治時代からって聞くと、なんか

「あれ?結構最近?」的な感覚になる事自体も含めて、

めっちゃ面白いじゃないの!!


記号と言えば、

「Å」←この子の名前が「オングストローム」で、

光の波長など、長さが非常に短いものを測る単位。1Åは1mの100億分の1。

100億分の1って!

途方もないじゃないの!!

短いものを測る単位なのに、比較すると途方もなさを感じる事自体も含めて、

めっちゃ面白いじゃないの!!


興味の無い人からすると、「だから何?」で一蹴される言葉達も、こうして集まると国ができる。

この「だから何共和国」に新しい住人を迎えるのがたまらなく好きなのだ。

そして今回、天気予報を見ていたら新たな住人ができた。

エルニーニョくんとラニーニャちゃんだ。

エルニーニョ現象は、太平洋赤道付近の日付変更線のあたりから南米の海岸にかけて、海水の温度が平年より高くなる現象の事だよ。と。

逆に海水の温度が平年より低くなる事は、ラニーニャ現象と呼ばれているよ。と。

2人は対の存在で、シーソーみたいにそれは数年に1度のペースで起こって、約1年間続くよ。と。

エルニーニョ現象が起きるとざっくりいうと日本では平年より夏は涼しい冷夏になって、冬はちょっと暖かい暖冬になるよ。と。

逆にラニーニャ現象が起きると、夏は平年より暑くなる暑夏になって、冬は寒さが激しい寒冬になるよ。と。

エルニーニョはスペイン語で「男の子」の意味で、これは男の子って意味だけじゃなく神の子とかイエス・キリストを意味したりもするよ。と。

もともとはペルー沖の北に住んでる人達がクリスマス付近に訪れる暖流の事を神の子だ!って言ってたけど、なんだか逆の現象もあるなぁ。

じゃあアンチ・エルニーニョだ!

でも神の子の意味で言ってるとアンチ・エルニーニョ!って語感悪いなぁ。

じゃあエルニーニョを男の子の意味合いにして、女の子の意味合いのラニーニャって名付けよ!

的なくだりがあったよ。と。

めっちゃ面白いじゃないの!!!

しかも日本どころか世界中に影響でるらしい。

エルニーニョくんとラニーニャちゃん、めっちゃ大暴れしてるじゃないの!!

世界規模のやんちゃな男の子とお転婆な女の子がだから何共和国の住民になったわ。楽しいわ。

これからもこの国を大きくしていきたい。

最初に実生活において1ミリも役に立たないって書いたけど、昔からちまちま集めてたのが積み重なってこんな風に記事になった。

だから役に立たない知識など何一つ無いのだ。

略して、だから何。

だから何共和国で、新しい意味が生まれたよ。





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